スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第27回 ブランク明けダイビングのアドバイス5
スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
今回は2024年こそダイビングに行きたいけどブランクがあって不安という方の不安や質問にお答え!!
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
ブランクダイバーにありがちなトラブルとは?
Q
ブランクダイバーです。リフレッシュダイブのとき、どんなトラブルが起きやすいですか? またインストラクターとしてどんな点に注意して見ていますか??
(ゆっきー/10年以上/100本)
A
ブランクダイバーのあるあるトラブルをリストアップしますね。
よくあるトラブル(潜る手順の順番で書きます)
・ダイブコンピュータが充電されてない⇒特にソーラーバッテリーのチャージ不足が多いです。
・セッティングができない⇒タンクやレギュを逆に付けたりする人が多いです。
・水に顔をつけた瞬間、息苦しい⇒久々だと水中の呼吸を忘れてたり、焦ってしまって、浅くて速い呼吸になる人がいます。顔をつけたら、まず、呼吸法を思い出す時間を作りましょう。リラックスして、しっかり吐くのを意識して、ゆっくり呼吸を1分くらい練習して、落ち着いてから泳ぎ始めましょう。
・潜降ができない⇒久々だと、呼吸が速くなって沈めない。BCDの排気がちゃんとした姿勢で抜けてないとかがよくあります。
・耳が抜けない、抜けにくい⇒久々だと耳管の通りがよくないことがあるので、潜る前に何度か耳ぬきしたり、耳のストレッチをしときましょう。
・潜った直後、息苦しく感じて上がりたくなる⇒顔をつけた瞬間と同じで不安、ついて行かないと!と思う焦りなどで呼吸が浅く速くなる人がいます。同じように少し時間を作って、リラックスして呼吸を安定させましょう。しっかり吐くのを意識してくださいね。
落ち着いてくれば、あとはなんとかなると思います。潜る前、潜り始めが肝心です。焦らず、ゆっくりやりましょう!
400本超でブランク3年。リフレッシュコースは必要?
Q
ダイビング本数403本ですが、ブランク3年です。リフレッシュコースは受講すべきでしょうか?
(まゆみん/23年/403本)
A
うーん。悩みどころですね。400本潜ってる人なら何とかなる気もします。今までの経験上、そのくらい潜ってる人は1〜2年くらいブランクなら大丈夫です。5年以上空くと怪しくなってきます。3〜5年は微妙なとこですので、リフレッシュコースを受けるのが確実だと思います。
プールではなくいきなり海でもいいので、難易度が低めの海で慣らすのがいいと思います。その際に何に注意したほうがいいかは、上のQ&Aを参考にしてください。
ブランク5年。おすすめのダイビングエリアは?
Q
最終潜水日から5年程ブランクダイバーです。ブランクダイバーにおすすめの潜水地、ポイントを教えてください。
(はまちゃん/23年/350本)
A
ブランクが5年だと思った以上に忘れてる人が多いです。比較的難易度が低い海で慣らしましょう。どんなところがいいかと言うと、
・波がない(最初、水面で焦りやすいので)
・すぐに戻れる(足をつくことができたり、ボートに戻れる)
・何か捕まれるものがある(ハシゴ、手すり、ロープなど)
・ゆっくりエントリーできる(ジャイアントやバックロールで飛び込まないでゆっくりハシゴで降りれるボートとか、スロープから入るビーチポイント)
こういうポイントなら、最初の焦りと呼吸の乱れを落ち着いて治せます。
具体的には関東の方なら、伊豆の富戸、大瀬崎、黄金崎、川奈、平沢のビーチポイントが良さそうです。富戸の場合は、当店スキューバプロショップをぜひご利用ください!(笑)
年1~2回潜るようになったけど耳ぬきができない
Q
コロナウイルス流行前までに150本程度潜っていました。2020年から2023年は年に1~2回潜る程度になっているのですが、困ったことがなかった耳ぬきができず、恥ずかしいことに慌ててしまいます。結構な頻度で潜っていたころは嚥下動作だけで抜けていたのですが……。ブランクダイバーのためのコツなどがあれば教えてください。
(あやぽ/8年/150本前後)
A
ブランクがあくと耳ぬきが苦手になる人は多いです。耳ぬきする時には耳周辺の筋肉が関わってきます。筋肉をほぐしてあげるのが大事です。
運動不足やしばらく体を動かしてないと、体も硬くなってしまいますよね。久々の運動の際は、しっかりストレッチしておかないと、怪我したり、つってしまったりします。
耳ぬきも同じです。久々だと耳周辺の筋肉が硬くなってるので、ストレッチをしましょう。潜る前にアゴ、首、顔を動かして筋肉をほぐします。ガムを量を多めにして噛むと、いいストレッチになりますよ。また、耳ぬきも潜る日の朝から潜り始めまでに何十回もやって慣らしておきましょう。
今まで耳ぬきにストレスなくスムーズに潜れていた方は、特に注意が必要です。今までスムーズに抜けてたので、スルスル潜ってしまい耳ぬきのタイミングが遅れがちになってしまうからです。遅れると耳管(耳と鼻を繋いでる管)が張り付いてしまい抜けにくくなります。水深10mくらいまでは、30cm〜1mごとに耳ぬきをするのをおすすめします。
あとは、ストレッチは継続が大事です。毎日、耳ぬきをして慣らしていけば、また嚥下動作だけも抜けるようになっていくと思います。
ブランクあけのダイビングで中性浮力がとれない!
Q
ブランクがあいた時の中性浮力がとれません。1年以上ぶりのダイビングでは全く初心者になってしまう。
(近藤さん/15年/80本)
A
呼吸による中性浮力のとり方を忘れてしまってる可能がありますね。中性浮力は、BCDのコントロールと呼吸のコントロールの2つで行いますよね。頻繁に潜って慣れてる時は、呼吸コントロール(吸うと浮く、吐くと沈む)は、無意識で調整できています。
でも久々だと、無意識に呼吸コントロールができなくなり、しかも焦りとかで呼吸が乱れてしまうので、呼吸による中性浮力ができない状態になっています。そうなると、BCDでコントロールに頼ってしまいます。そもそも中性浮力は呼吸コントロールとBCDコントロールの2つバランスでとるものなので、BCDだけでは中性浮力とれないのです。
まずは、久々でも落ち着いて、呼吸を安定させるのが大事です。あとは、呼吸コントロールで中性浮力をとるのを意識してください。
潜り始めにオープン講習の時に習ったのを思い出して、吸って浮く、吐いて沈む練習(フィンピボットというスキル)を一瞬でもいいのでやってみるといいですよ。感覚を取り戻せます。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。