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「メイド・イン・ジャパン」の2メーカーがタッグ
MOBBY'S × GULLのオーダーメイド
ウエットスーツが登場!

「メイド・イン・ジャパン」の2メーカーがタッグ MOBBY'S × GULLのオーダーメイドウエットスーツが登場!

自社工場開発にこだわり、「メイド・イン・ジャパン」の製品を送り出してきた2メーカー、株式会社モビーディック(MOBBY'S)と株式会社キヌガワ(GULL)がタッグを組み、新たなオーダーメイドウエットスーツが登場しました! その開発に携わった、株式会社モビーディック本社・工場執行役員の木村さんと、デザイン担当のチーフリーダーである菊田さん、そしてGULLの飯森さんの3名に、このウエットスーツへのこだわりや開発にあたっての想いなどについて、お話をうかがいました。

聞き手:鴫谷隆(マリンダイビングWEB編集長)

MOBBY'S とGULLが
タッグを組んだ理由

株式会社モビーディック本社・工場執行役員の木村さん(画面内左)と、デザイン担当のチーフリーダーである菊田さん(画面内右)、GULLの飯森さん(写真右)

株式会社モビーディック本社・工場執行役員の木村さん(画面内左)と、デザイン担当のチーフリーダーである菊田さん(画面内右)、GULLの飯森さん(写真右)

――まずは、なぜGULLでオーダーメイドのウエットスーツを用意しようと思ったのですか?

飯森:以前からGULLとしてもウエットスーツを取り扱いたいという気持ちがありました。我々としては「メイド・イン・ジャパン」というところにこだわってきたので、できればオーダースーツを手がけるなら国産のメーカーとタッグを組んでモノづくりをしたいと考えていました。そんなとき、元々お付き合いのあったMOBBY'Sさんとの間で話が持ち上がり、「メイド・イン・ジャパンのモノづくり」にぴったりと合致することから、我々のほうから相談をしにいったのが始まりです。

――MOBBY'Sとしては、この話があったときにどのように思われましたか?

木村:そうですね。GULLさんとは長いことお付き合いさせていただいていて、器材メーカーさんと一緒にお仕事をさせていただくのであれば、GULLさんしかないと思っていました。社長の保田をはじめ、社内全体がそのように思っており、今回は非常に良い機会だったと思っています。

――では、話はトントン拍子で進んでいったのですね。

飯森:そうですね、気持ちはトントン拍子で、作業としてはだいぶ大変でしたが(笑)、一緒にやろうという方向性はすぐに決まりました。

オーダーメイドスーツへのこだわり

――いざ、MOBBY'S × GULLコラボのウエットスーツを作ろうとしたときに、どんなウエットスーツにしたいという想いがありましたか?

飯森:GULLは軽器材メーカーなので、その軽器材と共にMOBBY'Sのクオリティの高いウエットスーツをGULLブランドとして着てもらえるというのがとてもメリットに感じました。そこにスーツの機能性だったり、着やすさだったり、どんなものがGULLユーザーに合いそうか、木村さんはじめ皆さんに相談させていただきながら決めていきました。提案をいろいろとしていただいて、デザインもそうですが、我々になかった知識をたくさん教えていただくことができ、非常に感謝しています。

菊田:最初に何案かお出しして、その中からGULLさんのほうで「これで」というのをまず決めていただき、そこから具体的なデザインへの落とし込み、カラーの配置や、ロゴの位置決定などを進めていっていただいたという感じですね。

――そこでそれぞれの提案やこだわりを出し合ったというわけですね。GULLのほうでこだわった点はどこでしょうか?

飯森:アシンメトリー風の色の入れ方など、やはり「GULLらしさ」を出したかったというのはあります。ロゴもこのウエットスーツ用にGULLのロゴから落とし込んで作るなど、デザイン面にもこだわりました。MOBBY'Sさんが持っている色数の多さから、GULLの製品と組み合わせてどんなコーディネイトができるのか、いろいろと想像がふくらんで期待をしましたね。

――MOBBY'Sのほうでは何かこだわった点などはありますか?

