地球の海フォトコンテスト2018
ビギナー部門　上位入賞作品

ビギナー部門　上位入賞作品

グランプリ（セイコーウオッチ賞を同時受賞）

光の中で
奈良直樹／東京都

ソニーα 6000　SELP1650　MDX-a600　自然光　f5　1/160 秒　メキシコ・ラパス　水深5㍍　FUNBAJA

私はいつも妻と水中の生物を撮っています。今回は野生のアシカちゃんがすむ場所へ。不安と緊張で、妻は終始ガイドと手を握ったまま。暗い奥のほうへ進むと恐怖は最高潮。そんなことも知らず、たくさんのアシカちゃんは無邪気に近寄ってきます。勇気を振り絞り、妻がガイドさんと一緒に手を差し出す一瞬を見逃しませんでした。差し込む光のなかで、様々なことが起こっていた瞬間でした。頑張って行って良かったです。ガイドさんは、強く握られていた手が痛かったと言っていました。これからも初心を忘れず、勇気の一歩を出して行こうと思います。このような素晴らしい賞を頂き、本当にありがとうございます。

審査員作品評

鍵井靖章
水中写真はどうしても生き物や景観が主流となってしまいますね。でも、ぼくは「ダイバーを入れ込んで美しい絵作りをすること」が、これから水中写真を楽しむにあたってポイントだと考えています。とはいえダイバーをそのまま入れるとリアル過ぎたりしますが、この作品はシルエット。ガイドさんとゲストなんでしょうね、まるで光とアシカに祝福を受けているようで、ファンタジーな世界を表現できているのではないかと思い選びました。偶然かもしれませんが、バックの青い光だけではなく、左右の光の質が違うところもポイントです。奥行きのあるいい作品だと思います。

準グランプリ

絶叫
土田陽介／群馬県

ニコンD800E　f5.6　1/60 秒　ISO200　自然光　長良川

昼過ぎの撮影でしたがオオサンショウウオは元気で、大小何尾も観察できました。以前にも大口を開けた個体を撮影したので、またチャンスがあるだろうと期待していたらドンピシャ！　透明度は3 ㍍ほどで浮遊物が多く流れもあるうえ、岩に照明がケラれないようライティングの位置を変えるなど苦労しましたが、一番注意したことは露出です。口を開けている時間は2 秒前後なので、ストロボではなくチャージ不要のライトを使って何枚か撮影できました。本当はもう2 段階くらい絞りたかったのですが、ベストを尽くしたつもりです。出会いは一期一会のこともあり、どんな被写体でも少しでも美しくかっこ良く、綺麗に撮ろうと試みているつもりです。今後はさらに躍動感を出し、よりドラマチックな絵にできるよう精進したいと思います。

審査員作品評

鍵井靖章
これはもう驚きの一言に尽きます。決定的瞬間を捉えましたよ。ぼくもオオサンショウウオを撮りに行ったことあるのですが、咬まれそうで怖くてダメだったんです。そんなぼくからすると、この作品は良い意味でトンデモナイ。何より大口を開けているときでも、ごま粒のような眼にピントがきているところが素晴らしい、アングルもいい。本当にビギナー？（（編）水中写真歴2年半なのでビギナーです）　勇気あるこの撮影者は、オオサンショウウオに愛されたんだと思います。