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ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A
第15回 冬のダイビング“ドライスーツ”解決法

苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!

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初心者でもドライスーツは使いこなせる?

Q
冬のダイビングでは、欠かせないドライスーツ。でも夏しか潜ったことがないのですが、初心者にもドライスーツが使いこなせるのか心配です。一度講習とか受けたほうがいいのでしょうか⁉︎
(なまずちゃん)

A
冬の海は透明度が抜群なので、ぜひ潜ってみてください。ドライスーツですが、実は、初心者のうちに練習しといたほうがいいんです。ウエットスーツに慣れすぎてからドライスーツをやると、ドライの操作が面倒くさく感じてしまう方が多いです。初心者のうちにドライスーツをやれば、すんなり受け入れられると思いますよ。
ドライの講習は、受けるのをおすすめします。ドライスーツは、苦しい、水没する、足から浮く、中性浮力をとるのが難しい、ウエイトが重すぎるなど、マイナスのイメージを持ってる方が多いですが、講習を受けてコツを教わると、これらの悩みがほぼほぼ解決できますよ。
講習=つまらない って思う人もいるかと思いますが、ドライスーツの講習は陸での説明が中心で水中での講習は少なく、遊びながら慣れるって感じなので、おすすめです。当店でも海でのドライスーツ講習、やってますよ。また、都内プールでのドライ講習もやってます。心配な方は、プールで一度やってみるのもありですね。

ドライスーツ着用時のウエイト問題

ドライはウエイトが重くて腰に負担が

Q
ドライスーツだとウエイトが多くなり、腰に負担が……。分散配置しても腰が痛い。
(No Name)

A
ドライだと腰に負担がって方、多いです。分散の仕方を工夫すれば、いくらか腰の痛みを軽減できると思います。
そもそも腰が痛くなる一番の原因は、腰の反りです。ウエイトベルトを巻いてるウエスト辺りが下がり、BCDを着ている上半身がBCDやドライの空気の浮力で浮くので上がり、下半身(足)は足に溜まった空気の影響で浮くので上がります。結果、体が反ってしまい、逆『へ』の字の状態になります。これじゃあ、腰が痛くなるのも当然です。特に女性は下半身(足、お尻)が浮きがちになりやすいです。
じゃあ、どう対策すればいいかと言うと、逆にすればいいんです。
・上半身を上がり過ぎないようにする。
・ウエストが下がらないようにする。
・下半身(足)が上がらないようにする。
できる限り、こうなるように工夫しましょう。
上半身については、タンクの重さがかかるので、極端には上がらないですが、ウエイトベストやBCDポケットにウエイトを入れるくらいしかできません。 ポイントは、腰と下半身(足)です。
腰は、ウエイトベルトの位置を工夫しましょう。ウエストの一番細い部分にウエイトを巻かずに、やや下気味にずらして、お尻に少しかかる位置にウエイトベルトを巻くと腰が下がらず、下半身のお尻側が上がらなくなるので腰の反りを軽減できます。
下半身(足)は、上がり気味の方は、足に空気を溜めすぎないようにするのと、アンクルウエイトや重ためのフィンを使って足が上がらないようにしましょう。
また、スチールタンクはタンクが短いので上半身にしか重さがかかりません。アルミタンクなど長いタンクはお尻くらいまでタンクがかかるので、下半身が上がりにくくなりますが、最近はスチールタンクが多いです。タンクの取り付け位置を下気味につけると、下半身が少し下がりやすくなりますよ。
また、器材やインナーでも少し対策できます。フィンは重めのゴムフィンがおすすめです。プラスチックフィンはNGです。めちゃくちゃ浮きやすくなってしまいます。
また、インナーは、足や指先が冷えやすいからと、分厚い靴下や厚めのレギンスを着る方がいますが、下半身だけ厚着するのはやめましょう。バランス的に上半身をほうを厚めにしましょう。下半身を着込みたいなら、上半身はそれ以上に着るようにしてください。
簡単にまとめると、
・ウエイトベルトは下気味にお尻にかかる位置につける。
・タンクを下気味につける。
・下半身(足)が下がるように重めのフィンかアンクルウエイトをつける。
・インナーは、上から順に厚着していく。
これで、少しは腰の痛みを軽減できると思います。

ドライの時の適正ウエイトがわからない

Q
ドライスーツでの適正ウエイトが合っているのかいつもなんとなく疑問です。
(ひーちゃん/50本)

