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現地の海から2024.12.25

パラオのダイビングスポットBEST 10
第8回 魚群を狙うサメ!「シアスコーナー」
~アクアマジックパラオの堀さん解説~

パラオは、海外の憧れのダイビングエリアの中でも超ダイナミックな最強の海。せっかく行くならベストなタイミングでベストなスポットを潜りたいということで、《アクアマジックパラオ》のチーフガイドでパラオ歴15年の堀義雄さんに「パラオのダイビングスポットベスト10」を毎回、教えていただきましょう! 第8回は有名ではないかもしれないけれどパラオらしいダイナミズムを味わえると評判の「シアスコーナー」。その魅力を堀さんがご紹介♪

パラオらしい超エキサイティングなスポット「シアスコーナー」

「シアスコーナー」は前回紹介した「グラスランド」と同様、「ブルーコーナー」「ブルーホール」「ジャーマンチャネル」の3大スポットに比べるとあまり有名ではないかもしれませんが、ダイナミックなドロップオフで魚群にサメが襲いかかるシーンが超エキサイティングな、パラオらしいスポットです。《アクアマジックパラオ》のチーフガイド、堀義雄さんも「『シアスコーナー』も外れなしのおもしろさ」を語ります。詳しくお聞きしてみましょう。

「シアスコーナー」と言えばグレイリーフシャーク

「シアスコーナー」は、パラオ最強のスポットといわれる「ブルーコーナー」があるゲメリスエリアから北に位置する、外洋に面したドロップオフスポットです。“コーナー”という名前のとおり、外洋に突き出したリーフが三角形に尖がっていて、魚たちにとっては海の中の曲がり角のようになっています。潮も時間帯によってどちらかから当たるので、潮当たりのいいダイビングスポットとなるわけです。
そんな「シアスコーナー」では、「シアスと言えばグレイリーフ」というぐらい、美しい流線形のボディが人気のグレイリーフシャーク(オグロメジロザメ)がほぼ100%見られます。潮当たりがいいので魚影も濃く、餌が豊富にあるのです。

メアジの大群も常駐

グレイリーフシャークと並んで「シアスコーナー」で必ずといっていいほど会えるのが、メアジの大群です。メアジは玉のように固まって群れをつくるので、見ごたえもたっぷり。棚の上のメアジ玉は海に浮かぶ大きな雲のようですよ♪

迫力満点のシャークチェイス

「シアスコーナー」名物、メアジの大群ですが、大好物なのは私たちダイバーよりも、周りにいるグレイリーフシャークでしょう。お腹が空くとメアジを追いかけて捕食しているようです。サメが追いかけるとメアジは一段と群れの密度を濃くしてぎっしりとした玉状になっていくのが見ものです。右往左往する時に太陽の光の加減で、銀鱗がキラッと輝く様子もなかなか見られない貴重な体験となります。メアジたちには気の毒ですが……。

こちらは棚の上で右往左往しているメアジたちです。

ブラックフィンバラクーダも狙えます

透明度が良く、青~い海がパラオの魅力のひとつだと思います。そんな中に現れるいぶし銀の長いボディを持つバラクーダの仲間もダイバーには大人気ですよね。特にパラオでは、最近タツカマスという和名も付いたブラックフィンバラクーダの群れが超人気です。体長1.5mぐらいある体高のわりと高いバラクーダで、尾びれが黒いのが特徴。これが数十~数百も群れていることがあって、向こうが見えなくなるぐらいの壁となったり、トルネードのように渦を巻いて泳いでいたりと、会えると気持ちもアゲアゲになります。そんなブラックフィンバラクーダの群れが、そう、ここ「シアスコーナー」に現れるのです。潮の時間帯によりますが、合えばぜひ見たい魚群なんですよ!

「シアスコーナー」では他にも日本ではあまり見られないハナダイの仲間(パラオでは多いけれど)やチョウチョウウオ、スズメダイ、ベラの仲間などが棚上で生息しています。壁にカスミチョウチョウウオも多数群れています。大物に目を奪われて、見る暇はないかもしれませんが、ぜひ上下左右360度の視界を楽しんでくださいね。
堀さん、ありがとうございました! 皆さんもぜひパラオへ行ったら「シアスコーナー」をリクエストしてみてくださいね♪

アクアマジックパラオ チーフガイド/ゼネラルマネージャー
堀 義雄さん

パラオ在住歴足掛け15年。福岡県出身のベテランダイビングインストラクター。「パラオは初心者でも潜れる」をモットーに安全で楽しくパラオの海を案内してきた、創業30年の《アクアマジックパラオ》ならではの経験と実績をDNAに組み込んだ、ガイドテクニックとアフターダイブを盛り上げる術を兼ね備えた頼れるお方。
初心者はもちろんのこと、ベテランやゲストのニーズに対して幅広く合わせたサービスを提供してくれます。
水中でのワイドで撮る魚群の撮り方では角度、構図などもしっかり丁寧に教えてくれます。群れとどう向き合うのか、どのポジションをキープしていたらいいのかなど、ご自身で写真を撮る方法と逆に人から撮られる際の写り方などまで、堀さん本人が経験して得た感性を惜しむことなく伝授してくれます。

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