菊田:MOBBY'Sのこだわりというより、GULLさんの要望をできるだけ汲んで、GULLさんらしさを引き立てようとしたことですかね。できないところはできませんでしたが(笑)。

飯森:いろいろなところで無理難題を言ってしまいましたので(笑)。

菊田:細かいところですが、マークの線の細さの調整はけっこう時間がかかりましたね。飯森さんからイメージでいただいた線の細さだと、品質を保つのが難しく、これくらいの太さでどうですかと。そこは苦労しましたが、イメージを崩さない範囲でそれがキープできるようなラインを見つけて、なんとかうまくできたと思います。ひとつのスーツを作るのにもいろいろな資材が必要なので、GULLさんのロゴをどこに入れるか、なしにするか、細かい調整はたくさんありましたね。

飯森:今回のウエットスーツのモデル名を、男性用は「ジーゴス」、女性用は「チャーミー」とつけているのですが、「ジーゴス」はちょっと駄洒落っぽいですが、「すごいぜ」を逆にして名付けました。それくらいコストパフォーマンスに優れていて、ファスナーなどの標準装備が充実しているうえに、生地がよく、着やすくてフィット性がいいスーツになっています。GULLのコンセプトに「シンプル」がありますが、シンプルな中に機能を詰め込んだ状態ですね。女性用はどちらかというとロゴの線の細さとか、デザインの繊細さを際立たせてチャーミングに着てほしいので「チャーミー」と名付けました。そういうイメージで色の配色をテスト的に作ってみるなど、いろいろとやりましたね。とにかくシンプルに着やすい、着ていて違和感がない、ストレスがないウエットスーツというのが目指したところです。

MOBBY'S × GULLオーダーメイドウエットスーツ

MOBBY'S × GULLオーダーメイド
ウエットスーツの詳細はこちら

――そうですね、見た目はすごくシンプルなのに、使いやすさには徹底的にこだわっているように感じられますね。

飯森:既製のスーツは我々も扱っていたのですが、やはりオーダーメイドスーツとなると、日本人の体形がわかっているとか、コンセプトがしっかりしているとかが重要だと思います。その点ではMOBBY’Sさんはとても安心して一緒にモノづくりができましたし、スーツを購入したダイバーの皆様も安心して利用できると思います。

特にこだわったのは「着心地」というところです。生地の伸びを抑えるなどすればコストは抑えることができますが、着やすさを重視すると、やはり生地は伸びがいいものにしたいと悩んでいました。そこでいろいろとご相談させていただいている中で「FX/SP」という生地がいいのではないかと提案していただきました。おかげで、良いクオリティの生地のスーツが完成したと思っています。

――今回使われているこのFX/SPという生地にはどのような特徴がありますか?

木村:一番は柔軟性ですね。昔は特にウエットスーツを選ぶポイントで「丈夫さ」の比重が高かったのですが、ここ10年ぐらいで、極端な耐久性よりも「着ていてラク」、「動きやすい」といったところに価値を感じるダイバーが一気に増えてきました。そういった要望にこのFX/SPという生地はすごく適していて、圧迫感といい、動きやすさといい、すごくバランスのとれたいい素材だと思っています。色数も豊富に用意していますので、カラーコーディネイトがしやすいのも特徴ですね。

――機能性もファッション性も両方を兼ね備えているということですか?

木村:そうですね。MOBBY'Sのスーツでも十分長い間使っていて実績もありますし、過剰な耐久性はないかもしれませんが、十分な耐久性を維持しながら、しなやかですごく着心地のいいウエットスーツが作れる素材となっています。

――シンプルでありながらコストパフォーマンスもよく、すごく魅力的なウエットスーツですね。GULLとしてはどんなダイバーにこのウエットスーツを着てほしいと考えていますか?

飯森:シンプルで、とても着やすいので、これからダイビングを始める方に他のGULL製品とあわせてトータルコーディーネートして使っていただけるといいですね。一方で、すでにGULL製品を使っていただいているGULLファンのダイバーの皆さんには、新しいパートナーとしてオーダースーツを着て欲しいという想いもあります。我々とすれば、全身GULLでダイビングを楽しんでいただきたいと思っていますが、それらをすべて「作る」と考えると、なかなか難しいです。マスクやフィンは作れますが、ウエットスーツは得意でない部分ですので、やはり「餅は餅屋」ではないですが、そこをMOBBY'Sさんにすごく教えていただけたと思っています。これで良いスーツを供給できる準備は整ったというところですね。

「メイド・イン・ジャパン」への
こだわり

「メイド・イン・ジャパン」へのこだわり

――一方で、MOBBY'Sの「メイド・イン・ジャパン」のこだわりは、どんな点にあるのでしょうか。

木村:サイズオーダー品に関しては、我々も含む日本のウエットスーツは技術的に最先端にあります。海外のウエットスーツはどうしても既製品ベースになってきますので、日本のオーダーメイドというのはある意味、世界でトップの位置にあると思っています。我々はサイズオーダーに対して、型紙を作る技術に関しても社内開発ですべて用意しており、この技術に非常にこだわりを持っています。ベースになっているソフトウエア自体は既成のものですが、その中身をカスタマイズして自社で作りこんでいます。

