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現地の海から2023.01.04
バットフィッシュに恋をして~ガラパゴス諸島探訪記~第5回 すごいぞガラパゴスアシカ
新年明けましておめでとうございます!ガラパゴスバットフィッシュ愛好家のバットフィッシャーアキコです。連載5回目は、ガラパゴスアシカについてお話しします。
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一冊の本がきっかけでガラパゴスバットフィッシュに恋をし、その魚に会いたいがために訪れたガラパゴス諸島。上陸してまず驚いたことはアシカがそのへんにゴロゴロ転がっていることでした。
ご存知の通りアシカは海の生き物。しかしそれが浜辺のみならず、道路や銀行の入り口、魚市場、植え込みなどでズデンと横たわりスヤスヤと寝ているのです。大人のアシカの体長はメスで約170㎝、オスだと200㎝ほどあるので、まるで人間が倒れているかのようなインパクトです。しかし島の人にはそれが日常風景なのか、誰も通報することなく素通りしていきます。
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野良アシカに見慣れない私は「とりあえず落ち着こう」と土産物屋でアイスを購入。座って食べられる場所はないかとウロウロしていると、幸運にも港にベンチを発見したので腰掛けます。ゆっくりアイスを食べながら目の前に広がるエメラルドブルーの海を眺めていると、スーッとすばやく泳ぎ時折ジャンプする一匹のアシカがいました。そうそう、アシカといえばこう。海でハツラツと泳いでいるものですよね……と思っていると、だんだんとアシカが泳ぎながらこちらに接近。間近でジャンプが見られるかもとわくわくしていると、次の瞬間アシカは上陸し、正面の柵をくぐって現れました。
「アアアアアーーーーー!!!」
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アシカはそう叫びながらこちらに走り寄ってきたのです。あまりの迫力に私は思わず立ち上がり、とっさに「ごめんなさい」と呟いてしまいました。するとアシカは満足気な顔をし、私が座っていたベンチに上って横たわりました。
どうも、このベンチがなわばりだったようです。ガラパゴスではベンチにも人間に優先権はないのだとこの時強く学んだのでした。
しかし、ガラパゴスの街中の「野良」生物はアシカだけではないのです。次回は、ガラパゴスを象徴するあの二大生物についてお話しします!
◎これまでの連載記事はこちら
≫第1回「プロローグ」
≫第2回「なぞカワイイ」
≫第3回「ガラパゴスの海はキビシイ?」
≫第4回「海の生物たち」
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【ガラパゴスバットフィッシュとは?】
南米エクアドルのガラパゴス諸島に生息するアンコウの一種。体長15~20㎝。魚なのに泳ぎが得意でなく、ヒレを前脚と後脚のようにして海底を歩く。口紅を塗ったかのような真っ赤な唇が特徴的。生態がほとんどわかっていない謎多き存在である。
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バットフィッシャーアキコ
ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。高校3年の夏に本で見たガラパゴスバットフィッシュに一目惚れし、大学の進路を決める。大学在学中にガラパゴス諸島に渡航し、卒業後現地のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。現在、日本人でおそらくもっとも多くのガラパゴスバットフィッシュを観察してきた者として、講演、寄稿、メディア出演等を行っている。2022年4月、初の著書『バットフィッシュ世界一のなぞカワくん』(さくら舎)を出版。
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