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スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A
ベテランイントラ・かっしーが教えます
第44回 超ブランク・超ビギナーのお悩み解決!

スキューバダイビングでは安全に潜るためのスキルを身に着けておく必要があります。でも、耳ぬき・中性浮力・潜降など、なかなかできない!という方の声が多いのも事実です。
これまでたくさんのダイバーを輩出し、スキルアップの手助けをしてきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、読者の皆さんの質問や悩みに答えていただきます! 今回は、20年ブランクダイバーや超ビギナーダイバーの不安や悩みに全力で回答!!
柏崎洋介さん率いる《スキューバプロショップ》はダイビングスキルに悩みのある方やブランクダイバーにも優しいお店です。大井町、渋谷、東伊豆・富戸にお店があるので『マリンダイビングWebを見て』と直接相談してみましょう!
約20年ブランクあり。何から準備すればいい?
Q
約20年ブランクがあります。ブランクダイバーが再びダイビングを始めるとき何を準備する? 耳ぬきができるかどうか不安いっぱい……。
(ダルダル/26年〈うちブランク18年〉/320本)
A
20年は、結構空いてますね。うちのショップでは、プールリフレッシュ講習をよくやるんですが、5年以上のブランクだと、皆さん結構忘れてますね。
まず、器材セッティングは、確実に覚えてないと思います。YouTubeとかでやり方を見て思い出してください。僕のYouTubeでもセッティング方法の解説をしてるので、ぜひ見てみてください。
ウエイトの量も忘れてると思うので、ログブックを見直しておきましょう。体型が変わるとウエイト量も変わるので、最初はインストラクターに予備を持っていってもらうのがいいですね。
こちらを参考に。
あとは、意外と呼吸方法で違和感を覚える人も多いです。感覚で覚えていた呼吸を頭で考えるとあれって感じになって息苦しさを感じる人もいます。基本に帰って、しっかり吐く呼吸を意識してみてください。
こちらを参考に。
耳ぬきは、耳が抜けにくくなってる人が多いです。耳の周りにも筋肉があり、使ってれば、柔軟になり、耳ぬきしやすくなります。しばらく使ってないと、筋肉も硬くなり、抜けにくくなります。体のストレッチをして硬い体を柔軟にするように、耳もストレッチするのが効果的です。
とにかく、陸上で耳ぬきを毎日、何回もやって、柔軟にしておきましょう。
こちらを参考に。
水中に入ると意外と体が覚える人が多いです。
潜降方法と中性浮力の予習とイメトレをしておけばいいかなと思います。
こちらの「潜降方法」を参考に。
予習をしておけば、ある程度思い出すと思いますが、それだけブランクがあるなら、リフレッシュ講習を受けておくのがオススメです。当店でも、プールや海でリフレッシュ講習を開催していますので、興味があれば、ご連絡ください。
ブランク後潜ったら、水深15mぐらいからドキドキが
Q
はじめまして。くじりゃ~と申します。7年のブランクから昨年ダイバーとして復帰しました。ビーチでの水深10mくらいは問題ありませんでしたが、15mまで潜るとドキドキしてしまいました。 今年はボートダイビングをやりたいと思っていますが、ボートのほうが深場が多いため不安もあります。何か良いアドバイスがありましたら教えていただけますと幸いです。よろしくお願いいたします。
(くじりゃ~/20年/260本)
A
ドキドキを無くすには、何回も潜って慣れるのが一番ですよ。不安を解消するには、慣れて安心を作らないとです。以前にも紹介しましたが、ドキドキを無くすための、ちょっとしたコツをアドバイスしますね。
まずは、自分のリラックスルーティンを作ることです。例えば、ゆっくり2〜3回深呼吸して、首や肩、腕を回して力を抜くようにするとか、深呼吸しながら泡を見て落ち着くとか、自分なりのリラックスルーティンを見つけてみましょう。
あとは、ポイントポイントで、そのルーティンを使ってリラックスするようにします。細かくやれば、ドキドキは軽減できると思います。僕は、その落ち着く時を「リラックスタイム」って呼んでますが、海に入る前、潜降前、潜降して泳ぎ始める前、深くなる前、ちょっとドキドキした時などにリラックスタイムを自分なり作るといいですよ。ぜひ試してみてください。
何年経ってもマスククリアやマスク脱着が苦手
Q
マスククリア、マスク脱着が何年経っても苦手です。マスクに水が入ってくるのが怖くて仕方ありません。どうしたら克服できますか?
(cafuu)
A
うーん。マスククリアは、ライセンス講習の苦手スキルのダントツNo.1ですよね。インストラクターとしても、マスククリアを克服してもらうのが最大の課題です。
僕でも、マスクに水が入ると多少なりドキッとします。特に冷たい水温の時は、一瞬、焦りますしね。
なので、完全には克服できないかもしれないですが、怖さを少し軽減するアドバイスしますね。
まずは、誰でもドキっとするものだと思いましょう。あとは、水が入ったら、すぐに真下を向くようにするといいです。
少し水が入ると、まず鼻が濡れます。真下を向くと水が鼻からマスクのガラス面に流れるので顔や鼻から水が離れます。その状態で少し落ち着いて呼吸してからクリアするようにしましょう。下を向いた状態でも、マスククリアができるので、下を向いたままマスクのフレームの上部分(額の真ん中あたり)を手で押さえ、鼻から息を吐けば、マスクの下から水は排出するため、顔や鼻に水がつくことはありません。安心してマスククリアができますよ。
何ができて何ができないのか、わからなさすぎる
Q
経験が浅いと、何ができていて、何ができていないのか、どうなったら上手くなったのか、何が悩みなのかもよくわからないことが悩みです。
(鈴木春美さん/1年半/18本)
A
