ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A
【第7回】
耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
講習後、上手くなるためにしなければいけないことは?
Q
ゴールデンウィークについにダイビング講習を受けることになりました! 小さな頃から水泳をやってきたので水は怖くないのですが、講習を受ければ上手くなれるものですか? 皆さんの質問を見ていると、講習を取った後もスキルアップのために何かしたほうがいいのかな?と思って……。
(ななみ/ダイビング歴0年・0本)
A
この記事がアップされる頃は、Cカード(ライセンス)を取得してるってことですね! おめでとうございます。
とにかくダイビングが上手くなるには、中性浮力をマスターすることです。
呼吸コントロールとBCDの給排気コントロールを無意識にできるようになるまで潜り込むことですね。目安として20本くらいを目標にしてみてはどうでしょう?
理想としては、その間にアドバンスを受講して、いろんな状況でも中性浮力で潜れるようになるといいですよ!
マンタに会うにはどこへ? どうすれば?
Q
マンタに会いたくて仕方ありません! 水族館では見たことはありますが、せっかくダイバーになったからには実物に会いたい!! 会うためにはどうしたらいいですか? もしマンタがこちらに向かって来たら息を止めたほうがいいのですか? 脳内シミュレーションをしていても、ドキドキです!
(HM/ダイビング歴1年・10本)
A
マンタ! 僕も大好きです。日本でマンタに会うなら石垣島が一番確率が高いんじゃないかなと思います。
マンタに会えるスポットは、水深も深くなく、流れもないので潜りやすいですよ。
ただ、海況によっては行けない場合もあるし、マンタが現れない時もあるので、焦らず何度かチャレンジするつもりでいるといいですよ。
“マンタ見たい”オーラが強すぎるとマンタにも伝わって警戒されるかも(笑)。興奮し過ぎないように。
マンタが向かってきたら、吐いた泡を嫌がる子もいるので、ボコって一気に吐かないほうがいいですね。マンタの観察ルールは、ショップのガイドが潜る前に教えてくれるので、ちゃんと聞いときましょう!
なかなか進まなくて手を使ってしまう
Q
脚力には自信があるのですが、ダイビング中なかなか進まなくてついつい手を使ってしまいます。ガイドさんに何回か注意されたこともあるのですが、どうすればいいのでしょう?
(隼人/ダイビング歴1年・30本)
A
脚力があるのに、手を使わないと進まないってことは、3つ考えられます。
1つは、フィンが体と合ってない。短いフィンや柔らかすぎるフィンだと推進力が少なく進まないです。その場合は、フィンを見直して、自分に合ったフィンにしましょう。
もう1つは、フィンキックがうまくできてない。脚力があっても、膝を曲げてキックしてたり、ちゃんと下までキックできてなかったりすると、やっぱり推進力が弱くなります。基本に返ってフィンキックを練習しましょう!
基本のフィンキックのイメージは、膝と足首を真っ直ぐ伸ばしたまま、モモを上下に同じくらい広げて閉じる感じです。試してみてください。
最後に一番よくある原因は、中性浮力がとれてない。脚力がある人に意外と多いです。ちゃんと中性浮力がとれてなくても、フィンキックの力で中性浮力を誤魔化しちゃってる人。結構多いです。マイナス浮力で沈みがちなのにフィンキックで浮いてるのでフィンキックの推進力は斜め下向きに働いてます。前に進む推進力は半減してしまいます。
浮き気味な時も同じです。ちゃんとBCDを使って中性浮力をとり、体を水平にして真っ直ぐフィンキックするように意識してください。フィンキックで中性浮力を誤魔化さないようにする練習方法は、かなりゆっくり、そして大きくキックするようにしてみてください。ゆっくりだと誤魔化しが効かなくなるので、それでも浮き沈みしないように中性浮力をとるように。
フリー潜降ができません
Q
ブイのロープとかボートのアンカーロープとか、ロープがあるところじゃないと潜降できません。よくいうフリー潜降はどうすればできるようになるのでしょうか? 不安でしかありません。
(kazi/ダイビング歴4年・80本)
A
潜降は苦手な人が多いです。最初の頃の苦手スキルNo.1かも。
