ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A
耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
※読者の皆さまのご質問やお悩みを大募集! 今回はマリンダイビングWeb編集人がよく質問されることを中心にお届けします。
2年以上のブランク明けに気をつけること
Q
コロナ禍で控えていたダイビングを再開しようかと思うのですが、2年以上もブランクがあります。準備段階から実際に潜り終えるまで、気をつけたほうがいいことがあったら教えてください。
A
新型コロナの影響で久々に潜る方が増えてますね。久しぶりのダイビングで意外と苦戦するのは、器材セッティングと最初の呼吸、耳ぬきですね。えっ、こんな基本的なこと、大丈夫でしょっ!て思うかもしれませんが、本当に多いんです。
潜り始めちゃえば、中性浮力とか潜り方は体が覚えてる!ですよね。
セッティングは、結構忘れます。ダイビングに行く前に動画とか見て復習しとくといいですね。僕のYouTubeでも久々の人のためのセッティング動画を公開してます。
次は、呼吸法。久々だと無意識にしてたダイビングの呼吸を忘れて、陸上の呼吸をしちゃう人がいます。陸上の呼吸だと浅く呼吸になってしまうし、久々で少し緊張してたり、焦ったりしてると、息苦しく感じてしまいます。潜降する前に顔を水につけて少し呼吸を練習して、慣らしてから潜るといいですよ。
もう一つは、耳ぬきです。久々だと耳と鼻を繋いでる耳管の周りの筋肉が硬くなって、抜けにくくなる人が多いです。陸上で何度か耳ぬきを練習してから潜るといいですよ。
ドライスーツだと中性浮力がとれない!
Q
ドライスーツの季節になりましたが、どうしても水中で安定せず上に行ったり下に行ったりして、ウエットスーツのときのような安定感がありません。どうすれば中性浮力がうまくとれるようになりますか?
A
ドライスーツが苦手って方、多いですよね。なかでも中性浮力取りにくい、足から浮いちゃうって悩みをよく聞きます。
ドライスーツで安定して中性浮力で潜るには、3つのポイントがあります。
1.インナー選び
2.泳ぐ姿勢
3.ドライの排気(姿勢、タイミング)
まず、インナーですが実は、インナー選びがドライを快適に潜る一番重要事項なんです。
インナーを選ぶ時に暖かさを優先して、足から冷えるからと思いズボンや靴下を厚着してしまう方が多いですが、それはNGです。
ドライスーツの排気バルブは上半身(通常左肩)に付いてるので、ドライスーツを着た時の基本姿勢は上半身が少し上がるようにしないと浮力コントロール(排気)がやりにくくなります。下半身のインナーを厚着すると浮力が増すので足が浮き、上半身が上がりにくくなってしまいます。上半身のインナーを増やせば、浮力コントロールが楽になります。下半身を厚着したいなら、上半身をもっと厚着するようにしましょう。
インナーについて、詳しくはブログでも解説してます。参考にしてください。
泳ぐ姿勢については、先程も話したように上半身が上がり気味で泳ぐのがポイントです。下を向いたり、ヘッドファーストで潜ったりすると足に空気が溜まり排気ができなくなるので気をつけてください。また、軽いフィン(プラスチックフィン)を使ってると足が浮きやすくなりますよ。少し重めのフィン(ゴムフィン)がおすすめです。もしくは、足が浮く人はアンクルウェイト(足につけるウェイト)をつけましょう。
排気の時の姿勢とタイミングも大事です。排気の姿勢ですが、しっかり右肩の排気バルブが上になるようにしてください。コツは、膝が曲がってると足先の空気が抜けなくなるので足をしっかり伸ばすのと、猫背になると首の後に空気が溜まり抜けなくなるので胸を張ることが大事です。抜くのに必死になって呼吸が吸い気味になって浮いてく人もいるので気をつけてください。
タイミングは、早め早めに抜くようにしましょう。ちょっと浮き気味になると上半身が下がるために頭が下になって、足に空気が溜まってくるので、その前に抜くようにしましょう。しっかり抜いてから、給気し直すくらいのほうがいいですよ。特に水深15mから10mに上がる時に浮きやすくなるので、その時に一度しっかり排気して一度リセットするようにすると浅場が快適になりますよ。
マスククリアができない!