経験が浅くても1年半18本だと一番楽しい時期ですよね。たくさん潜りたいし、いろんなところで潜りたい頃。
気持ちはわかりますが、最初はなるべく同じショップ、同じ場所で潜るようにするといいですよ。自分のスキルレベル、苦手スキルをわかってるインストラクターのアドバイスを受けるのが一番です。
その逆をしてる初心者ダイバーもよく見ます。いろんなポイントやショップで潜るんですが、そうすると初めてのゲストだと、まずは楽しんでもらおうとショップ側も思うので、スキルより楽しみ優先のダイビングになるし、初めての人にスキルのダメ出しもできないし、それどころか、ちょっと褒めてくれたりしちゃいます。それだとスキルも上達しないし、下手するといろんなところで潜ってるから変な自信がついちゃったりします。
あと、気をつけてほしいのは、プロじゃないベテランダイバーのアドバイスは、あまり鵜呑みにしちゃダメですよ。
とにかく、最初は馴染みのショップやインストラクターと潜ってアドバイスを受けて上手くなりましょう! あとは、一緒に潜ってるほかのダイバーを観察して、自分との違いを知るのもいいですね。
フロートの上げ方・使い方を教えて
Q
フロートの上げ方とリールの使い方を知りたい。
(みや/10年/222本)
A
水面でフロートを膨らますのは、ライセンス講習でもやるので大丈夫だと思いますが、水中からのリールやスプールを使ったフロートの打ち上げは、普段まずやらないので、できない人が多いです。インストラクターやガイドでも、普段ドリフトダイビングをしない人は、失敗したりしますしね。
このスキルは、単純ですが、意外と難しいスキルです。
順番にやり方を説明しますね。
①フロートを取り出す
②リール(スプール)を取り出す
③フロートにリールを取り付ける
④フロートに少しだけ吐いた息をいれフロートを立つようにする
⑤フロートの下側とリールを片手で上手く持つ
⑥もう片方の手でオクトパスを持ちフロートの入口にマウスピース部をあてる
⑦オクト、フロート、リール本体、リールの紐が絡まないようになってるか確認する
⑧オクトのパージボタンを押してフロート内に空気を入れていく
⑨水深10mくらいで空気を入れる場合、水面に行くとフロート内の空気は2倍になるので、半分くらい、もしくは半分よりチョイ少なめくらいまで空気を入れます。
⑩自分が浮かないように気をつけながらリールを持ち、フロートだけを手放して打ち上げます。
あとは、安全停止をする水深5mまでリールのロープを巻き上げながらゆっくり浮上していき、しっかり安全停止してからまたゆっくり浮上します。
こんな工程になりますが、一番難しいのは、⑧⑨⑩の空気を入れる時です。空気入れるとフロート本体があっという間に浮いていくので、素早くやらないと一緒に浮上してしまいます。空気を入れる前にバッチリ準備しておくのがポイントです。⑦の「紐が絡まないようになっているか」を確認するのが超大事です。
絡まってしまうと、フロートと一緒に急浮上したり、紐で指を怪我したり、最悪です。
あと、よくある失敗は、スプールを手放してしまい、コロコロコロっとスプール本体が下に落ちてしまい、回収するのが大変になること。フロートに集中しているうちに、中性浮力取れずに沈んでいってしまったり、逆に浮いてしまったり。単純なスキルなんだけど、トラブルがめちゃくちゃ多いスキルなんですよ。
とにかく練習あるのみです。最初は、ダイビングプールか水底が10m以浅の底があるところで練習したほうがいいですよ。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。

東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ファンダイバーや、もっとうまくなりたいという方にはステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便な大井町店、そして東伊豆で海が目の前に立つ富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬大さんも常駐。のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。


スキューバダイビングのスキルアップ術Q&A一覧
- 第44回 ブランク・ビギナー悩みQ&A
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- 第42回 器材の洗い方・干し方ほか
- 第41回 スムーズに潜降したい!
- 第40回 使って便利な器材やグッズ
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- 第38回 耳が抜けない!耳ぬき完全攻略
- 第37回 ドライスーツの苦手を克服!
- 第36回 初めて行く海の店選びほか
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- 第34回 マスクがらみのトラブル回避法
- 第33回 ボートダイビングのスキル
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- 第30回 水中写真を撮るスキル
- 第29回 水中生物を見るスキル
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- 第27回 ブランク明けのアドバイス5
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- 第24回 エア消費を減らしたい!
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- 第19回 耳ぬきと鼻のトラブル解消法
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- 第1回 ブランク・マスククリアほか