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水中写真家・清水淳のビギナーズ水中撮影テクニック 第10回(最終回)
TG-6の最強システムはこれだ!
前回までにTG-6を使ったワイド撮影(フラッシュ撮影、自然光撮影)、マクロ撮影、水中顕微鏡撮影など、撮影テクニックの基本を紹介してきましたが、今回は清水淳先生が普段使っているTG-6のシステムを紹介します。ストロボにもLEDライトにもなるマルチユースの新型ストロボを含めて現在存在する最高のシステムを詳しくお伝えします!
最低限でもこれ以上のものはない!「TG-6清水スペシャル」
TG-6は2019年7月にデビューして3年。OLYMPUS(OM SYSTEM/OMデジタルソリューションズ社)のフラグシップ機に搭載されている画像処理エンジンを惜しみなく採用し、コンパクトデジタルカメラとして最高の画質を有する人気のカメラです。
しかし、水中ユースとなると、カメラ単体での使用では水と空気の屈折率の違いから水中での撮影画角が狭くなったり、内蔵フラッシュでの撮影では浮遊物にフラッシュ光が当たり乱反射してノイジーになったりと、そのスペックを最大限に活かすためにはいろいろなアクセサリーが必要とされています。
水中で使用できる撮影アクセサリーは、いろいろなメーカーからそれぞれの特色を活かした製品が数多く準備されていて、どれを使ったらいいのか? どこまで揃えれば良いのか? 誰に聞いたら良いのか? その判断はかなり難しいと言えます。
今回は私が実際に普段使っているアクセサリーをミニマムで紹介します。最低限でもこれ以上のものはない、「TG-6清水スペシャル」になります。
「TG-6清水スペシャル」
ハウジング:OLYMPUS PT-059
オリンパスの純正ハウジング。サードパーティー製に比べて安価でシンプル。
ボディはポリカーボネイト製(プラスチック・非金属)ですが、実用性・耐久性ともにピカイチ。
ブラケット:MPBK-05
マリーンプロダクト(MP)製、超軽量最高品質のアルミ製ブラケット。メイドインジャパンのクオリティー。
透明超硬質アルマイト処理が施され、いつまでもきれいなまま使用可能。TG-6/PT-059の他UH-EPL10でも使用可能。グリップを握るタイプではなくカメラを持った手の外側からホールドするタイプ。
アーム:MPアームM&フロート
アルミ製超軽量中空アーム。メイドインジャパンのクオリティー。
中空のアルミ製パイプ形状なので撮影システム全体を浮かせる浮力体になります。
サイズは、M=20cm、L=30cm、2L=40cm、3L=50cmと4サイズ。
ストロボ:AOI USC-Q1RC
超小型/高機能の水中ストロボ。「AOI USC-Q1RC」は、小型ボディながら水中での撮影に十分なガイドナンバー22 の大光量ストロボ。
OMデジタルソリューションズ社のデジタルカメラに搭載の「ワイヤレスRC フラッシュシステム」に対応したフラッシュモードを搭載し、カメラ側でデジタル光信号によるフラッシュの発光をコントロールできるため、正確な発光が可能。フル発光時でも0.85 秒でチャージが完了するため、シャッターチャンスを逃さずに快適な撮影が行える。また大光量のLEDライトを搭載するためにライティングが難しい超接近撮影時にはLEDライトを光源とする撮影も可能。一台で二役の画期的な超小型ストロボ。
超小型/高機能水中ストロボ
「AOI USC-Q1RC」のスゴイ特徴
●OM SYSTEMワイヤレスRCフラッシュシステム
OM SYSTEMワイヤレスRCフラッシュシステムを使ったストロボの発光コントロールが可能。
発光・非発光の選択。マニュアル発光の光量のコントロール。カメラと連動したTTLオート撮影はもちろん、TTLオート撮影時の発光量の補正をカメラ側本体側で調整することができる。
従来のOMデジタルソリューションズ社/UFL-3では対応していなかった高速シンクロ(FP発光モード)にも対応。
●大容量バッテリー
充電式の大容量バッテリー18650 リチウムイオン二次電池を2本使用。
