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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第42回 器材の洗い方・干し方・パッキング方法ほか

スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます! 今回は、ダイビング器材の洗い方や干し方、パッキングや保管方法を教えて!の声に、かっしーイントラに教えてもらいましょう。
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
重器材をスマートに洗って干したい
Q
重器材を手際良く洗う、干すをコンパクトにできるダイバーに憧れます。わたしは、もたもた水洗いをして後ろの方を待たせてしまったり、ついスペースを広げてしまったりスマートにできません。手順やルーティンなどコツを教えてください。
(かぴ/ダイビング歴12年/300本)
A
器材の洗い方は、性格が出ますよね。几帳面な人は、じっくり時間かけてますし、サクッと洗う人もいるし、どの洗い方が正しいか正解はないですよね。
洗う場所の設備によっても変わりますが、ベストな洗い方のポイントは、
①海から上がったら、なるべく早く、乾く前に洗いましょう。乾いて塩が固まるとなかなか落ちなくなります。家に帰ってから洗うっていうのは、あまりオススメできません。その場合は、長時間、水に浸けておかないとですね。
②水に浸けておく時間をなるべく長めにしましょう。一つずつ洗っていくのではなく、まず全部を水に浸けて、汚れが落ちやすい、フィンやマスクなどを先にサッと洗い、次にブーツやグローブなどの布もの、最後にBCDとレギュレーターなどの精密器材を洗うのがいいです。最後まで水に浸けておけるので大分、塩抜きできてます。
③丁寧に洗うところと、サッと洗うところを見分けて、メリハリをつけて効率良く洗いましょう。丁寧に洗う部分は、1番目は金属の可動部分。例えばレギュレーターの調節ノブやファーストステージ、中圧ホースのコネクター部分、あとはブーツのファスナー。2番目は可動しない金属の部分。金属は塩に弱いので、しっかり流しましょう。3番目は布もの。例えばブーツやグローブなど海水が染み込んでる素材は、絞るように何回か洗いましょう。
逆にフィンやマスクなど樹脂やシリコンは、海水がすぐ流れるのでサクッと洗えば大丈夫です。
以上の点を思い出して、メリハリをつけて効率良く洗えばいいんじゃないかな?
慣れてくれば、自分のルーティンができてきますよ。
干し方をコンパクトにするコツは、乾きがいい器材、スノーケル、フィン、レギュレーターは、メッシュの中に入れたままで吊るして置いてもOKです。BCDは、膨らまして干すと乾きやすいです。グローブは、BCDの金属リングにくくり付けて干すとなくならないし、スペースを取らないですね。一番のくせものはブーツで、棒などに刺して干すのがいいと思います。
平置きバージョンと吊るしバージョンの画像を載せときますね。

