ベストシーズンを潜る!
ダイビング in 串本

紀伊半島のほぼ最南端にあり「本州最南端の町」としても知られる和歌山県串本町。沿岸はダイビングに最適な地形と生物相に恵まれ、関西エリアで人気No.1の海としてつとに有名です。そんな串本の海が8月以降、ベストシーズンに突入! 青くてダイナミックな外海や、生物あふれる内海で、串本を潜り倒しましょう♪
※「潜りに来てくらんしよ~♪」は串本らしいカワイイ言葉です。意味は現地で聞いてみて!
※2026年7月現在の情報です
全国からダイバーが集まるダイビング天国、串本
海に有利な、豊かな環境
《南紀シーマンズクラブ》のボートに乗って、港をぐるりと見渡す
撮影/後藤ゆかり
昨年、世界最大級の大暖流、黒潮の大蛇行が終わり、黒潮の恵みは串本の海にどのような変化をもたらしているでしょう? 串本町の約8割が山林で、陸の恵みが海に繋がり海中の生物相も日本屈指といわれているうえに、黒潮の温かい海水のおかげで益々生きものたちの種類や数が増えてきています。
20カ所以上あるダイビングスポットまでボートで近くて5分足らず、遠くても30分程度と、初心者にも安心の距離。スポットは外海、内海に大きく分かれ、流れがほとんどない初心者も潜れるスポットから大物ガンガン、流れもあるベテラン向きのスポットまでいろいろ。
まさに串本はダイバーに理想的なダイビング天国なのです。
2026年、季節来遊魚が既に続々!
日本の沿岸に黒潮に運ばれてやってくる、本来はそこに生息しているはずのない南海の魚や生きものを「季節来遊魚」(生物学的には死滅回遊魚)といいます。夏の終わり頃から秋に海中で発見されることが多いのですが、近年、串本では6月頃から話題になることも。冬になって水温が低くなり、普通は生息できなくなるのですが、“越冬”して常に見られるものもいます。さて、2026年はどうでしょう?
色鮮やかなハナゴイ

オレンジ色のキンギョハナダイに交ざって鮮やかな紫色のハナゴイが(お客さま撮影)
写真提供/南紀シーマンズクラブ
「昨年より接岸している黒潮に乗って、南方種が多く見られるようになってきています。ハタタテハゼやフタスジリュウキュウスズメダイが通年、多く見られるようになりましたし、なんといっても、オレンジのキンギョハナダイの群れに交ざって泳ぐ、紫色のハナゴイたちが増えて、とてもキレイです!」と言うのは《南紀シーマンズクラブ》の人見茉利(ひとみ まり)さん。
たくさん出だすのはこれから!

ナンヨウツバメウオの幼魚も季節来遊魚
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
まだこれから、と言うのは《バブルリングダイバーズ串本》の代表、道井洋之さん。
「季節来遊魚は秋頃から増え始めます。ハダカハオコゼやニシキフウライウオ、カミソリウオ、ホホスジタルミやマダラタルミの幼魚などなど、カメラ派に人気被写体が続々と出現する季節ですね」
串本の夏は見どころいっぱい!
求愛、産卵、ハッチアウト

クマノミの親が産みつけた卵をせっせとケアしている様子も感動モノ
写真/南紀シーマンズクラブ
串本はもう夏真っ盛り! 8~9月の特徴を《南紀シーマンズクラブ》の人見さんに聞きました。
「求愛や産卵、子育てする(卵を守る)姿がよく見られます。また、その子どもたちがハッチアウト(卵から出てくる!)して、いろいろな魚たちの幼魚があちこちで観察できます! この時ならではの、小さいながらに必死に泳ぐ姿は、とてもかわいく、見応えたっぷりです!! 成魚とはまた違った形や色の幼魚もユニークです」
ハゼ、ハゼ、ハゼ三昧!

