ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A
第17回 ビギナーから覚えておきたいスキルの克服ワザ
耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
マリンダイビングフェア2023でかっしーに生相談を!
4月7日(金)~9(日)に池袋サンシャインシティで開催される「マリンダイビングフェア2023」。PADIビレッジ内の《スキューバプロショップ》にインストラクター、かっしーがやってきます♪ 皆さまのスキルの悩みやダイビングのご相談に直接答えてくれますので、ぜひ訪ねてみましょう!! これを機にダイビングを始めたいという方も大歓迎です♪
ヘッドファーストでうまく潜降できない!
Q
ドリフトダイビング時にエントリーしてすぐ潜降する際に、うまくヘッドファーストでの潜降ができません。コツを教えてください!
(P.N:Jackie/5年/100本)
A
ドリフトダイビングの時のヘッドファーストって、僕も昔、苦手でした。苦手な人が多いスキルですね。
うまくできない人の原因は、
1 BCDの排気がうまくできてない。
2 呼吸が早くて肺の浮力が多くなり浮き気味。
3 ヘッドファーストの角度が浅い。
4 耳ぬきの時に吸いがちでフィンキックも止めていて浮いてくる。
これらが考えられます。
コツは、この4点を解決すればいいんです。
1のBCDの排気がうまくできてない人は、抜ききる前にヘッドファースト姿勢になっていて、一生懸命、インフレーターを上げて排気しても、空気はお尻側に溜まってるので抜けないってことになってしまってます。どうすればいいかと言うと、3つ対策があります。
・ヘッドファースト姿勢になる前にしっかり立ち姿勢で排気してからヘッドファーストを開始する。
・お尻側にも排気弁があるBCDが最近は多いので、ヘッドファースト姿勢でお尻側の排気弁から抜きながら潜っていく。
・ボートからのエントリー前にしっかり排気しておく。ただ、普通に抜いても陸上では完全には抜けないので、インフレーターからBCDの中の空気を口で吸い出しておくのも、ちょっとした裏技です。
2の呼吸が早くて、浮き気味になってなかなか沈めない人も多いです。ドリフトのエントリーって、なんか焦りますよね。焦り気味な緊張感の中でも自分でゆっくり3回深呼吸して一度、呼吸をリセットしてからエントリーしましょう。エントリーしてヘッドファーストの直前に、大きく息を吐いて、吐き切ったくらいのタイミングでヘッドファーストをスタートするのがオススメです。呼吸が乱れたままヘッドファースト潜降してもなかなか沈めないので、フィンキックも強くしないとならないし、焦りもあってさらに呼吸が早くなり、どんどん沈みにくい悪循環になってしまいます。焦らず、エントリー前、ヘッドファースト直前の呼吸コントロールを意識してください。
3のヘッドファーストの姿勢ですが、角度が浅く30°くらいしか曲がってない人が結構います。ヘッドファーストは、水面に出た足の重さで沈んで行くのが基本なので、30°しか曲がってないと足の重さは、ほぼなくなるので沈めなくて、フィンをバタバタさせてしまう状態になります。
ガイドは、先に進んでるのでガイドをめがけてヘッドファーストすると角度が浅くなりがちになります。
ガイドの位置は意識しながら、60°〜90°くらいの角度をつけて頭を下にすると足の重さがかかり、楽に沈んでいきますよ。角度をつけてヘッドファーストをするのは勢いとちょっとした勇気が必要なので、苦手な人はスキンダイビングでヘッドファーストの練習をするといいですよ。
最後は、4の耳ぬきですが、耳ぬきの時、息を思いっきり吸ったり、フィンキックを止めて浮いちゃう人もいます。耳ぬきって吸ってからやらなくて大丈夫です。息を吐いたあとに耳ぬきするようにしてみてください。耳を抜くことに集中してフィンキックが止まりがちにならないように、最低でも浮いてかないように水深をキープするくらいのフィンキックを続けるようにしましょう。
これらの4つのコツをやれば、うまくヘッドファースト潜降できると思いますよ。
ヘッドファーストだと耳が抜けません
Q
ヘッドファーストだと全く耳が抜けません。何かいい方法、道具、市販薬等あるものでしょうか? ヘッドファーストでなくても抜けにくい体質みたいです。
(えいか/18年)
A
ぶっちゃけ、ヘッドファーストのほうが耳ぬきって圧倒的にやり難くなります。
ただ、抜けやすくなる方法はあります。
耳ぬきは、それぞれに抜けやすい姿勢があります。耳ぬきしやすい首、顎、頭のそれぞれの微妙な角度や向きが、人それぞれ、違います。それを見つけてみましょう。見つけたら、その姿勢をいつでもできるように何度も何度も練習して感覚を覚えましょう。
その姿勢の見つけ方は、陸上でもできます。まず、立ったまま普通に耳ぬきして、徐々にお辞儀するように前傾になりながら耳を抜いていきます。10°くらいずつ角度をつけてくといいです。角度によって首を上げたり、伸ばしたりしてみると、抜けやすい状態が変わるので、いろんな姿勢を試していきましょう。最終的には、前屈姿勢まで試していきます。自分の抜けやすい状態を覚えましょう。僕のブログで写真付きで解説してる記事があるので参考にしてみてください。
また、市販薬というか耳ぬきの特効薬?も実はあるんですよ。何とタイガーバームです。
詳しくは、こちらのブログを見てください。
バックロールで体が回る
Q
4年目40本AOWダイバーです。ボートダイビングのバックロールの時に体が回ってしまいました。コツを教えていただきたいです。
(まりも)
A
バックロールをカッコよく決められるダイバーになりたいですよね!