フリー潜降は、慌てずゆっくりがポイントです。
スムーズな潜降をする方法を順番に解説していきますね。
①浮力を確保して水面で深呼吸して呼吸を整える(呼吸が早いと肺に空気が溜まった状態で沈めない)
②真っ直ぐ立って、BCDの排気口を上げて、BCDの空気をしっかり排気する(早く潜ろうとして姿勢が前のめりになってるとうまく抜けない)
③胸を張って頭を上げて、肺の空気を一気に吐ききる。そして、頭が1mくらい沈むくらいまで吐いたままで吸わずに我慢する(すぐ吸うと浮いちゃう。ゆっくり吐いてると沈む前に苦しくなる)
④1mくらい沈むまで待ったら、軽めに吸って、またすぐ吐く。それを2〜3回続ける(その間、手やフィンを動かさないように気をつける。バランス取ろうとフィンを小刻みに動かしてる人が多いので注意しましょう)
この4つのステップをすれば、フリー潜降できると思いますよ。ポイントは、このステップを1つ1つ分けて順番にやることです。うまく潜れない人の多くは、ほぼ同時に①~③をやっていて、結果、BCDに空気が残ってたり、呼吸が整ってないので吐ききれなかったり、すぐ吸いたくなってしまう。
ゆっくり、焦らず潜降してみましょう。
潜降を解説している動画もあるので参考にしてみてください。
バックマウントのBCDは他とどう違う?
Q
第3回で、ドライスーツのことをお答えいただきありがとうございました。また質問です。
今、初心者の頃に買ったショルダーベルトタイプのBCDを使っているのですが、最近バックマウントタイプのBCDがいいという方が周りに多くて、買い替えを考えています。見た目も違いますが、水中、水面でどう違うのですか?
(yamataka/ダイビング歴6年・230本)
A
いつもありがとうございます。今回はBCDについてですね。ショルダータイプとバックマウントタイプの違いは、空気が入るところです。
ショルダータイプは、背面と腹部の両サイドの空気袋が膨らみます。水中、水面のどちらもやや頭が上、足が下の状態は取りやすいですが、ホリゾンタル(水平の姿勢)が取りにくいです。
バックマウントタイプは、背面の空気袋だけが膨らみます。水中で身体の姿勢が水平姿勢になります。水平の姿勢)が取りやすく、水面で顔を上げにくくなります。
ショルダータイプは、水中、水面でも顔が上げやすいが、水平姿勢になりにくい。
バックマウントタイプは、水中、水面で水平姿勢になりやすいが、顔を上げにくい。
簡単に言うとこんな違いです。
じゃあ、どっちがいいかと言うと、メインで潜るポイントがどんなところかによりますね。
海外リゾートボートダイビングやドリフトダイビング、着底してマクロ撮影がメインの方は、水中、水面でも顔を上げる状況が多いのでショルダータイプがおすすめです。
テクニカルダイビングに興味がある人、洞窟、沈船など地形好き、深場が好きな方は、水中の水平姿勢が大事なのでバッグマウントタイプがおすすめです。
すでにショルダータイプをお使いなのでバックマウントタイプを購入して、ポイント、スタイルに合わせて使い分けるのも手ですね。
どっちの器材も慣れれば、デメリットは克服できるので、とにかく使いたおしてください。
ちなみに、僕が最近使ってる器材は、顔が上げやすいコンパクトなバックマウントタイプのBCDです。オールマイティに使えて重宝してます。興味あればご連絡ください。
不得意なダイビングスキルを克服したい方、
ダイビングいろいろのストレスや悩みを感じている方必見!
皆さまのご質問&お悩み大募集!
ベテランイントラ・かっしーのQ&Aはいかがでしたか?
マリンダイビングWebでは皆さまからダイビングスキルで苦手なことや、今更聞けない素朴な疑問、こんなところにストレスを感じる!など、ダイビングのお悩みを募集しています。
かっしーにお答えいただき、掲載しますので、ご氏名またはペンネーム、ダイビング歴(年数・経験本数)、念のためご連絡先(Eメールアドレス)を明記の上、下記にお送りください。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』(休刊中)主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬広さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。