リクエストの多いアイドル、ホタテツノハゼ
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
《バブルリングダイバーズ串本》の道井さんは8~9月の海の特徴をこう語ります。
「水温が高い時期なので、アイドル系のハゼ(オドリハゼ、ヤシャハゼ、ホタテツノハゼ、ネジリンボウ、ヒレナガナジリンボウなど)の出はいいですね。カエルアンコウ系も充実していますよ」

キビナゴの群れが頭上を覆います。眺めているとそこに大物がアタック!
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
道井さんの話は続きます。
「深場ポイントに行けば、アケボノハゼや、スジクロユリハゼなんかに会うことも! 個体差もありますが、比較的寄れて写真も撮りやすいです。また、キビナゴの群れとそれにアタックする回遊魚なども見どころかと思います」
大物遭遇率もアップ!

外洋スポット「浅地」ではカンパチの猛泳も見もの
写真/南紀シーマンズクラブ
「夏は冬に比べ、風向き的に、外洋へ出やすく、マダラトビエイやハンマーヘッドシャークの遭遇率が上がります」と言うのは、《南紀シーマンズクラブ》の人見さん。「メインの外洋ポイントは、浅地や二の根などが人気です」
写真を撮るなら内海!

あくびをするヒレナガネジリンボウ。ゆっくり狙える内海ならでは
写真/南紀シーマンズクラブ
「ただ、黒潮が近いので、流れがキツイと感じる時も増えてきました」と人見さん。「じっくりと写真を撮ったり、ゆったり生きもの観察をしたい方は、内海が断然オススメです! 湾内のポイントは比較的穏やかで、毎日のように潜るポイントなので、どこに何がいるかなどのネタ(生き物情報)がとても豊富です!」
スポット別 夏の海の見もの
《バブルリングダイバーズ串本》の道井さんは串本のダイビングスポット別に、夏の海の見どころを教えてくれました。

青い海に映えるカゴカキダイの群れ
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
■備前 アイドルハゼ系が充実。ヒレナガネジリンボウ、ネジリンボウ、ヤシャハゼ、ホタテツノハゼ、オドリハゼなどなど
■グラスワールド カゴカキダイの群れ、アオウミガメ
■エビ根 アザハタの根(アザハタとその周りにキンメモドキやクロホシイシモチの群れ)
■住崎 キビナゴの群れ、イサキの群れ、キンギョハナダイの群れなど

キンギョハナダイの群れもより色鮮やかに
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
■浅地(外洋) キンギョハナダイの群れ、カンパチの群れ、メジナの群れ、ニザダイの群れ、たまにハンマー。
■双島沖ニの根(外洋) キンギョハナダイの群れ
■イスズミ礁 チョウチョウウオの群れ
秋の串本だって絶好調
10月以降、秋めいてくる串本の海についても聞いておきましょう。秋といえば日本の海のベストシーズン。果たして串本は?
南方種が元気で水中はにぎやか!

シラコダイの大きな群れも。「浅地」にて
写真/南紀シーマンズクラブ
「秋もまだまだ南方種が元気で水中はにぎやかですし、キビナゴの超大群や、それを追うカンパチなども観察できます(外洋・湾内ともに)!! 陸上の煮えてしまうような暑さからは少し解放されますが、水中はまだまだ水温が高い時期なので、ウエットスーツで潜られる方も多いです。11月終盤以降、水温が段々下がってくると、冬に向けて、ウミウシなどを探すことも増えてきます」(南紀シーマンズクラブ/人見さん)
幼魚がいっぱい!

オオモンカエルアンコウの幼魚
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
「各ポイント、カエルアンコウ系、マツカサウオyg、ハナゴンベygなどが出ています。昨年はチョウチョウコショウダイのygも出ました。港には、よくナンヨウツバメウオの幼魚なんかも現れます」(バブルリングダイバーズ串本/道井さん)
10~11月のスポット別見どころ

ソラスズメダイが群れ群れ
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
《バブルリングダイバーズ串本》の道井さん、秋のダイビングスポットごとの見ものも教えてくれました。
■アンドの鼻 アザハタの根(アザハタ&クロホシイシモチやキンメモドキ)、ミジンベニハゼ大量(笑)、アイドルハゼ系(ヒレナガネジリンボウなど)
■備前 ミナミハコフグyg、ハナゴンベyg、ハゼ系(ヒレナガネジリンボウ、ヤシャハゼ、オドリハゼ、ホタテツノハゼ、ネジリンボウなど)
■住崎 ミナミハコフグyg、ハナゴンベyg、ニシキフウライウオ、カミソリウオ、キビナゴ群れなど
■グラスワールド ソラスズメダイ群れ、キンギョハナダイ群れ、アオウミガメなど
■中黒礁 ムレハタタテダイ群れ、ソラスズメダイ群れなど
「アンドの鼻」のオープンも待ち遠しい

