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大瀬崎初!
《はごろもマリンサービス大瀬崎》で
ナイトロックス施設を導入!

大瀬崎初!《はごろもマリンサービス大瀬崎》でナイトロックス施設を導入!

今や多くのダイビングエリアで導入されているナイトロックス。大瀬崎で長年、ダイバーの方々のサポートをしてきた《はごろもマリンサービス大瀬崎》(有限会社はごろも)では、ナイトロックス施設の導入に着手し、いよいよチャージ施設が完成。ダイバーに供給することができるようになりました。特にカメラ派の多い大瀬崎では画期的なニュースです。 今回は、ナイトロックス施設導入のきっかけや想いを、有限会社はごろものオーナー深澤貞晴さんに伺いたいと思います。ナイトロックス施設の状況や、ダイビングに使用した感想を水中画像とともに、むらいさちがレポートします。

ナイトロックスとは?

ダイバーに大人気の「アザハタ」も、人懐っこく出迎えてくれます!

「ナイトロックス」とは、窒素と酸素の混合気体全てを指す用語です。同じように良く使われる「エンリッチド・エア」は、簡単に言うと「酸素の割合が多い空気」のことです。空気は酸素21%、窒素79%で構成されていますが、この構成割合を変え、酸素の割合を21%以上にした空気を「エンリッチド・エア」と呼んでいます。「エンリッチド・エア」を使うことによって、体内の窒素の割合を下げることができ、ダイバーにはいろいろなメリットがあります。僕は撮影で水中にいる時間が長く、また1日に複数回潜ることが多々あるので、できれば「ナイトロックス」を使いたいと思っています。

ナイトロックス施設導入のきっかけ

むらい)まずは、ナイトロックスの導入のきっかけを教えてください。

深澤)当店のゲストは、毎週のように来られる常連さんや、フォト派のダイバーがとても多いです。そうするとどうしても身体に負担がかかってしまうこともあり、そんな皆さまに安全に楽しく潜っていただきたいという想いから、ナイトロックス施設の導入を決めました。
以前から「ナイトロックスを入れて欲しい!」という要望はとても多く、やっと皆さまに提供することが出来るようになりました。
大瀬崎のダイビングショップでは最初の施設導入になります。これをきっかけにもっとナイトロックスでのダイビングが広まると嬉しいですね。

むらい)大瀬崎で最初の導入とは、ちょっとびっくりです! やっぱり導入するのは大変なのですか?

深澤)こうやって導入できたのも、コロナ禍で時間ができたというのも大きかったです。資材が揃わないこともあり、導入までに1年半の時間を要しましが、やっとこの11月からスタートすることが出来ました。実はチャージ室は、ほぼ自分たちでゲストの少ない時期に作ったのですよ。そして何より資金がかなりかかりますので導入に踏み切るには勇気がいりました(笑)。

深澤さんの熱い想いでナイトロックス施設が作られました

深澤さんの熱い想いでナイトロックス施設が作られました

もっと多くの方に使ってもらいたい

むらい)ナイトロックス施設の導入は、写真を撮る僕個人としてもとても嬉しいですし、お客さまも喜んでいるのではないですか?

深澤)昨今、ダイビングの事故も残念ながら増加傾向です。そんなリスク回避の一助になりたいという想いもあります。お客さまにはとても好評で、こちらとしても嬉しいですね。安全の面でも、すべてのお客様に使って欲しいくらいです。

むらい)まだスタートしたばかりですが、今後の展望などは?

深澤)現在ナイトロックスのタンクを110本用意していますが、今後もっと増やしていけたらと思っています。いつかエアーを全てナイトロックスに置き換えるくらいになると良いなと思っています。今までナイトロックスは高いイメージがあったと思いますが、当店ではお安く提供できますので是非一度使って頂きたいですね。

むらい)ナイトロックスのタンクを使うには、ライセンスが必要ですよね?

