スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第21回 ドリフトダイビングと流れのスキル
スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
初ドリフトダイビングで気をつけるべきこと
Q
これまでドリフトダイビングをしたことがありません。初めてのドリフトにあたり、どのようなことに気をつけたらよいか、初めてであればどの海で潜るのがよいか、教えていただきたいです。
(apple/7年/32本)
A
ドリフトダイビングのニュースが話題になることがありますが、ドリフトダイビングって難しいスポットばかりではないですよ。国内は、それなりにスキル、経験本数は必要ですが、海外だとドリフトダイビングのスポットのほうが多いくらいです。
フィリピン・セブ島では、ドリフトダイビングがほとんどですが、初心者でも安心して潜れます。
国内なら、よく行くショップでドリフトの練習をしたいとリクエストすれば、比較的簡単なスポットに連れて行ってくれるんじゃないかな?
うちの店のある伊豆の富戸でもドリフトダイビングができますが、難しくないですよ。
気をつけるポイントは、たくさんありますが、①潜降で遅れないで、ガイドを見ながら降りていくこと。②水中移動中もガイドを常に視界に入れて、ガイドと同じ水深かちょっと浅めをキープして泳ぐこと。③浮上中に吹き上がらないようにBCDの排気に気をつけること。④ガイドが安全停止を開始したら同じタイミングで安全停止をスタートして、同じタイミングで終わるようにすること。⑤とにかく中性浮力をばっちりとることですね。
海況がよくない時の潜降が怖い
Q
コロナ禍でブランクができてしまい、もともと苦手だった、波が荒い時のボートダイビングの潜降がとにかく怖いです。恐怖に打ち勝つコツがあればご教示願います。
(ノーネーム)
A
波が荒いと僕も怖いです。怖くていいと思いますよ。怖さを知ってるほうが安全に潜れます。
荒れてる水面には、なるべく長くいないことが大事です。少し潜ってしまえば、波の影響が激減するので、なるべく早く潜ってしまいましょう! そのためには、BCDの排気をスムーズにできるように、エントリーしたらすぐに、抜きやすい姿勢になっておくといいです。あとは、波が強い場合は、BCDに空気を入れ過ぎると、余計に波にあおられやすくなるので、適度の浮力になる最小量だけBCDに入れておくといいですよ。
流れに逆らって泳ぐと呼吸が苦しくなる
Q
流れに逆らったりダッシュしたりすると、呼吸が乱れて苦しくなってしまいます。どうすればいいでしょうか。
(エスエス/4年/150本)
A
ダッシュしたら、イントラでも苦しくなりますよ。もちろん、体力をつければ苦しさは、軽減されると思いますが、それより、苦しくなった後のリカバリー方法を覚えるほうがいいかもしれないです。一番は岩など何かに捕まって呼吸を整えるのがいいです。やや頭が酸欠状態になってるので、大きく吸って、一瞬止めてから吐く呼吸をするとリカバリーしやすいです。こんな時に大事なのは、レギュレーターの性能で、流量調整付きのレギュなら流量を一時的にMAXにすれば、だいぶ楽になりますよ。
流れのストレスでエアを消耗
Q
ダイビング中に強い流れがあると未だにすごくストレスを感じて呼吸が浅くなり、エアの減りがいつもよりかなり速くなるし、浮上後頭痛がします。改善するには?
(エビ/13年/502本)
A
流れに関係なく、ダイビング中に浅い呼吸になるのはNGですね。浅い呼吸になる時は、大抵、吸った後あまり吐かないで、またすぐに吸ってしまう呼吸になります。とにかく、たくさん吐くのを意識してください。しっかり吐けば、好きなだけ吸えます。あとは、吸う量は、肺いっぱいに吸うと、しっかり吐くのがしんどくなるので、肺の7分目か8分目くらい吸うように意識するといいですよ。
もう一つ、吐いたあと、すぐ吸わないで一拍あけてから吸うようにすると呼吸ペースをコントロールしやすくなります。
浮上後の待機中、呼吸が苦しい
Q
ドリフトダイビングが終わってボートを待つ間の水面待機時、波が顔に当たってとても呼吸が苦しいです。ガイドさんや他のダイバーさんたちは平気そうに見えます。コツはありますか。BCDに空気はどれくらい入れるものでしょうか。BCDのメーカーの違いにより膨らむ位置で楽さが違うのでしょうか。
(ノーネーム)
A
浮上後の待機姿勢はBCDのタイプにだいぶ左右されます。バックフロートタイプだと背中側にしか空気が入らないので、BCDにたくさん入れると背中が浮いて、前傾姿勢になりやすく、顔が水面につきそうになる人もいます。前側にも空気が入るBCDならたくさん空気入れて、しっかり浮力をとって浮くことができますが、バックフロートタイプの人は、BCDの量を少し調整(少し少な目)して、のけぞるように背中のフロートに乗るように浮きましょう。
どんなBCDにしても水面にいる時の浮力は、のけぞるか、BCDにたくさん空気を入れるかして、アゴが出るくらいを目安にした浮力を確保してください。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。