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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第33回 ボートダイビングのスキル

苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
今回はボートダイビング時に起きる、気になるスキルをいろいろな角度から解決していきます!

柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!

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ドリフトダイブに自信がない

Q
ドリフトダイビングでキック力に自信がありません。スキルアップ方法はありますか?
(しのらー/170本)

A
「ドリフト」って言うと泳力が必要って思う人も多いですが、ドリフト自体は、流れに流されるダイビングなので、逆に泳力いらないんですよね。
ただ、何かを狙うダイビングだと、獲物がいたらダッシュして追っかけるというダイビングスタイルもあります。例えば、ハンマーヘッドシャークやバラクーダの群れ狙いとかですね。その時は、みんな全力で泳ぐので、めちゃくちゃ泳力が必要になりますが、なるべく効率的に楽についていく方法をアドバイスしますね。
一つは、道具に頼る方法でフィンを変えると一気に楽になります。長くて柔らかいラバーのフルフットフィンが楽になりますね。長くて柔らかいがポイントです
フィンを選ぶ時に長ければ速く楽に泳げるって思ってる方もいますが、長くても硬いと脚力が負けてキック効率が悪くなります。脚力に自信がない方は、柔らかいフィンを選ばないと逆にしんどくなります。やはり、バラクーダフィンが長く柔らかいのでおすすめです。脚力に自信がない方は、スタンダードタイプがいいです。スーパーミューやワープは抵抗が強めのフィンなので、それならノーマルミューのほうがいいかもしれないですね。
もう一つは、ダッシュするタイミングと位置どりで効率よく泳ぐ方法です。
なかなかついていけない人は、一歩遅れてダッシュしてます。しかも、前の人を追いかけるので、結果、前の人のフィンしか見えなかったり、うっすらしか獲物が見られなかったりします。まず、位置どりは、獲物を一番早く見つけるガイドやベテランダイバーが常に見える位置にいること。そして見つけた瞬間の反応を見逃さないようにすれば、早くスタートできます。また、ダッシュする時は、前の人を見て追っかけないで、その先の獲物を見ましょう。前の人を追いかけると、獲物までの最短ルートでなく遠回りになってしまうことが多いです。獲物を見て、獲物の行き先を予測して、最短ルートを泳ぐようにしましょう! これでだいぶ楽になると思いますよ。

ダウンカレントを回避するには

Q
ダウンカレントの回避方法など、ボートダイビングで気をつけるべき点など教えてほしいです。未だ遭遇したことがないので経験談などもお聞きしたいです。
(マリミッチ/16年/170本)

A
ダウンカレントは、怖いですね。しかも、底が深いブルーウォーターでのダウンカレントは、僕たちインストラクターでも怖いです。
今までで一番強烈だったダウンカレントは、パラオのペリリュー島「ペリリューコーナー」の早朝のダウンカレントで、水深30mから底が見えないドロップオフで強烈なダウンカレントに遭い、BCDをパンパンに膨らましてダッシュしても、ジワジワしか浮上できなくて、少し上がって大丈夫かなと思ってフィンキックを休めたら、また、30mに戻ってたことがあります。吐いた泡が体にまとわりつき、視界を遮り、何も見えない状況でした。
ぶっちゃけ、こんな海況では潜らないのが正解ですね。
回避策としては、海況に詳しい経験豊富なガイドにちゃんとついていくのが一番で、ガイドの指示をいつでもすぐ、聞けるように常に視界に入れておきましょう。やばい状況をガイドが真っ先に感じて対策するので、よそ見してガイドの指示にしばらく気づかないのが一番ヤバいです。また、ガイドは、一番楽な安全なルートを通るので同じルートを通るようにしましょう。少し上や少し下も流れの強さが違ったりしますので、水深も含め同じルートを泳いでついていきましょう。

ロープなしの安全停止

Q
近々、与那国にダイビング予定です。ドリフトダイビングになるのですが、ロープなしの安全停止になります。気をつけたほうがいいことがあれば教えてください!
(もぐみこ/4年/135本)

A
ドリフトダイビングの安全停止は、慣れないとドキドキですよね。
気をつけるポイントは、
①安全停止の開始と終了のタイミング
②安全停止中の視野と位置どり
③吹き上がり注意
ですかね。

①安全停止の開始と終了のタイミングは、超重要です。ドリフトダイビングの安全停止は、必ずチーム全体が同じタイミングでスタートして同じタイミングで終了するのが絶対です。1人だけ安全停止の開始が遅れると終了も遅れるので、チームが予定した場所に上がれなくなるし、全員上がるまでボートもピックアップに来てくれません。緊急対処なども遅れてしまう可能性があるので、絶対ルールです。