深澤)当店では、PADI エンリッチド・エア/BSACナイトロックスダイバーのスペシャルティコースも積極的に開催していこうと思っています。
講習内容は、知識開発+実践応用+プレダイブ・シュミレーション(オプションで海洋実習も行います)。目の前の海ですぐ実践が出来るのも当店ならではです。

現在110本のタンクを用意していますが、今後増やしていく予定だそうです

現在110本のタンクを用意していますが、今後増やしていく予定だそうです

実際に潜ってみる

深澤さんのナイトロックス導入についての、熱いお話を聞いた後、実際にナイトロックスを使って海に潜ってみました。思えば、大瀬崎では長年潜っていますが、ナイトロックスで潜るのは今回が初めて。日本を代表するポイントと言っても過言ではない大瀬崎で、ナイトロックスのチャージ施設を持っているお店がなかったというのにはビックリです(レンタルサービスのみは他店でもあります)。
今回は2本だけでしたが、写真とともに振り返ってみたいと思います。

ひさびさの大瀬崎、今回は外海と、湾内に潜りました。僕はどんな状況でも、ナイトロックスを使えるのであれば使います。なので今回大瀬崎での導入はとても嬉しいです。
じっくり被写体と向き合いたいフォト派のダイバーや、本数多く潜りたいダイバーなどにはとくにお薦めです。

オキゴンベ

秋の大瀬崎は透明度もよく気持がよかったです。今年はアケボノハゼが大量に現れたことでも話題になりましたよね。

ミジンベニハゼ

大瀬崎の湾内には、皆に人気のミジンベニハゼがいますが、これが水深25mくらいと微妙に深いのです。エアーだと「減圧が出てしまうのでは?」というストレスを抱えての撮影になってしまうのですが、ナイトロックスを使うと、滞在時間が延びるのでいつも以上に被写体に向き合えます。それは撮影する側としてはとても助かります。なんなら次のダイビングでも、またミジンベニハゼに会いに行くことが出来たりします。

カエルアンコウ

ナイトロックスを使うことで、水中でのストレスを改善することができます。ただ、ナイトロックスだからと、無理なダイビングをしては意味がないので、気を付けましょう。

ガイド的ナイトロックスのメリットとは?

現在スタッフは全員がナイトロックスを使用しています

現在スタッフは全員がナイトロックスを使用しています

ゲストはもちろんのこと、繁忙期には潜る本数が増えるガイドダイバーにとっても、ナイトロックスを使うメリットは大きそうです。最後にガイドさん達にもお話を聞いてみました。

「まず、お客さまのメリットですが、狙いたい被写体があるとき、その被写体に向き合える時間が長くなるのでじっくり撮影することができます。現場の者としては、ナイトロックス32%を使うことで、約30mより深い水深には行けなくなるので、より安全に潜っていただけると思います。また、体内の残留窒素が通常のエアーより少ないので、複数本潜る方、帰りに標高の高い場所を通って帰る方にとっても、減圧症のリスク軽減になると思います。ゲストは年配の方も多いですし、とにかく安全に永く潜って欲しいと思っていますので、ぜひナイトロックスを使って欲しいですね。」

ガイドさんにとってもナイトロックスはメリットが多いようです

ガイドさんにとってもナイトロックスはメリットが多いようです

「私たちガイド陣は全員ナイトロックスを使用しています。夏場の繁忙期、一日4本潜ったりすることも多いので、ナイトロックスの導入によってガイドの質も上がりますし、身体にとっても良いことなのでありがたいです。」

メリットの多いナイトロックスで潜りたいなら《はごろもマリンサービス大瀬崎》で!

大瀬崎のダイビングショップでは初めての導入になった、ナイトロックスのチャージ施設。海外に行くとほぼ100%ナイトロックスなんていうエリアも多くなっていますし、日本での導入がもっと進むことを願います。タンク代など少し上がってしまいますが、ダイビングをより安全に楽しむためには必要なことだと思います。ぜひ、《はごろもマリンサービス大瀬崎》で、ナイトロックスのダイビングを体験してみてください。使ってみればその良さがきっと分かるはず。

ナイトロックスタンク使用料金 【2022年12月現在】
10Lタンク使用時:レンタルタンク2,310円(税込)、チャージ1,650円(税込)

PADI エンリッチド・エア/BSACナイトロックスダイバーのスペシャルティ講習料金
マニュアル代+講習費 16,500円(税込)
オプションの海洋実習は2ダイブ、10,800円(税込)
※詳細はお問合せください

協力/はごろもマリンサービス大瀬崎(有限会社はごろも)
撮影・文/むらいさち