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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第43回 水中ナビゲーションの上達方法

苦手スキルやダイビングの悩み Q&A

スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます! 今回は、多くのダイバーが苦手と言う「ナビゲーション」。水中で迷子になったり、居場所がわからなくなったり、元いた所に戻れなくなったりしないためにも、コツをつかんでおきましょう。

柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!

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自分の居場所を見失わないために意識することは?

Q
潜っている最中に地形を覚えられず、基本的にガイドについていかないと不安になります。潜っている間、自分の居場所を見失わないようにするには、何を意識すればよいでしょうか?
(匿名希望)

A
水中のロスト(はぐれ)は、不安ですよね。僕たちインストラクターやガイドもロストが一番怖いです。はぐれると何もできなくなってしまうので。
はぐれないようにするコツは、とにかく視野を広くすることです。移動中は、ガイドを視界の片隅に入れておきましょう。ガイドをずっと見なさいというわけではなく、魚や景色を楽しんでいいのですが、その視界の片隅にガイドを入れておくということです。視界にガイドがいなくなったときは、まずガイドを探して視界に入れる。これを意識して続けるとガイドの位置を常に把握することがクセになってきます。
また、生物観察や撮影で何かに集中してるときは、ガイドを見てないので、その際に遅れをとってはぐれてしまう人が多いですが、何かに集中してても、10秒から15秒に1回くらいは、チラッとガイドを見て確認するようにしましょう。撮影に集中してると時間の感覚もなくなるので、シャッター1回切ったらガイドを確認するようにするといいです。
これを意識すれば、ロストすることはなくなると思いますよ。

ナビゲーションの上達方法を知りたい

Q
事前にダイビングポイント図を見ても、ナビゲーションがまったくできない。キック数も、途中から何キックしたのかわからなくなるのでナビゲーションスキルで学んだ「距離」もわからなくなる。また、数字に弱いため、ナビで一程度曲がるときの足し算に非常に時間が掛かります。100本以上潜っていてもこれです。ナビゲーションの上達の仕方が知りたいです。
(Jack)

A
ナビゲーションは、難しいですよね。陸で地図を見るのが苦手な人は、水中ナビゲーションも苦手なんじゃないかな?
ナビゲーションは、なるべくシンプルにするのがいいです。角度の計算は不要です。コンパスは、沖と岸、もしくは進行方向と帰り方向がわかればOKで、沖側、進行方向側にコンパスを合わせておきます。
あとは、進行方向に対して、やや右に進んだか、やや左に進んだか、それだけ覚えて進めましょう。帰りは、コンパスの逆に帰ってきて、右左を少し修正すれば戻ってこれます。
また、途中で大きな目印を見つけて覚えておきましょう。特に設定したコンパスの進行方向からずれる場合は、その場所に目印を見つけてください。例えば、沈んでる人工物や特徴的なコーラルが付いた岩とかです。
シンプルなコンパス設定と大きな目印を使ったナビゲーションをすれは、混乱しないで帰ってこられると思いますよ。実際、ガイドもこんな感じのナビゲーションをしてる人が多いと思いますよ。

透明度が悪い場合、コンパス以外にナビに使えるものは?

Q
透明度が悪い中、潜ると時々風景が違って見えて方向を間違いそうになることがあります。そんなとき、注意していくにはコンパス以外何かいい方法ありますか?
(かおりゅう/2年/250本)

A
うーん悩ましいですね。僕らガイドも透明度が悪いときは苦戦しますよ。
コンパスにだいぶ頼りますが、それ以外には、水中ライトを使ったり、コース取りをシンプルにしたりしますね。
水中ライトをガイドも含めて全員につけてもらいます。ライトは透明度が悪くても目立つのでガイドの位置もわかりやすくなるし、みんなの位置も人数も確認しやすくなります。そうすれば、コース取りに集中しやすくなります。
コースをシンプルにするのは、例えば、岩と砂地の境目を離れず進んだり、ロープに沿って進んだり、あまり遠くにいかなかったりしてコースをわかりやすくして帰りやすいようにしますね。
あとは、中層より水底を這うように泳ぐと方向感覚が掴みやすいですかね。
なんか、ナイトダイビングみたいな注意点ですね。確かに、透明度が悪い時は、ナイトダイビングみたいですもんね。

エントリーポイントに戻ってくるいい方法は?

Q
最近は、セルフダイビングをすることが多いですが、エントリーポイントにちゃんと戻ってくるというのは、結構難しいです。特に地形を知らないところや、ガイドロープが整備されていないところ。コンパスだけで戻ってくるというのは、単純なコースならいいのですが、生物を求めてうろうろすると、結構気をつかいます。いい方法ありますか?
(匿名希望)

A
ぼくらも、たまにしか行かないポイントや初めてのポイントだと気を使いますね。
まずは、2個目の質問の回答のように、シンプルなコンパス設定と大きな目印を使ったナビゲーションをします。
単純なコースならこれでOKでしょうが、目印になる地形がなかったり、入り組んでたり、戻れる場所が狭かったりする場合は、地形を使ったナチュラルナビゲーションに手を加えて地形を覚えやすいようにします。砂地に規則的に石を並べて目印を作ったり、ちょっとした岩の上に目立つ白めの石をのっけたりして、オリジナルの目印を作ります。帰りに見つからなかったり、他の人が崩したりする場合もあるので、いくつか作っておくといいです。目印を作る際は、帰りに見やすい位置に目印を置きましょう。振り返って確認しながら進むといいですね。あと、生物に影響が少ないように配慮もお願いします。
僕は、こんな感じでナビゲーションします。

水中移動中にほかのダイバーと交差したくない

Q
ナビゲーションとは関係ないかもしれませんが、気をつけて周りを見ていても水中移動中にほかのダイバーとぶつかってしまいます。ホース類が絡まったりレギュがいきなり口から外れるなど、お互い危険な状況になるのを未然に防ぐには進路ルートをどう保てば良いですか?
(匿名希望)

A
あまり意識しなくても誰かにぶつからないようになれば、一人前のダイバーです。
慣れたダイバーは、意識しなくてもぶつからないんですよ。なぜかと言うと、2つポイントがあって、1つは、視野の広さです。もう一つは、体感覚です。
視野の広さは、一つ目の回答でもお話ししましたが、ガイドや周りを広く見られるようになれば、自然とぶつからない位置を泳げます。1点に集中しないで視野を広く泳いでいきましょう。
体感覚は、車の運転と同じです。慣れた車なら狭い道のすれ違いでも、駐車場でも、ぶつからずスムーズに運転できますよね。慣れてないとぶつかりそうになりながら慎重にゆっくりな運転になりますよね。ダイバーは、背中のタンク、フィンの先など普段より出てるので、その分の体感覚を覚えればぶつからなくなります。
また、ダイビングマスクは視界が狭くなるので、その視界にも慣れが必要です。
最初は、意識的に視野を広げ、慎重にぶつからないように泳ぐようにして、経験を重ねて慣れてくれば、無意識に自然にぶつからないように泳げるようになりますよ。

プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん

東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

かっしーのダイビングスキル中心のYouTube

柏崎洋介さん

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!

スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920

ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。

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