ストロボ光量フル発光時に最大1500回の発光が可能。
LEDライトフルパワー点灯時間130分。
●フラッシュリチャージタイム0.85秒
大容量バッテリーと新設計コントロール基盤採用で、フル発光時に0.85秒でチャージが完了。
●OMデジタルソリューションズ社の水中ホワイトバランスにマッチングが良い発光色温度
フラッシュの発光色温度は、5000Kでカラーバランスの整った発光色温度。
水中でゲインしやすい赤系の発色も鮮やかに再現。
●モデリング発光
フラッシュ光の照射方向・照射範囲を事前に視覚的に確認するのに効果的なモデリング発光搭載。
*モデリング発光(連続した閃光発光でライトが点灯しているような状態)
右ボタンを押すと2秒間点灯します。
●3段階光量調整 大光量LEDライト搭載
最大700ルーメンの大光量LEDライトを搭載。25%、50%、100%、OFFの光量選択が可能。
ターゲットライトで使う場合は、フラッシュ発光時に自動消灯。5600Kの色温度。そのまま点灯させて光源としての撮影も可能。ライトの連続照射時間は100%光量照射時に130分。
●スヌート機能
別売の「AOI SNT-01」スヌートを使うと、ストロボの照射範囲を極端に小さなエリアに限定した発光が可能。
ワイドコンバージョンレンズ:AOI UWL400A
TGシリーズ専用設計。小型軽量、ワンタッチ脱着のオプションが選べる。
水中での倍率が0.5倍水中画角120度。TG専用設計のため、画像四隅のケラレや周辺の歪みがなくシャープな描写力を有す。最短撮影距離がレンズ先端に位置するために被写体絵を大きく写しながらワイド撮影を行う「ワイドマクロ撮影」にも最適なレンズ。アダプターの装着が必要なくTGのハウジングに直接接続が可能。
フード付き拡大鏡:AOI UMG-01
シニアの目でもモニターをしっかりと確認することができる魔法のアクセサリー。
高倍率の拡大鏡と遮光フードが一体になったアクセサリー。一番初めに手に入れたいアクセサリーだ。
使い手の視力に細かく合わせることができる視度調整機能付き。
これらのアクセサリーがあれば、ワイド撮影もマクロ撮影も一歩先をゆく本格的な水中写真が楽しめるはず。
撮影の仕方は、マリンダイビングウェブの連載を読み返していただければ、撮影ジャンル別にカメラのセットアップやちょっとしたコツなどが紹介されているのでぜひ活用していただきたい。
清水淳先生のTG-6編は今回が最終回となりました。皆さま、撮影スキルはアップできましたか?
これからも水中写真が上手くなる撮影方法を企画していく予定です。清水淳先生にもご登場いただくかもしれません♪ お楽しみに!!
写真家/清水淳プロデュース
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☆12/24〜25はマクロ撮影を目的としたスペシャルクルーズになります!
「感動の一瞬はこうして生まれた……水中写真家 作品探訪」連載
清水 淳さんインタビュー記事も併せてご覧ください。
清水 淳(しみず じゅん)
PROFILE
1964年生まれ。
水中写真や海辺の風景を撮り続けている。執筆や撮影を行ないながら、沖縄・那覇にて水中写真教室マリーンプロダクトを主宰。
また、カメラメーカーの研究開発にも携わり、水中撮影モードや水中ホワイトバランスの開発アドバイザーも務める。1998年にデビューしたOLYMPUS C900Zoomから最新機種まで全てのOLYMPUS水中モデルのチューニングテストを行なっている。
カメラ機材に精通し、機材の特性を生かす能力が評価され、水中撮影アクセサリーメーカーのアドバイザーやテスト撮影の要望も多い。
執筆活動では、水中撮影機材の解説や撮影の仕方、楽しみ方の記事をPADI Japan/デジカメ上達クリニック、OMDS/水中デジタルカメラ・インプレッション、マリンダイビングWeb/水中デジカメ撮影教室、オーシャナ/カメラレビューを現在連載中。最近では、「清水淳のマンツーマン水中写真教室」が好評いただき熱意あふれるフォトグラファーたちと一緒に撮影をしている。
公益社団法人日本写真家協会会員。
▶清水淳オフィシャルサイト