伊戸ダイビングサービスBOMMIE・塩田寛流
伊戸の生き物撮影術

千葉県・房総半島に位置する伊戸はドチザメやアカエイを筆頭に、たくさんの生き物たちがダイバーと遊んでくれることからとっても人気がある海です。そんな海をより迫力のある写真をコンデジで撮るためのコツを≪伊戸ダイビングサービスBOMMIE≫オーナーの塩田さんに伝授していただきます!
■協力/伊戸ダイビングサービスBOMMIE
※2021年6月現在の情報です。
シャークタワースチール撮影のコツ
迫力のあるサメたちの写真を撮るために押さえるべきポイントを塩田さんに教えいただきました。これでもっと迫力のあるサメらしい写真が撮れるはずです。
ドチザメ、アカエイ 上から撮るか下から撮るか
まずはサメをどの場所から撮影するか、撮影者の上下の動きについて解説していただきます。
上から撮る

サメやエイたちを上から撮影すると写真のようになります。水底の砂と同化してしまい、メリハリのある写真にはなりません。サメたちもたくさんいるのにばらけている残念な写真になります。
横から撮る

横から撮影するとサメやアカエイのおなか側の白い部分や口が映り込み、一気にサメ感、エイ感が出ます……! 距離も近くなり画面いっぱいに写るため迫力のある写真になります。
下から撮る

離れた位置から撮影するのも、上からと下からでは大きく異なります。あおって撮影すれば、ブルーの海をバックにした、カッコいい写真に大変身です。
前から撮るか、後ろから撮るか
もう一つ大事なのが、「サメたちの背後から撮影するか、前から撮影するのか」です。これは塩田さんがいる位置と潮の流れをしっかりと把握することがポイントです。
塩田さんの前から撮る

塩田さんの前に立ち、撮影をするとこのような写真になることが多いです。ドチザメもエイも背中の色が似ているのでパッとしない写真になってしまします(黄色いウインドブレーカー+ヘルメットを装着しているのが塩田さん)。
塩田さんの後ろから撮る

塩田さんの後ろに位置取って撮影をすると上のような写真になります。伊戸の生き物たちは逃げることなく、塩田さんに向かってくるので同じ位置にいると撮影しやすいです。
サメ撮影にはフラッシュ必須
サメを撮影する際に構図と併せて覚えておきたいのがフラッシュの重要性です。サメはおなかの白色をハッキリさせることで写真にメリハリが出ます。フラッシュがないと青カブリしてしまい、おなかが青い写真になってしまうので要注意です。

フラッシュがない状態で撮影をしてしまうとこのように青カブリした写真に……

シャッターを切る瞬間にちゃんと光が当たれば色の違いがハッキリ出ます
シャークタワー動画撮影のコツ
伊戸はスチール撮影だけでなく、動画撮影もおもしろいんです! コンデジ(主にTGシリーズ)での動画撮影のコツも教えていただきました♪ 青カブリしない動画を撮影するのに重要なのが「ホワイトバランス」だそう。塩田さんがいつも使っているオリンパスのTGシリーズにはホワイトバランスを調整する「ワンタッチ機能」が付いていて、それを活用します。
水中に白いものを持っていく!
「ワンタッチ機能」の使い方はいたってシンプル。自分がいる水深で一度白いものを撮影するだけです。ですから水中に白いものがなければなりません。理想は白いスレートですが、一緒に潜るメンバーに白いフィンを履いている方がいればそれでもOKです。

水中で操作がもたつかないように、事前に陸で説明書を読んだりカメラを触って慣れておきましょう

白いフィン
写真のような白いスレートがあれば理想的
ここに注意! ワンタッチ機能!

便利な「ワンタッチ機能」ですが、使っている機種によって気を付けていただきたいことがあります。現在皆さんがお使いのTGシリーズは「TG-3」「TG-4」「TG-5」「TG-6」が主流だと思います。いずれにも「ワンタッチ機能」がついているのですが、機種によっては電源をOFFにしたり、水中モードにしたりすると設定がリセットされてしまうものがあります。
また、水深や日射しが変われば随時調整する必要があるので忘れないように注意してください!
ホワイトバランスを調整した状態で撮影を行なうと、水中では画面がピンクがかって見えますので、この誤差にも慣れる必要がありますね。この辺りの調整については、スタッフがしっかりとサポートいたしますので、お気軽にスタッフにお尋ねくださいね♪
コンデジで潜ればマクロも撮れる
ホワイトバランスの設定や構図などのポイントを押さえておけば、コンデジでも十分にいい写真が撮れます。また、コンデジはワイドとマクロの両刀使いができるので伊戸の海にはぴったりです。
岩の隙間にレアな生物!?

取材当日、塩田さんが「もしかしたらまだいるかもしれないから!」と案内してくれたのはオオセ! カメラマンの持っている大きなカメラでは到底撮影できない隙間にいたので、コンデジがなければ撮影できませんでした……。
実はたくさん、マクロ生物・ウミウシ

伊戸はサメやエイたちが人気なのはもちろん、季節に合わせてさまざまなウミウシやマクロ生物が目撃されています(過去にはカエルアンコウ系も)。撮り逃さないようにしっかり準備して潜ってくださいね♪
撮った写真は千葉・房総半島フォトコンに応募しよう
せっかく撮影した写真はフォトコンテストに応募してみませんか? 現在、《伊戸ダイビングサービスBOMMIE》も加盟している《千葉ダイビングサービス協力会》が主催する「千葉・房総半島 フォトコンテスト」では、千葉・房総で撮影した水中写真を募集中です。入賞した方の作品は月刊『マリンダイビング』及び公式サイト「マリンダイビングWeb」に掲載されます! 皆さんふるってご応募くださいね。