DIVINGスタート&スキルアップBOOK 2015
水中カメラセッティング超入門
コンパクトデジタルカメラ(コンデジ)、ミニ一眼、一眼と、水中カメラは数あれど、水中にカメラを持ち込むにはほとんどの製品がハウジング(防水プロテクター)が必要。ここでは初めてカメラを買う人のための疑問にお答えします!
※メーカーによって呼称(ミラーレス一眼、マイクロ一眼、レンズ交換式カメラ、ノンレフレックスなど)が違いますが、本特集では「ミニ一眼」と統一させていただきます。
購入する前に知っておきたいこと
"一眼"って何?
一眼レフカメラとは、レンズから入った光を屈折させる役割をしている〝ミラー〟がついているカメラのこと(一眼レフの〝レフ〟とは、レフレックス、つまり 日本語で〝反射板〟のこと)。レンズから入ってきた風景がまずミラーに反射し、次にカメラの上部に内蔵されたペンタプリズム内で反射し、ファインダーとい われる覗き穴に結像させる仕組みになっている。一方、ミニ一眼とはそのミラーがないカメラのこと。レンズに入ってきた風景を電気信号にして液晶画面に映し 出す仕組みになっている。
一眼レフ、ミニ一眼、コンパクトデジカメの違いは?
現在、水中写真を楽しめる撮影機材は3種類。当然ながら、一眼レフが一番画質が良いといえる。だが、それはA4やA3など、大きくした場合に顕著に表れるのであって、画質を高いものに設定すれば通常のL版やパソコン上で見る分にはあまり変化がわからない。
一番の違いはやはり写真の仕上がりと操作性だろう。例えば、仕上がりでいうと背景のボケ具合、色の出具合など。操作性でいうと、オートフォーカスの速さなどだ。 以下、簡単に違いを示したので、ぜひご参考に。
なぜミニ一眼はいいとこどり?
仕組みはコンパクトデジカメと同じなのに、なぜ〝きれいに撮れる〟と言われているのだろうか。その理由は、CCD(映像素子)や画像処理エンジン・レンズなど、画質にかかわる部分にデジタル一眼レフと同レベルのものを使用しているから。
CCDとは、画像を記憶するもの。つまりフィルムと同じ役目をするものだ。「有効画素数」という言葉を聞いたことのある方は多いだろ うが、ただ画素数が大きければいいというものではない。このCCDが大きいほど、1画素あたりの受光量も余裕があり、写真の画質も上がる。写真の美しさは 画素数と撮影素子の大きさで決まる。
一眼レフ並みの「描写力」と、コンパクトデジカメの「コンパクトさ」を兼ねそろえた、まさにいいとこどりのカメラというわけ。
購入後~防水ハウジングに入れてみよう!~
用意するものはこちら!
カメラ本体
1.ミニ一眼本体
2.レンズ
3.ストロボ(オリンパスではフラッシュと呼んでいる)
4.ズームギア
5.反射防止リング
6.SDカード
7.バッテリー
8.充電器
ハウジング
9.防水プロテクター本体
10.ボディキャップ
11.ディフューザー(拡散板)
その他
12.エアブロア
13.シリカゲル
14.Oリンググリス
15.Oリングリムーバー
16.綿棒
カメラ本体のセッティングをしよう
ミニ一眼の特徴のひとつとして、レンズ交換ができるところにある。購入時、「ズームキット」「ダブルズームキット」などのセットで売られているので、初心者は自分に合ったレンズがセットになっているものを選ぶといい。
充電済みのバッテリーをデジカメに入れます。入れる向きに注意
バッテリーと同様に、記録メディアである、SDカードをセット。こちらも向きを間違えないように
ボディキャップを外し、撮像素子にホコリがつかないようにエアブロアで吹き飛ばす
ズームギアをセットし、レンズ前面に反射防止リングを取り付ける
レンズをボディに取り付ける。カチッと音がするまで回すこと
デジカメに同梱されているフラッシュを取り付ける。こちらもレンズと同じようにカチッというまで押し込むこと
電池室。ロックをしっかり忘れずに。
防水コンデジは、電池室などにゴムパッキンがあります。もし、デジカメ単体で水中に持ち込むときは、あらかじめココにもゴミなどが付着していないか確認しましょう。
防水プロテクターにカメラをセットしよう
いよいよ防水プロテクターに取り付ける。
※飛行機などで運ぶ場合、防水プロテクターを密閉してしまうと気圧の変化により開かなくなってしまう場合があるので、ふたはロックせずに開けておくこと。
付属のOリングリムーバーを使ってOリングを外す。先の尖ったものを用いると、Oリングを傷つけてしまい水没のおそれがあるので、使用しない
Oリングの入る溝を綿棒で掃除する。Oリングだけでなく、この溝にも砂やほこりが残っていないように掃除しよう
Oリングにグリスを塗布する。大量に塗る必要はなく、米粒程度で充分。薄く延ばすように全体に広げる
Oリングを元の溝に戻す。ねじれたり、ズレのないように注意
デジカメを防水プロテクターにセット。ズームギアなどの噛み合わせに注意してセットしよう
シリカゲルを防水プロテクター下部にしまう。結露を防ぐために大切なものなので、忘れないように
再度Oリングを指でなぞり、ゴミが付着していないか確認する。フタを閉じる前に、Oリングが当たる部分も指と目で確認しよう
フタを閉じる。シリカゲルやヒモなどを挟み込まないように。
完成!!
電源を入れ、ズームやフラッシュなどがきちんと作動するか確認しよう
実際に使用する際は、ディフューザーを取り付ける。これがあることで、フラッシュ光が拡散し、被写体に光がきれいに当たる
セッティングが終わったら必ず水没チェックを!
セッティングが終わってもまだ安心してはいけません。水没チェックをして、初めて完成となるのです!
カメラ桶にぽいっと入れるだけではなく、必ず少し圧がかかるくらい桶の底に沈めて、浸水がないかをチェックしましょう。