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ベテランイントラ・かっしーが回答♪
苦手スキルやダイビングの悩み Q&A
【第9回】
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耳ぬき・中性浮力・潜降など、ダイビングに必要なスキルは身につけておくべきですが、なかなかできない。難しすぎる!という方も多いのではないでしょうか?
多くのダイバーのスキルの悩みを聞いて解決してきたベテランイントラ・かっしーこと柏崎洋介さん(スキューバプロショップ大井町店店長)に、皆さんの質問や悩みに答えていただきます!
潜降ができなくてウエイトを重めにしてしまう
Q
どうしても潜降がうまくいかず、ウエイトを重めにしてしまいます。耳ぬきはできているのですが、何がいけないんでしょう?
(Aoi/4年/40本)
A
ウエイトを重めにするのは、おすすめできないですね。緊急時のリスクがかなり高くなるので、オーバーウエイトはやめたほうがいいですよ。
潜降については、何度か質問があったので、前回の回答から抜粋しますね。
潜降は苦手な人が多いです。最初の頃の苦手スキルNo.1かも。
フリー潜降は“慌てずゆっくり”がポイントです。
スムーズな潜降をする方法を順番に解説していきますね。
①浮力確保して水面で深呼吸して呼吸を整える(呼吸が速いと肺に空気が溜まった状態で沈めない)
②真っ直ぐ立って、BCDのインフレーターの排気口を上げて、BCDの空気をしっかり排気する(早く潜ろうとして姿勢が前のめりになってるとうまく抜けない)
③胸を張って頭を上げて、肺の空気を一気に吐ききる。そして、頭が1mくらい沈むくらいまで吐いたままで吸わずに我慢する(すぐ吸うと、浮いちゃう。ゆっくり吐いてると、沈む前に苦しくなる)
④1mくらい沈むまで待ったら、軽めに吸って、またすぐ吐く。それを2〜3回続ける(その間、手やフィンを動かさないように気をつける。バランス取ろうとフィンを小刻みに動かしてる人が多いので注意しよう)
この4つのステップをすれば、フリー潜降できると思いますよ。ポイントは、このステップを1つ1つ分けて順番にやることです。うまく潜れない人の多くは、ほぼ同時に①〜③をやっていて、結果、BCDに空気が残ってたり、呼吸が整ってないので吐ききれなかったり、すぐ吸いたくなってしまう。
ゆっくり、焦らず潜降してみてください。
潜降を解説している動画もあるので参考にしてみてください。
150本以上潜っているのに中性浮力がマスターできない
Q
ダイビングを始めて5年以上。もう150本以上潜っているのになかなか中性浮力がとれません。ガイドさんが魚などを見せてくれる時も上がったり下がったり。何かにつかまらないと安定しないのです。どうしてでしょう?
(はるな/5.5年/154本)
A
魚を見る時、安定できない方、結構います。適正ウエイトなのに、止まってる時に安定しない原因は、3つ考えられます。
1 呼吸の乱れ
2 BCDの排気がうまくできてない
3 下半身の浮力が強い
1の呼吸の乱れは、吸いがちになって肺の浮力が大きくなって浮き気味で安定しなくなります。初心者に多いのですが、カメラや魚観察に夢中になったり、そっと近づかないと、と意識し過ぎて、呼吸を吸って止めがちになったりする方もいます。しっかり吐く呼吸を意識すれば、安定しやすくなりますよ。
2のBCDの排気は、魚に近づきながら排気する時、頭(上半身)がやや下に向いた状態でBCDを排気する方が多いです。上半身が下になると、BCDの下側(排気ホース=インフレーターホースの逆側)に空気が溜まってるので、排気ホースから排気しようとしてもうまく抜けません。そうなると、腰からお尻部分に浮力が残って、下半身が浮き気味になって安定しないのです。
解決方法は、近づく前に上半身をしっかり上げて排気するか、BCDの下側にある排気バルブ(付いてないタイプもありますが)から排気しましょう。
3の下半身の浮力が強いは、実は、意外と盲点で慣れた方でもよくあります。下半身の浮力が強い方のパターンは、新しめのスーツで縮みにくく浮力が残ってしまうか、体質的に下半身の浮力が強い(女性に多い)か、ウエイトベストやBCD収納型ウエイトで上半身にウエイトが偏りがちか、ドライスーツで足に空気が溜まってるかが考えられます。ドライスーツの足の浮力はBCD同様に上半身を上げてしっかり排気することがポイントです。その他の解決方法は、ウエイトのバランスを下半身に寄せることです。
BCD収納タイプやウエイトベストの方は、ウエストのベルトも使って分散してみるといいです。ウエストベルトを付ける位置も重要で、ウエストの細い部分につける方もいますが、それだと上過ぎです。ややローウエストの位置(お尻にウエイトが乗るような位置)につけてみてください。下半身が沈みやすくなって安定しやすくなりますよ。
意識していても鼻呼吸をしてしまう
Q
初めまして、いつも楽しく拝見しています。ダイビングの際の呼吸の件で悩んでいて、メールさせていただきました。
私はダイビングの際に緊張しがちで、呼吸するときに力が入りがちだという自覚があります。
潜水してから時間が経ってきて、呼吸をするのに疲れてきた頃に、鼻から勝手に息が漏れてしまうんです。
表現が難しいのですが、例えばですが喉と鼻をつなぐ弁があるとしたら、それが機能しなくなって、鼻へ呼吸が抜けてしまっている、という感覚なんです。
ネットでいろいろ調べてみたところ、吹奏楽をしている人が長時間楽器を吹いているときに、「鼻抜け」という状態があるみたいで、恐らくそれに該当すると思うんです。