写真は違うスポットで撮影したものですが「アンドの鼻」といえば「アザハタの根」が有名
写真/南紀シーマンズクラブ
「現在いつ開くかは未定ですが、毎年秋頃に短期間のみ解放される『アンドの鼻』も見逃せません」と言うのは、《南紀シーマンズクラブ》の人見さん。

昨年はミジンベニハゼ畑が大フィーバー。今年も期待!
写真/道井洋之(バブルリングダイバーズ串本)
《バブルリングダイバーズ串本》の道井さんも「アンドの鼻」オープンが待ち遠しいお一人。
「元祖アザハタの根があるポイントで、約一年寝かしているので、毎年入るのが楽しみです。砂地にはアイドル系のハゼ(ネジリンボウ、ヒレナガネジリンボウ)などがいたり、昨年話題になったミジンベニハゼ畑も、このポイントです。昨年はミジンベニハゼが50匹オーバーはいるのではないか、というくらい爆発していました」
今回協力いただいた串本のダイビングサービス
串本町には多くのダイビングサービスがあります。今回の特集に協力していただいた、おすすめのダイビングサービス2店にコメントをいただきました!
最高のロケーションにある、充実の施設とサービス
南紀シーマンズクラブ
〒649-3503 和歌山県東牟婁郡串本町630
TEL:0735-62-1258
E-mail: info@nankiseamansclub.com
※連絡時に「マリンダイビングWebを見た」と言えばスムーズです

2026年度入社の新人、小倉絃冬くん(左)を加え、常勤メンバー5名で、元気に皆さまをお迎えいたします! 今回ご回答いただいた人見茉利さんは前列中央

《南紀シーマンズクラブ》のメインの建物と敷地内にあるテラス
写真/南紀シーマンズクラブ
2028年に40周年を迎える老舗ダイビングサービス。広い施設に大型のダイビング船3隻と海辺のテラスが好評! 常勤の女性スタッフがおり、女性のお一人旅も安心♪ 安全面を考慮し、ブランクのある方や初心者の方向けに、ビーチでのリフレッシュダイビングも積極的に開催しています。
お店のすぐ目の前からボートでGO&DIVE !
バブルリングダイバーズ串本
〒649-3505 和歌山県東牟婁郡串本町串本617-36
TEL:0735-62-3381
E-mail: info@bubble-ring-divers.com
※連絡時に「マリンダイビングWebを見た」と言えばスムーズです

元気なスタッフ陣が徹底ガイドしてくれます! 前列が代表の道井洋之さん
写真/バブルリングダイバーズ串本

海が目の前にある店舗内。グループごとにテーブル利用が可能。アウトサイドにも大きなテーブルを設置
写真/バブルリングダイバーズ串本
大型で快適なダイビング専用ボートがお店の目の前から出港で、ファンダイビングするには便利です。潜水エリアは近場から外洋まで広範囲をカバー。
生物に精通した気さくで明るいスタッフが、お客様のスタイルに出来るだけ合わせた丁寧なガイドを心がけています。
串本で潜るなら泊まりも大切♪
ロッジラプレ串本
〒649-3633 和歌山県東牟婁郡串本町大島1193
TEL:0735-65-0155
E-mail: rapure@za.ztv.ne.jp

《ラプレ串本》は閑静な丘の上にあり、朝は鳥のさえずりで目覚めます
写真/後藤ゆかり
串本エリアから車で8分、紀伊大島の海の見える丘に立つロッジタイプの素泊まり専用宿。ツインルーム4室、シングルルーム1室ですべてシャワー&トイレ付き。客室にはエアコン、TV、バスタオル、フェイスタオル、シャンプー&コンディショナー、歯磨きセット、ドライヤーなど必要なものはそろっていてとても快適!
文/後藤ゆかり(マリンダイビングWeb)











新刊『サンゴ礁の世界』とTHE PROTEIN 安納芋風味をプレゼント!