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現地の海から2024.06.25

連載 パラオで潜りたいダイビングスポットBEST 10
第2回 ブルーホール
~アクアマジックパラオの堀さん解説~

パラオは、憧れの海外のダイビングエリアの中でも大物&魚群も地形もマクロも外れがない、まさに最強の海。せっかく行くならベストなタイミングでベストなスポットを潜りたいということで、《アクアマジックパラオ》のチーフガイドでパラオ歴15年の堀義雄さんに「パラオのダイビングスポットベスト10」を毎回、教えていただきましょう! 第2回は世界で最も神秘的といわれる地形スポット「ブルーホール」を堀さんが紹介してくれます♪

動のパラオと正反対の魅力

Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

 
《アクアマジックパラオ》の堀義雄さんは語ります。

パラオのダイブスポットBEST10の2番目に紹介するのにふさわしいのがここ「ブルーホール」。第1回で紹介した「ブルーコーナー」が大型回遊魚ガンガン、ナポレオンやオグロメジロザメなど大物も常連のダイナミックで動的な海なのに対し、「ブルーホール」は、神々しいばかりの光のカーテン、スポットライトと海の青さをたっぷりと味わえる静的な海の代表です。

説明をするよりも動画で見ていただければ、その素晴らしさを感じていただけると思います。

https://youtu.be/1tTiFkBXFj8

Movie by Yoshio HoriAquamagic Palau

ブルーホールの構造

上の動画は、「ブルーホール」の洞窟内から撮影しています。最初は外海に抜ける横穴、そして時計回りに回っていくと、次々とダイバーが下りてくる天井穴があります。ファンダイブではリーフエッジに近い穴から潜降してもらいます。光を浴びながらの潜降はとても気持ちがいいのですが、フリー潜降ができない方はほかの穴から入っていくこともできます。

動画はここで止めていますが、さらに右に振り切ると、最初に掲載している洞窟奥の天井穴があり、光のカーテンが楽しめます。動画にしてみるとこんな感じです。

https://youtu.be/t_MnXbfkjfE

Movie by Yoshio Hori Aquamagic Palau

こちらは奥の天井穴から射し込む光のカーテンを眺めながら、右回りにターンして、別の天井穴2つ、そして横穴の深い外洋ブルー、そして潜降穴のほうに撮影をしています。

実は「ブルーホール」には4つの天井穴があって、奥の2つの穴は水深が浅く、流れもあることがあるのでエントリーするのが難しいのですが、潮が引きすぎておらず波があまりないときにリーフエッジに近い2つの縦穴のどちらか、特に北側のほうから潜降することが可能です。その際は光のカーテンを見ながらの潜降が神秘的な感覚となります。フリー潜降が苦手な方はここを避けて、外洋側からゆっくりブルーウォーターを潜降していただき、横穴から洞窟内に入るという方法もあります。

ホール内はあまりにも幻想的すぎて、思考が停止してしまう(!)場合も。ガイドより深くならないように浅めに水深をとって、無減圧潜水時間に注意しましょう。

洞窟内に入ると外洋に抜ける横穴が2つ、小さいのも含めると3つか4つあって、暗闇から見えるブルーの海も感動的です。人によっては「涙が出る」というほど!

「ブルーホール」を空の上から

「ブルーホール」を空の上から

潜降穴から光を浴びながら潜降してくるダイバーたち
Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

潜降穴から光を浴びながら潜降してくるダイバーたち
Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

ハンマーヘッドシャークなど大物も!?

洞窟内から外洋側に抜ける横穴。透明感のあるブルーがとにかくきれい
Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

洞窟内から外洋側に抜ける横穴。透明感のあるブルーがとにかくきれい
Photo by Yoshio Hori(Aquamagic Palau)

 
潜降していくときのワクワクどきどき感や、穴から射し込む光のシャワー、スポットライト、オーロラのようなカーテンを眺めるだけで癒される「ブルーホール」ですが、実は思いがけない魚に会えることがたまにあります。
穴によく隠れているのはカッポレ。回遊魚ですが、ここで体を休めているのかもしれませんね。

「ブルーホール」は先の空撮写真で見たとおり「ブルーコーナー」のすぐ隣にありますので、横穴を抜ける辺りではタカサゴやウメイロモドキの群れも見られます。また、ごく稀ですが、ハンマーヘッドシャークやニタリなど大型のサメが姿を現すこともあります。

地形と光のポイントとなりますが、マクロ好きにもたまらないのもホールの良いところです。
ヘルフリッチことラベンダーブルジェットダートフィッシュ、アケボノハゼ、珍しいアヤメヤッコやアオマスク、光るウコンハネガイやクリーニングしてくれるベンデンコモンエビなども 楽しむことができます。

さて「ブルーホール」、いかがでしたか? まだ潜ったことのない方は、次にパラオに来た時はぜひご一緒に! ただ海況や潮の関係で潜れないこともありますので、ご相談くださいね。

アクアマジックパラオ
チーフガイド/ゼネラルマネージャー 堀 義雄さん

パラオ在住歴足掛け15年。福岡県出身のベテランダイビングインストラクター。「パラオは初心者でも潜れる」をモットーに安全で楽しくパラオの海を案内してきた、創業30年の《アクアマジックパラオ》ならではの経験と実績をDNAに組み込んだ、ガイドテクニックとアフターダイブを盛り上げる術を兼ね備えた頼れるお方。
初心者はもちろんのこと、ベテランやゲストのニーズに対して幅広く合わせたサービスを提供してくれます。
水中でのワイドで撮る魚群の撮り方では角度、構図などもしっかり丁寧に教えてくれます。群れとどう向き合うのか、どのポジションをキープしていたらいいのかなど、ご自身で写真を撮る方法と逆に人から撮られる際の写り方などまで、堀さん本人が経験して得た感性を惜しむことなく伝授してくれます。

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