症状が出てしまったら、鼻をつまんで何とかやり過ごしているのですが、煩わしいし、鼻から水を飲んでしまってストレスを感じたりします。同じような人に出会ったことがなく、どうしていいのかわかりません。
リラックスする以外で、何か対応方法はありませんか?(マスク・レギュレーターのくわえ方等々……)。長々すみません。よろしくお願いします。
(なつこ/2年半/40本)
A
いつも読んでいただきありがとうございます。
鼻からの呼吸で悩んでる方も多いです。一番は、書いてあるように、リラックスして、口からの呼吸を、意識することですが、器材面でもある程度解決できたりするので、アドバイスいたします。
要は、口から息が出やすくなって、鼻から出にくい状態を作ればいいんですよ。
実際のオープンウォーター講習でも鼻呼吸がひどくて治らない時にも、たまにやってるテクニックです。
鼻は、マスクをちょっとキツ目に絞めます。通常は緩めのほうが楽でいいんですが、キツく絞めると鼻からの息の漏れが少し抑えられます。
口は、マウスピースを少し大きめのタイプにするといいです。顎が疲れるから小さいタイプにする方がいますが、口をすぼめることになるので、口からの息の出口が小さくなり鼻から漏れるきっかけになります。大きめのマウスピースだと口が横に開くので口から出やすくなり、鼻から漏れにくくなります。大きいマウスピースだと口が痛くなるって方もいますので、おすすめは、歯型の型をとるカスタムマウスピースがいいですね。是非、試してみてください。
安全停止の時にロープに人が多すぎて安全停止ができない
Q
安全停止の時にブイとかアンカーのロープにつかまりたいのですが、ダイバーが多すぎてつかまれない場合があります。水深は7mぐらいになっちゃうんですけど、そこで安全停止をしたほうがいいですか? それともロープにはつかまらずに水深5mにホバリングしてなくちゃダメですか?
(速人/3年/50本)
A
安全停止あるあるですね。ブリーフィングの時、下の人は5m以深になって安全停止にならないので詰めて、5mまで上がってくださいねって言ってます。
人が多くて詰められない時は、流れがなければ、ロープをつかまないでホバリングで安全停止するのがカッコいいのですが、流れがある時はロープに掴まったほうがいいです。そんな時は、バディやチームの誰かのファーストステージあたりに軽くつかまって安全停止をするといいですよ。
流れが強すぎて、鯉のぼり状態だとバディにつかまれないので、空いてるスペースを探してロープにつかまりましょう。その際は、5mじゃなくて、3m〜6mの範囲ならOKです。5m以深じゃなく3mくらいまで上がって停止するのもありです。
ログブックはつけなきゃいけないの?
Q
究極の面倒くさがり屋です。素朴な疑問ですが、ログブックはなぜつける必要があるのですか? つけなくても大丈夫なのでは?
(ウミタロー/2年/60本)
A
ログ付けは、人によりますよね。時間かけて絵を描いたりしてる人もいますが、最小限で十分ですよ。ダイブコンピュータからBluetoothでデータを飛ばせれば、それだけでもいいですし、表を作って、ポイント、時間、深度、サインだけ書いておいてもいいですよ。
海外に潜りに行くと、ログブックで本数確認されたりするところもあるので、何かしら記録を持っておくのをおすすめします。
不得意なダイビングスキルを克服したい方、
ダイビングいろいろのストレスや悩みを感じている方必見!
皆さまのご質問&お悩み大募集!
ベテランイントラ・かっしーのQ&Aはいかがでしたか?
マリンダイビングWebでは皆さまからダイビングスキルで苦手なことや、今更聞けない素朴な疑問、こんなところにストレスを感じる!など、ダイビングのお悩みを募集しています。
かっしーにお答えいただき、掲載しますので、ご氏名またはペンネーム、ダイビング歴(年数・経験本数)、念のためご連絡先(Eメールアドレス)を明記の上、下記にお送りください。
プロフィール紹介
かっしーこと柏崎洋介さん
東京農業大学に入学後、ダイビングクラブに入り、すっかり海とダイビングの虜になる。在学中に《スキューバプロショップ》でアルバイトを始め、卒業後はもれなく同社へ。東伊豆の富戸でダイビングガイドを担当した後、同社の代表兼大井町店の店長に。ダイビング歴25年、インストラクター歴21年。現在はPADIコースディレクターとして、ノンダイバーからプロを目指すダイバーまで指導。
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東京に2店舗、東伊豆に1店舗あるから
スキルアップやステップアップに超便利!
スキューバプロショップ
大井町店 TEL:03-6712-0920
ダイビングを始めたい!という方から、ダイビング講習を修了してももっともっとダイビングを楽しみたいというファンダイバーのためのダイビングツアーや、もっとうまくなりたいという方にはスキルアップ講座やステップアップコースを意欲的に開催。
話題の渋谷・宮下パークから徒歩1分のオシャレな渋谷店、交通至便で、納得いくまでダイビング専用プールで講習可能なPADI5スターIDセンターでもある渋谷店、そして東伊豆で海が目の前に立つ、宿泊可能なダイビングリゾート、富戸店(写真)と3つの拠点で講習&サービスを展開。ダイビング専門誌『マリンダイビング』主催のランキング企画で8年連続No.1を樹立した富戸店には、同ランキング企画で1位に何度も選ばれているダイビングガイドの山口敬広さんも常駐。お一人で訪れてもすぐに打ち解けられる、のんびり、あったかな雰囲気にきっとリラックスできるはずです。
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