ちょっとしたコツを教えますね。
まず、バックロールに気合いを入れすぎないで、脱力しましょう。ボートのヘリなどに腰掛ける時は、お尻が半分くらい出るように深めに座ってください。入る時は、とにかく脱力。力を抜いて後ろに倒れるだけです。浅く腰掛けるとその分、遠心力も強くなるので回転しちゃいます。深く座って、お尻からポチャッと落ちるイメージで。
水に入ったら腹筋を使って体をくの字にして起き上がりましょう。
もう一つ、とっておきの裏ワザがあるんですが、それは、BCDの空気を少な目に入れることです。たくさん入れると起き上がる前に浮いてしまいます。水面で浮ける最低限の給気で十分。なので、個人差はありますが、1、2回BCDに入れる程度でいいです。入った後、水面に出るまで少し時間があるので体勢を整えられます。試してみてください。
砂を巻き上げないってどうすればいいの?
Q
よく「砂を巻き上げないように」と指示されますが、具体的にはどのようにすればいいのかイマイチわかっていません。
(はちお/3年)
A
「砂を巻き上げないように」は、最初よく言われますね。昔、僕もよく言われてました。
砂を巻き上げないようにするには、中性浮力をしっかりとるのが解決策ですが、中性浮力をちゃんととっているつもりでも、実はややマイナス浮力でちょっとだけ沈み気味の人が多いです。マイナス浮力なんだけど、フィンキックをやや下気味にキックしてキックの力でマイナス浮力を補っている“なんちゃって中性浮力”になってたりします。BCDに空気を入れると浮いていくのが心配でマイナス気味になってしまうんですよね。
そんな場合は、あと一回多くBCDに空気を入れてみてください。きっと楽になるはずです。
あと、砂を巻き上げるのは、泳ぎ始めと止まって沈む時です。講習で僕がよくするアドバイスは、飛行機じゃなくて、ヘリコプターを意識して離陸、着陸しましょうと言います。
飛行機は、離陸する時は助走して斜めに上がって行き、着陸する時は斜めに下がって着陸後しばらく惰性で進みますよね。ダイビングだとフィンキックがエンジンなので斜めに離陸すると砂が巻き上がります。着陸の時は、止まれず魚などに突っ込みそうになりバタバタして砂が巻き上がります。
ヘリコプター式なら、着底している場で息を吸って、足りなければBCDに空気を入れてフワ〜っと浮かび上がり、浮いてから体を水平に倒してフィンキックを始めます。砂は、ほとんど巻き上がらないです。着底(離陸)する時も息を吐いたり、BCDの空気を抜いてその場でゆっくり沈んでいきます。ヘリコプターを意識して潜れば、砂は巻き上がらなくなりますよ。
視界の悪い時の水中移動が苦手
Q
いまだに水中移動が苦手で、特に視界が悪い時には不安に駆られて水面に出たくなります。解消法はありますか??
(chibikko/170本)
A
不安を解決するには、根本の原因を解決しないといけないので、一緒に潜って、話したりしないと具体的な解決策はアドバイスできないですが、不安で水面に出たくなる時って呼吸が浅く早くなりがちなります。浅く早い呼吸だと、あんまり吐いてないので、あまり吸えなくなるし、二酸化炭素が溜まり気味になるので息苦しくなります。水面に出なくなりそうになったら、まずは、止まって、ゆっくり呼吸をしてください。しっかり吐くのを意識すると楽になりますよ。
不安を解決するのは、ブランクを空けずに潜り慣れるのが一番ですね。意外とカメラを撮りまくったりして、気を紛らわすのもいいです。あとは、歌を歌いながら潜るってのもありですよ。
スキルや本数の違う友達と潜る時
Q
レベルスキルの違う友達と一緒に潜りに行くとき、お互いにどのようなことに気をつけて楽しめばいいですか?
(あややんやん/20年以上)
A
うーん。難しい質問ですね。初心者の人は、慣れてる人と潜るってだけで緊張してしまうし、プレッシャーになるので、慣れてる人が気を使ってあげるのがいいと思います。
プレッシャーを与えない自然な雰囲気を作ってあげてください。
うまくなって欲しいと思って過剰にアドバイスし過ぎないほうがいいですね。自然にかっこいい先輩ダイバーのお手本をみせてあげるといいと思います。
自分も、そんな頃あったな〜と思って温かい気持ちで潜ってあげましょう!
不得意なダイビングスキルを克服したい方、
ダイビングいろいろのストレスや悩みを感じている方必見!
皆さまのご質問&お悩み大募集!
ベテランイントラ・かっしーのQ&Aはいかがでしたか?
マリンダイビングWebでは皆さまからダイビングスキルで苦手なことや、今更聞けない素朴な疑問、こんなところにストレスを感じる!など、ダイビングのお悩みを募集しています。
かっしーにお答えいただき、掲載しますので、ご氏名またはペンネーム、ダイビング歴(年数・経験本数)、念のためご連絡先(Eメールアドレス)を明記の上、下記にお送りください。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬広さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。