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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第31回 ナビゲーションをマスターしたい
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スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
今回は多くの方からマスターしたい、苦手という声が届く「ナビゲーション」について。皆さまがマスターできるようお答えいただきました。
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
自分の位置がわかりません
Q
いつもガイド付きで潜っています。潜っている場所がなかなかわかるようになりません。どう意識したら良いでしょうか?
(ハタタテハゼ/ブランク含み25年/230本)
A
そうですよね。おそらく、ほとんどのダイバーが同じだと思います。
車の運転と同じだと思います。自分で運転すると道を覚えるけど、乗せてもらってるだけだと全然、道を覚えないですよね。
日本やリゾートは、ガイド付きダイビングが主流なので、セルフダイビングが多い欧米と比べるとナビゲーションスキルは、圧倒的に落ちますね。
この話でわかるように、必要なスキルでないと覚えられないんですよね。
ナビゲーションスキルを覚えるには、セルフダイビングをやってみることです。最初は近場で行って帰って来るだけ、徐々にいろいろ行けるようになるってのが一番の上達方法ですが、なかなかチャンスがないですよね。
チャンスと言えば、レスキューコースは、コンパスを使って自分たちで捜索する実習があるので、いい練習になります。
また、ダイブマスターコースは、自分たちで水中マップを作ったり、水中ガイドの練習をしたりするので、ナビゲーションスキルは一気に上達します。
普段のダイビングでできることと言うと、沖や行き先にコンパスを合わせて、今、自分が進んでるのか、帰ってきてるのかだけでも、常にわかるようにしておくといいですよ。
まずは、これをやってみてください。
ナビゲーションで意識すべきことは?
Q
ナビをやる際に一番意識すべきことは何ですか?
(K/2年/45本)
A
うーん。一番意識すべきことか? なんだろ?
ナビゲーションをやるときは、ぶっちゃけ、コンパスナビゲーションよりナチュラルナビゲーションが大事ですね。ナチュラルナビゲーションとは、地形や景色、自然現象を覚えて、それをたよりにナビゲーションする方法です。
一番は地形で目印になる岩やサンゴや人工物を覚えて、その目標物を結びながら進んで、帰りは、その目印を見つけながら帰ってくる感じです。
コンパスは、サブで目印がない砂地や目印が見つからない時に使うくらいなので、沖と岸をわかるようにしておくくらいです。
ナビの一番意識すべきポイントは、コンパスだけを頼りにしないで、地形、景色、目標物を覚えるようにすることです。
コンパスが苦手
Q
コンパスが苦手なので、コツがありましたら、教えてください。
(優/15年/400本)
A
一つ前の質問でもお答えしましたが、コンパスナビゲーションより、ナチュラルナビゲーションが大事です。逆にコンパスに集中したり、頼りきってしまうと、ナチュラルナビゲーションの地形や景色や目標物が覚えられなくなってしまいます。
コンパスの使い方のコツは、コンパスに集中したり、頼りきったりしないことです。
目標物(岩やサンゴなどの地形)を見失った時に沖と岸がわかってれば、いくつかの目標物のどれかに戻ってこられるってときくらいにしかコンパスは使わなくていいんです。
コンパスは、あくまでサブなので、進んでるか、帰ってるかがいつでもわかるようにしておけば大丈夫です。
ナチュラルナビゲーションのコツ
Q
長く潜っていますが、ナビゲーションが苦手なのでコンパスの使い方のコツやナチュラルナビのコツなどを知りたいです。
(匿名希望)
A
今までの質問でコンパスナビゲーションとナチュラルナビゲーションの使い分けは話してきたので、今回は大事なナチュラルナビゲーションのコツを話しますね。
ナチュラルナビゲーションのコツは、どんだけわかりやすくて、どんだけ多くの目標物を見つけて、記憶しておけるかがポイントです。
たくさん見つけても覚えておけないと意味がないので、わかりやすい目標物を見つけるのが効率的ですね。
一番わかりやすいのは、目立つサンゴやソフトコーラル、人工物(ロープや網)など付いてる大きな岩です。ほかにわかりやすいのは、タイヤ、漁具、パイプなどの人工物です。
それらを繋ぎ合わせてルートを作りながら進んで行き、帰りはそれを見つけながら戻ります。
帰りにわかりやすくなるように、目標物を振り返って進行方向側から見て覚えておくのもポイントです。
その際には、目標物単体を覚えるよりも、視野を広く立体的に景色全体と目標物を覚えるようにすると見過ごしたりしなくなりますよ。
海中で方向感覚や地形の特徴をつかむコツとは?
Q
うん数年ダイビングは続けていますが、ナビゲーションは潜る機会が少ないポイントではいまだに方向感覚などイメージしづらいです。ビーチ、ボートを問わず、海の中での方向感覚や海中の地形の特徴をつかむコツ、コンパスを確認するタイミングなど、ナビゲーションで気をつけていることが知りたいです。
(うみもぐら)
A
ナビゲーションのコツは、これまでの質問でだいぶ話してきたので、今回は、方向感覚のイメージとコンパス確認のタイミングについて話していきますね。
方向感覚を失わないようにするには、常にボートの位置や戻る方向を意識しておく必要があります。残圧計やダイブコンピューターやバディを確認するのと同じくらい頻繁に戻る方向を確認するようにしましょう。
ただ、常に意識してれば、いつでも、戻る方向を覚えておけますが、水中生物を追ったり、撮影に集中したり、トラブル解決をしてたりして、ほかのことに集中してると、あれっどっちからから来たっけ?と方向感覚を失ってしまいます。そんなときのために、戻る方向のヒントをいくつか用意しておくのがいいです。
それは、戻る方向に見える範囲内の大きな岩だったり、戻る方向の大体の角度をコンパスでみておいたり、戻る方向に対する太陽の位置関係だったり、戻る方向に対する砂紋の角度だったり、いくつか戻る方向のヒントを作りながら進んでいくと、万が一、方向がわからなくなってもリカバリーできます。
最初にも話したように、残圧計、ダイブコンピューター、バディを確認するのと同じくらい頻繁に戻る方向を確認するようにしましょう。そんな癖をつけるようにしていきましょう!
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
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東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。
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