A
ドライの適正ウエイトって難しいです。全部抜いても沈まず、息を吐けば沈むくらいが一般ルールですが、ドライスーツの場合、それだと後半浅くなると浮いてしまいます。タンクが軽くなるのも原因ですが、ドライスーツのインナーによっては、陸上や水面で時間かけてしっかりドライを排気すればマイナス浮力になるけど、水中ではそんなに時間をかけられないし、動きが制限されるから、完璧には排気できないため実際は後半浮いてしまいます。
じゃあ、どうすればいいか。結論、タンクが軽くなるのと、完璧なドライスーツの排気ができないのを見越して、少しウエイトを重めにします。
ちゃんと適正ウエイトを調べるなら、ドライスーツを完璧には抜かない状態で、タンク圧が少なめ(50-100)で適正ウエイトをチェックしてみるといいですが、現実なかなか難しいですよね。実際のダイビングでやれるチェックは、フルタンクで潜降する時に、いつもようにしっかり排気して、BCDを抜いた後に、少し息をはいたら楽に沈めるくらい(急潜降にならないくらい)がちょうどいいかと思います。
ウエイトを重めにしても重たすぎる(一気に沈む)状態にはならないようにしてくださいね。エア切れやBCDやドライトラブルの時に危険なので。

シェルドライはウエイト調整が難

Q
シェルドライスーツのウエイト調整(バランス)が取りにくい。ウエイトを軽く、なおかつ暖かく快適にダイビングができるようなことは可能でしょうか?(ヒートシステムなどを使わずに)。
(しのさん)

A
僕もシェルドライを使ってますが、いいインナーに出会って超〜快適です。自分に合ったインナーを見つけるのが一番です。何がいいかとは、人によって体がみんな違うので、答えはないのですが、いくつかアドバイスしますね。
シェルドライは、モコモコインナーが着れるように緩めのサイズになっています。上半身はBCDで押さえつけるので、インナーを少し絞った状態になってますが、下半身は押さえつけるものがないので、モコモコなまま浮力MAX状態になりやすく、それが原因で下半身が浮きやすくなり、バランスが悪くなると思います。
解決策は、インナーを替えるか、下半身を絞るようにするかどちらかです。
最近は、あまりモコモコしない暖かいインナーが出てきてます。具体的な商品情報は、インストラクターに聞いてみてください。または、僕に直接連絡してください。
下半身を絞るには、足を下げ気味にして、いつもピタッとさせておくか、モコモコインナーの上から足首に緩めのサポーターみたいなものを巻いてモコモコを少し絞った状態にしてからドライスーツを着るようにしてみるのもありですね。サポーターは安く簡単に入手できると思うので、試してみてください。
暖かさは、インナーを工夫してみてください。モコモコインナーの下にヒートテックやマイクロフリースを重ね着して対策するといいです。
シェルはネオプレーンタイプのように生地が湿気を吸い取らないのが多いので、結露しやすくなります。湿気が地肌に付くと冷えやすいので、地肌はサラサラドライになるような順番でインナーを着るといいですよ。

ドライスーツ着用時の中性浮力のとり方

ウエット着用時より中性浮力がとりにくい

Q
ダイビング始めたての初心者です。ドライスーツだと中性浮力がウエットスーツの時よりもとりにくい気がするのですが、コツなどありますでしょうか。冬場もしっかり潜れるダイバーになりたいので、コツがあれば教えていただきたいと思います。よろしくお願いいたします。
(西村さん)

A
ドライスーツで快適に中性浮力をとるには、
①ドライかBCDどっちで中性浮力をとるか?
②中性浮力が取りやすいインナーか?
③いかにドライの排気をうまくするか?
この、3つがポイントになります。
②と③は、次の質問の内容と同じ回答になるので次で解説しますね。
①ドライかBCDどっちで中性浮力をとるか?ですが、これは前々回にも解説してます。インストラクターも人によって変わります。
基本的には、BCDは浮力調整用で、ドライスーツは保温やスクイズ防止用で給排気します。
ただ、浅い深度(15m以浅くらい)だと、ドライスーツの水圧によって起きるスーツスクイズを直すのにドライスーツに少し空気を入れるだけで、浮力調整ができちゃうんですよね。逆に、そのくらい空気を入れないとスクイズで体に痕がついたり、保温性も弱くなるので寒くなります。
そんなわけで、僕は、水深が浅い(15m以浅)所はドライスーツで浮力調整して、深くなったらBCDを使うって教えています。その際は、ドライの排気バルブはオートじゃないほうがいいですね。

ドライの上手な排気方法はある?