平置きバージョン

吊るしバージョン
スーツや軽器材を車以外で運ぶとき、どうしてる?
Q
スーツや軽器材を車以外で運ぶときに、皆さんどうしてるか知りたいです。メッシュバッグは電車に乗ったり移動で重いし、キャリーバッグは海まで持っていけないですし、どうするのが良いのか? 大きめの防水リュックに全部入れるか、荷物を運ぶキャリーだけ(折りたたみできる骨組みだけ?みたいなやつ)を買って、大きいバッグをそれに乗せればよいのか? 悩みます。
(もずく/ダイビング歴56本)
A
フル器材がある場合は、ダイビング専用のキャリーバッグにメッシュバッグに入れた器材ごと、そのまま入れるのが楽だと思います。
スーツや軽器材だけならダイビング用のキャリーバッグや骨組みキャリーまでは、いらないですね。
大きめの防水リュックに入れるのもありですが、やはり重いので、機内持ち込みOKなサイズの普通の旅行用トランクみたいなのに入れて運ぶといいと思います。フィンは斜めに入れればギリギリ入ると思います。
帰りは濡れてるので、スーツ、ブーツ、グローブは、厚めのビニール袋かプルーフバッグに入れてトランクに入れると水漏れ対策になります。
器材のパッキング方法、しまい方など知りたい
Q
ダイビング器材のしまい方。使わないときのしまい方、海に持って行くとき、海から帰ってくるときのバッグへの梱包方法。効率が良く、器材を傷めない方法が知りたいです。
(匿名希望)
A
器材のしまい方もインストラクターでもそれぞれのこだわりがあるので、正解はないですが、僕のおすすめのしまい方を紹介しますね。
運搬中は、まずメッシュの一番下にフィンを2本並べて、底にクッションを作ります。その上にBCDをタンク側が下になるように置き、BCDの中にレギュレーターとマスクを包むように入れます。次にブーツやフィンや小物を隙間に入れて、最後にスーツを入れる。
BCDにフィンを含め全部包んでメッシュに入れる人もいますが、BCDのタンクバンドの金具を傷めやすいので、おすすめしません。
保管中は、フィンは底だとポケットが潰れるので、両サイドに配置して、真ん中にBCD、隙間に、マスクケースにしまったマスク、ブーツ、グローブなどを入れます。マスクはケースにしまっておくと変色しにくいです。また、ブーツは潰れないようにして、ファスナーは、フルに開けず、フルに閉めず、中間にしておきましょう。塩かみしにくくなります。メッシュやスーツのファスナーも同様です。
スーツ類は、メッシュに入れっぱなしだと潰れてしまうし、シワシワになってしまいます。
幅広のハンガーにかけてハンガー跡が薄くならないようにして、日陰に吊るしておくか、真ん中にタオルなどを包んで、優しく緩く畳んでしまっておくのがいいですね。
編集注:マリンダイビングWebにもダイビング器材のパッキング方法の記事がありますのでご覧ください。
ドライスーツ着用時、荷物を減らしたい
Q
ドライスーツの時期のダイビング器材のパッキング術や電車ダイバーのための荷物を減らす術や技などもありましたらすごく知りたいです!
(濱谷佳子さん/ダイビング歴10年/75本)
A
ドライスーツの時は、荷物が増えるので、悩ましいですよね。メッシュにドライスーツを入れるとパンパンになるし、めちゃくちゃ重くなるので、やめたほうがいいです。
ドライスーツは、別で持ちましょう。やっぱり、専用のドライスーツバッグが一番コンパクトになります。だけど、持ちにくいので、おすすめは、リュックタイプの大きめのプルーフバッグに入れるのがいいです。帰りの水漏れ対策にもなりますしね。
フィンを大切に保管する方法は?
Q
フィンのブレードやストラップ、フットポケットなどをいたわる保管方法。フィンの素材(プラ、ラバーフィン他)で違いますか?
(ぶっきー/ダイビング歴7年/600本)
A
フィンの干し方や保管方法は、間違ってる方がすごく多いです。
●干し方
フィンは先になればなるほど、薄くしなりやすい素材なので、フィン先を下にして立てる干し方は、絶対NGです。次の日には、フィンの先が丸まったフィンが出来上がります。
干すときは、フィンの1番硬い部分、すなわち、かかと部分を下にして干すのがいいです。
●保管方法
器材の一番下に入れてしまいがちですが、長期保管する場合は、一番下だとフィンポケットが潰れて変形してしまうので、サイドに入れたりして潰れないようにしましょう。
プラフィンは、変形すると直りにくいので、特に気をつけたほうがいいですね。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。


スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A一覧
- 第42回 器材の洗い方・干し方ほか
- 第41回 スムーズに潜降したい!
- 第40回 使って便利な器材やグッズ
- 第39回 フィンワークの悩み解決!
- 第38回 耳が抜けない!耳ぬき完全攻略
- 第37回 ドライスーツの苦手を克服!
- 第36回 初めて行く海の店選びほか
- 第35回 中性浮力がうまくなる方法
- 第34回 マスクがらみのトラブル回避法
- 第33回 ボートダイビングのスキル
- 第32回 エア消費を抑える呼吸法ほか
- 第31回 ナビゲーションをマスターしたい
- 第30回 水中写真を撮るスキル
- 第29回 水中生物を見るスキル
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- 第27回 ブランク明けのアドバイス5
- 第26回 呼吸・吐き気・恐怖心克服ほか
- 第25回 フロート設定・適正ウエイトほか
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- 第23回 フィンワークを上達したい!
- 第22回 エントリースキルのお悩み解決!
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- 第18回 ビギナーが苦手な潜降、浮上ほか
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- 第13回 ダイビング器材はどう洗う?ほか
- 第12回 BCDトラブル・食事対策ほか
- 第11回 マスク選び・ホバリングほか
- 第10回 呼吸法・水面酔い・臭い解消ほか
- 第9回 ウエイト・中性浮力・鼻呼吸ほか
- 第8回 始める季節・波酔いほか
- 第7回 上手くなるコツ・フリー潜降ほか
- 第6回 ビーチエグジット・耳抜きほか
- 第5回 ゲージ固定・ドライの着脱ほか
- 第4回 エア消費・器材選び・耳抜きほか
- 第3回 ドライ浮力・フィン買い替えほか
- 第2回 飛行機搭乗時間・寒さ対策ほか
- 第1回 ブランク・マスククリアほか