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現地の海から2025.06.13

漁網に絡まったザトウクジラを救出!
メキシコのモブラ&シャチサファリクルーズが遭遇

6月3日に始まったメキシコのラパス発「バレンティーナ」号のサファリクルーズで、その出来事は起こりました。

現地時間64日(日)、ラパスの北に浮かぶ、キャンプ地でも知られるエスピリトゥサント島の近くを「バレンティーナ」号が走っている時に1尾のザトウクジラが水面を泳いでいるのが見えました。ゲストたちと一緒に泳いでみようとスノーケリングで近づいていったところ、何やら様子が違います。よく見ると長くて重そうな漁網を引きずりながら泳いでいます。尾が漁網のロープが絡んでいるのです。しかもその先には漁網が絡んでロープに巻き付いているのですが、その中にサメまでいます。

「バレンティーナ」号のガイドたちはいったんゲストをボートに上げて、クジラの救出作戦を実行することにしました。

ザトウクジラは水面で待っているかのように胸ビレをパタンパタンと水面に打ち付けています。まるで「おいでおいで」と言っているかのよう。もしかしたら「助けて」と人間にサインを送っているのかもしれません。

ガイドたちは最初に漁網の重みを取り除くために全体の半分以上をナイフで切り取りました。そして、さらにクジラに近づいて行って、残りの漁網とロープを切り落としました。尾に絡んだロープを完全に外してあげることはできませんでしたが、ラクに泳げるようになったためか、そのクジラは深い海へと潜降していってしまったのです。

素晴らしい救出劇。「バレンティーナ」号の皆さん、お疲れ様でした!

ところで、今回の「バレンティーナ」号サファリクルーズは、アシカ、大物、魚群でダイバーに大人気のメキシコ、バハ・カリフォルニア半島南部のラパスを起点に通年開催されています。57月は近海で繁殖のために大集合する何千尾というモブラが見られ、それを追ってシャチがいくつものグループを成してやってくるということで、「バレンティーナ」号では「モブラ&シャチサファリクルーズ」を開催。船は、ラパスのダイビングショップ《ファンバハ》と日本からの世界中のベストなダイビングサイトへの旅行を手掛けている「クラブアズール」こと《サン・アンド・アドベンチャー》がオペレーションしているダイブクルーズ船。モブラの大群もダイバーならぜひ見たいところですね!

そういえば、ちょうど2年前、「クラブアズール」ではモルディブのダイブクルーズ「BLUE」号で太いロープが体中に絡まったジンベエザメを救出したことがありました。海の中ではいろいろな感動もありますが、人間が残した漁網やロープで素晴らしい自然が損なわれるのは許しがたいもの。でも「バレンティーナ」号や「BLUE」号の皆さんのように万が一、遭遇したら瀕死の状態の生物を助ける技量を持っていたいものですね。

写真・情報提供≫株式会社サン・アンド・アドベンチャー

 

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