Q
夏は自分のウエットスーツを着用していて冬にはドライスーツをレンタルして潜るのですが、足にピタッと張り付く感じや、BCDのようにすぐ空気が抜けないのが苦手で冬の海から遠ざかってしまいます。上手く空気を抜くコツなどあるのでしょうか?
(冷やしタヌキ /7年)

A
前の質問の回答の続きにもなりますが、インナーの工夫と排気のコツを覚えましょう。
②中性浮力が取りやすいインナーか?
中性浮力が取りやすいインナーは、バランスがよく、空気が抜きやすいインナーです。バランスに関しては、足が浮くとバランスが取りにくくなるので、上半身から順に厚目のインナーを着るようにしてください。足とか指先が冷えるから分厚い靴下や厚目のレギンスを着るなら上半身はもっと厚着してください。下半身が浮かなければ、バランスも良くなるし、ドライスーツの排気も楽になります。
ドライスーツの排気は、基本的に左肩から抜くので、上半身が浮きやすいようにしておけば、排気がしやすくなります。また、厚めのフリースやダウン、セーターのようなインナーを着る際は、空気が抜けにくくなるので気をつけてください。空気をたくさん含む生地なので、完全に絞りきれず、浮いてしまいます。空気を含まないインナーを重ね着するのがおすすめですが、厚目のフリースやダウン、セーターを着るなら上からピタッとするヒートテックなどを着て押さえ込むようにすれば排気は楽になります。

③いかにドライの排気をうまくするか?は、抜く時の姿勢が大事です。排気のやり方を間違って覚えている方が多いです。排気は、左手を上げて抜くだけではダメです。全身の空気を左手に集めて抜くようにしましょう。左手から一番遠い右足の空気を左手に集めるように意識してください。その際、膝が曲がってると膝より下の空気が抜けないので、しっかり膝を伸ばして足の空気を左手に集めましょう。
集まった空気を抜く際もコツがあります。左手の肘を曲げて下げて左肩に空気を集めて排気しますが、その時、頭も下げて猫背気味になる方が多いです。そうすると空気が首の後ろに移ってしまい空気が残ってしまいます。胸を張ったまま排気するようにしましょう。
もう一つポイントがあって、排気する際に、息を吸いがちになってる方が多いです。抜かないとって意気込み過ぎて息を吸いがちになりますが、落ち着いて息を吐きながら排気するようにしましょう。排気しようとすると浮いていくって方は、意外とこれが原因だったりします。

快適なインナーとちゃんとした排気方法を覚えれば、ドライスーツって意外と簡単だって思えますよ。

ダイビング後半、浮き気味になる

Q
ドライスーツが後半どうしても浮き気味になってしまいます。どうしたらいいですか?
(エイミー/4年)

A
ドライで潜る時、後半が勝負ですよね。
後半浮く原因は、
・タンクが、軽くなる
・ドライスーツの排気がうまくできてない
・排気が遅れがち
が考えられます。
前の質問でも回答したように、タンクが軽くなるのを見越して、少しウエイトを重たくしておくといいですよ。それでも浮く方は、排気がうまくできてないのが考えられます。後半浮く方は大抵、頑張って排気して、何とか浮かずに踏ん張ってるけど、最終的に抜きながら浮いていってしまうんですよね。
浮きそうな状態から、排気をしようと上半身を上げると余計に浮いてしまいます。その状態だと、浮上速度に排気が間に合わず、浮いてしまいます。じゃあどうするかと言うと、もっと早く抜けばいいんです。浮きそうじゃない状態なら立ち上がっても大丈夫なので、じっくりしっかり排気できます。浮きそうになってからでなく、早めに抜くのがポイントですね。
もっと具体的にアドバイスすると、だいたい浮きそうになるのは、水深15mぐらいから10mに戻るあたりです。水深12〜13mくらいで一度、じっくりしっかり抜いて、抜き切って、一旦リセットして、そこから少し給気して中性浮力を取り直すと浅場が楽に浮かずに戻って来れますよ。

ドライ着用時のフィンキックがうまくいかない

Q
ドライスーツを着用していると、足に遊びができてフィンキックがうまくいかないときがあります。どうすればドライでもうまくフィンキックできるか教えてください。
(jackie)

A
足の遊びが気になりますね。ドライのブーツが緩めか、フィンポケットが小さくて、ブーツが奥まで入らないんですかね?
その状態だと普通のキックはなかなか大変かもしれないですね。フィンをポケットが大きくてブーツがすっぽり入るタイプにすると、フィンキックしやすくなると思います。
現状の状態で対策できることは、アオリ足にしてみるとかですかね。アオリ足のほうが足の遊びに左右されにくいです。
そもそも、ドライスーツの時のフィンキックは、ウエットスーツの時とは違っています。
ウエットスーツの時は、基本的に大きくゆっくりキックするんですが、ドライスーツの時は、足の浮力も大きく、抵抗も大きいので大きくキックするのは、かなりシンドイです。ドライスーツの時は、細かいキックで膝を少し曲げて抵抗を少なくして泳ぐと楽になります。もちろん、そのキックだと進む速度は遅くなりますが、ドライの時は、ウエットの時より、がっつり遠くに潜るのも少なくなると思うので大丈夫ですよ。

不得意なダイビングスキルを克服したい方、
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プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん

東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

かっしーのダイビングスキル中心のYouTube

柏崎洋介さん

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
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スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920

ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬広さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。

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