②安全停止の視野と位置どりも大事ですね。安全停止の時についついダイブコンピュータに集中して下向きがちで周りを見れてない人がいます。ガイドが緊急の合図をしたりする場合もありますし、周りにぶつかったりしないように視野はチーム全体が見えるようにしておきましょう。ダイブコンピュータは、少し手を上げたまま見ると視界に入りますよ。理想は、視界の片隅にコンピュータを入れながら全体を見るといいです。また、周りとぶつからないように、ある程度、距離をとってつかず離れずの位置どりをするようにしましょう。

③外洋での安全停止だと、うねりや波が強い場合があります。その影響で、1mくらい上下することもあるので、気づいたら水面に吹き上がってたってことにならないように、ガイドとダイコンを指標にして、しっかり浮力コントロールをしましょう。

ボートに上がる時に手間取る

Q
ボートへエグジットする際、フィンを抜いでラダーを上がろうとしても手間取ってしまい、結局ガイドの方に手伝ってもらうことが多々あります。スポッと脱げてもブーツが一緒に脱げちゃったりとか……。コツはありますでしょうか?
(りょた/5年/200本)

A
ボートエグジットのフィンを脱ぐ時って、次の人が待ってると焦っちゃいますよね。焦ると余計にうまく脱げなかったりしてしまうし。
ドリフトダイビングやうねりや波が強い時以外は、焦らず自分のペースで脱げばいいですが、ドリフトダイビングやうねりや波が強い時は、素早く上がらないと行けない時があります。
そんな時のコツをアドバイスしますね。一つの方法は、フィンを履いたまま上がる。うまくフィン先をハシゴに差し込みながら上がるか、膝を使ったりして四つん這いで這い上がる方法があります。また、脱ぎやすいほうのフィンだけ脱いで上がるとだいぶ楽になるので僕はよくやります。
もう一つの方法は、素早くフィンを脱いで上がる方法ですが、フルフットフィンの場合は、足やブーツのフィット感にだいぶ左右されます。フルフットフィンを選ぶ時、緩めより、きつめを選ぶ人がよくいますが、ちょっと緩めにしたほうがいいです。緩めだと、外れちゃいそうって感じますが、指1本分くらいの隙間なら、まず外れないです。足のサイズって足長だけじゃなくて、横幅、厚みなど個人差があるのでメーカー推奨サイズだと合わない人もいます。ブーツ、ソックス、素足、どのパターンにするかも選べますし、ブーツやソックスもさまざまなメーカーがあるので、組み合わせは無限大です。いろいろなパターンをフィッティングして、気持ち緩めで脱ぎやすい組み合わせを見つけましょう。
あとは、使い込むとゴムが柔らかくなるので、脱ぎ着も楽になってきます。かかと部分をめくりまくって柔らかくするのもありです。
フィンのフィッティングにだいぶ左右されますが、脱ぐ時には、指2〜3本をなるべく深く、足の裏(なるべく奧)まで差し込むと力が入るので脱ぎやすくなります。

船酔いがツライ

Q
経験本数90本ですが、人一倍船酔いに弱く一日船で過ごすダイビングでは3本潛って3回吐く日も……。安全停止中もうねりで酔ってしまい、辛いことが多くて悩んでいます。酔い止めの薬は全く効かず、年々ダイビングがしんどくなっています。船酔い……なくなって欲しいです。
(匿名希望)

A
うーん、船酔いは辛いですね。いろんな対策方法を試して、少しでも楽になる方法を見つけてください。
この酔い止めを飲みましょうとは、お医者さんじゃないので、どの薬が合うかについては言えないですが、酔い止めの相性はあるようなので、いろいろ試してみるといいと思いますよ。
ほかには、酔い止めバンドって言う商品を手首に巻いてる人もいます。消化によいものを食べたり、睡眠をちゃんと取ったりして、予防しておくのも大事ですね。
船の上では、風通しが良いところや揺れにくい船の後ろ側にいるようにしたり、なるべく遠くの景色を見るようにしたり、休憩中は寢てたりするのもいいと思います。
船酔いに良くないのは緊張です。緊張してると意識が内側に向くので余計酔いやすくなります。リラックスするのも大事です。歌ったり、踊ったりして気を紛らわすのもいいですよ。周りから変な目で見られるかもしれませんが。
僕も実は、めちゃくちゃ酔いやすかったんですよ。学生の頃のバス遠足とかでは、毎回めちゃくちゃ酔ってました。船酔いも同じでしたが、今では、酔わなくなりました。いつ船酔いが治ったかと言うと、大学生の時に小笠原に潛りに行った時でした。行きの船で25時間、船に酔い続けて、苦しんでましたが、到著して小笠原でのボートダイビングでは、全く酔わなくなってました。粗治療ですが、船酔いは三半規管を鍛えれば改善されるようです。ブランコやトランポリン、でんぐり返しで鍛えられるようなので試してみてください。

プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん

東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

かっしーのダイビングスキル中心のYouTube

柏崎洋介さん

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!

スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920

ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。

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