我々が扱う商品の中には、海外で作って仕入れているものもあるのですが、基本設計等はすべて日本でやっていて、型紙などもすべて日本から送り込み、完全に我々の仕様で作製してもらっている状態です。海外で作ったからといって、我々もメーカーとして活動している以上、販売したものをメンテナンスできないというわけにはいきません。「自分たちで作れないものは作らない」というこだわりをみんなで共有しています。日本の技術をもって日本で作る場合と、一部を海外で作る場合があったとしても基本になる部分はすべて日本で技術を確立したうえで、メンテナンスも対応できるようにしてモノを作っているというのが、基本的なスタンスとなっています。

――そこまで「メイド・イン・ジャパン」にこだわる理由は何ですか?

木村:やはり品質のコントロールをきちんと、目に見える形でやりたいというところですね。また、日本のお客さまだけでなくて海外のお客さまも、「日本製」ということに付加価値を感じている方がたくさんいるので、そういったことも含めて、どこまでいっても「メイド・イン・ジャパン」ということを大事にしていきたいですね。

――日本人のダイバーにとっても安心感が違いますね。

木村:ダイバーの皆さんはやはり「欲しい」と思ったときに器材を手に入れたいですよね。海外でサイズオーダー品を作っていると、お客さまが使いたいときに手元に渡せないという、リードタイムの問題が出てきます。日本で作っていれば、お客さまが希望する日までに届けられるように我々も努力をし、良いものを作ってお届けしたいと思っています。海外だとどうしても納期がかかってしまうので、届いたころには「もういらない」ということにもなりかねませんからね。ただ、繁忙期になるとどうしてもすべてのお客さまの要望に応えることができないことがあるかもしれませんが、できるだけの努力をするようにしています。

――このような理念はGULLにも通じるところがあるのでしょうか。

飯森:そうですね。今回ご一緒して、勉強させていただいた部分もたくさんあります。商品は違うにせよ、「日本製だからできること」というところは、根底の部分では同じだと思います。

木村:それと今回、GULLさんとのコラボウエットスーツを作製するにあたり、商品を作るうえでは、MOBBY'Sの商品だからとか、GULLの商品だからとか、我々は分け隔てを一切していなくて、あくまで同じ立ち位置で、ウエットスーツの工場として同じ品質で、同じ基準でもって作っています。我々工場側の人間は、「商品の品質で工場の価値が左右される」と思っていますので、「品質が第一」ということに一番こだわっていますね。

――熱い想いをありがとうございました。では最後に、ダイバーに向けてひと言、お願いできますでしょうか。

木村:これはウエットスーツだけでなく他の器材にも共通することだと思いますが、我々は安心・安全なものを良い品質でダイバーの皆さんに提供できるように努力していますので、皆さんは自分に見合った技術で楽しいダイビング、感動できるダイビングをしていただけたらうれしいです。あまり無理をして、楽しい思い出が楽しくないものになってしまうと残念ですので、インストラクターやガイドの指示にきちんと従いつつ、楽しいダイビングをぜひお願いしたいなと思います。

菊田:そうですね、より安全に、より長くダイビングを楽しんでいただきたいというのと、あとはやはりせっかくのオーダーメイドのスーツですし、かなりいい色を取り揃えていますので、カラーコーディネイトも楽しんでほしいですね。スーツの素材の色の組み合わせと、GULLさんの3点セットのカラーバリエーションをうまく合わせて、自分だけのオリジナルスーツを楽しんでほしいと思います。

飯森:これから夏~秋のダイビングのベストシーズンに向けて、いろいろとダイバーの皆さんに提案していく中で、このMOBBY'Sさんとのコラボウエットスーツは注目の商品になってくると思います。積極的に我々の想いなども伝えながら、ぜひダイビングするときには皆さんのパートナーとして着ていただけるようになるといいですね。

――今後の予定は何かありますか?

飯森:せっかくMOBBY'Sさんと一緒に組ませていただいたので、まずは、このスーツを着ていただける方を増やして、次の企画につなげていきたいですね。これからもいろいろとトライしていき、将来的な夢としては、MOBBY'S × GULLで日本のものづくりを実感いただける“製品”を開発できたらいいなと思っています。

――本日はありがとうございました。

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