Q
マスククリアが苦手。克服する方法を教えてください。
A
ライセンス(Cカード)取得講習の時もマスククリアが苦手な人が一番多いです。
苦手な人でよくあるパターンは、押さえる手に力が入ってしまいマスクが上にズレて鼻からの息がマスク内に入らず外にもれてしまう。マスクの下を開き過ぎて抜けきらない、などです。
克服するには、まずは焦らないことです。水が入ると最初は焦りますが、ゆっくり深呼吸して落ち着くようにしましょう。
でも、鼻が濡れると鼻に水が入ってきそうで焦っちゃいますよね。それを解決する裏技があるんです。秘技『下を向く!』ただ、下を向くだけですが、マスクが真下になるくらい、顎が胸に付くくらい下を向くと、マスクのガラス面に水が移動して、鼻に水が入らなくなります。そのまま少し落ち着いてから慌てず、マスクの位置を確認してゆったりクリアーしましょう。
ダイビングって雨や雪の日もできる? 寒くない?
Q
ダイビング初心者です。雨や雪の日ってダイビングすると寒そうなのですが、そもそもできるんですか?
A
全然大丈夫ですよ。どっちみちに濡れますしね。
水中の水温は、表層だけ少し冷たくなりますが、ほとんど影響ありません。どっちかと言うと、陸上やボート上で濡れたままで乾かないので冷えますね。ダイビング後の防寒が大事です。濡れたままのラッシュガードは、ものすごく冷えるので、ラッシュは脱いでなるべく体を拭いて、ボートコートや乾いた服と防水ジャンパーを着て対策しましょう。
豪雨だと川の近くのポイントは濁った水が流れてきて透明度が悪くなることはあります。川の近くじゃない所やボートで沖に出れば問題ないですよ。
ダイビング後のフィンの着脱ができない
Q
先日ビーチダイブで潜った時に、そんなにブランクはなかったはずなのですが、体力が落ちてしまったのか、エグジット時に立ち上がれなくて、フィンもなかなか脱げなくてびっくりしました。インストラクターさんのようにエグジットの時に颯爽と立ち上がって、フィンを脱いで陸に上がりたい。どのように鍛えればいいですか? フィンの脱ぎ方のコツってあるのですか?
A
意外と隠れ苦手スキルなのがフィンの着脱ですね。ポイントは3つ。
1.脱ぎやすいフィン
2.脱ぐタイミング
3.体を柔らかく
フィンの脱ぎやすさは重要です。きついフィンだと足が抜けないです。フルフットフィンでは、ボートに上がる時に苦労しますよね。フルフットフィンは、ぴったりより少し緩めがいいです。指1本分くらい余裕があっても外れないし、着脱が楽になりますよ。ドライの時は、特に抜けにくいのでポケットが広いフィンか1サイズ大きめを選びましょう。ストラップは、バネとかバンジーストラップが楽ですね。バックルタイプは、砂利が噛んではずれない時ぐあるので潜る前にチェックしておきましょう。
脱ぐタイミングは、ビーチダイビングで重要です。水中で脱ぐ時は、波が来る所は体が波でフラフラして片足を上げて脱ぐのが難しいし、腰まで水面に出るとタンクの重さで手足が動かしにくくなるので、ちょっと早め、足がついたらすぐ、水面が胸から肩くらいの所で脱ぐのがおすすめです。重力がかからないので足が上げやすいし、手足も動かしやすいので脱ぐのが楽になりますよ。
陸上で脱ぐ時は、波が来ない所までしっかり上がってから、足首を伸ばしてカカトを上にして少し持ち上げストラップをはずしたら、あとは、片足でフィンを踏んづけて足を抜くようにしましょう。
着脱をもっと楽にするには、身体を柔らかくするのが一番です。足が上がるようにする。手が届くように前屈できるようになるのがいいです。
股関節と足首、膝のストレッチ、前屈をして身体を柔らかくしましょう! 潜る前の準備運動も大事ですね。
不得意なダイビングスキルを克服したい方、
ダイビングいろいろのストレスや悩みを感じている方必見!
皆さまのご質問&お悩み大募集!
ベテランイントラ・かっしーのQ&Aはいかがでしたか?
マリンダイビングWebでは皆さまからダイビングスキルで苦手なことや、今更聞けない素朴な疑問、こんなところにストレスを感じる!など、ダイビングのお悩みを募集しています。
かっしーにお答えいただき、掲載しますので、ご氏名またはペンネーム、ダイビング歴(年数・経験本数)、念のためご連絡先(Eメールアドレス)を明記の上、下記にお送りください。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』(休刊中)主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬広さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。