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現地の海から2023.05.29

バットフィッシュに恋をして・ガラパゴス諸島探訪記
第10回 どれが食べたい? ガラパゴス諸島グルメ

こんにちは、ガラパゴスバットフィッシュ愛好家のバットフィッシャーアキコです!日本から遠く離れたガラパゴスでは日々どんなものを食べているのか気になりませんか?今回はガラパゴスの食についてお話しいたします。

ある日のガラパゴスの夕ごはん

ある日のガラパゴスの夕ごはん

ガラパゴス諸島は南米のエクアドルに属しているので、食事は「エクアドル食」が主です。そのエクアドル食とはどんなものかというと、ものすごくざっくり言えば「主食は米で、バナナが添えられがち」。
エクアドル米は細長くパラパラとしています。水の他に塩や油なども加えて炊くのがエクアドル流です。大きな皿にライスを盛り、その隣にシチューのような煮込みだったり、肉や魚料理(バットフィッシュは食べませんよ)を並べたワンプレートディッシュが一般的です。
多くの場合、フライやグリルにされたバナナが添えられています。バナナと申しましても、私たちが知っているあの甘いバナナではありません。エクアドルには様々な種類のバナナがあり、最も頻繁に用いられるのはベルデと呼ばれる調理用バナナです。そのままではとても固いので、加熱調理が必要です。食感や味はジャガイモと里芋とサツマイモの融合といったところでしょうか。とにかくイモのようでおいしいのです。

セコ・デ・ポジョという鶏肉の煮込み料理。ライスの隣に揚げバナナが

セコ・デ・ポジョという鶏肉の煮込み料理。ライスの隣に揚げバナナが

そんなバナナが主役になる場合もあります。たとえば、朝食の定番料理「ボロン」。つぶした調理用バナナにチーズやカリカリに仕上げた角切りの豚肉を加え、野球ボールサイズに丸めた料理です。このまま食べてももちろんおいしいですが、現地の人たちは目玉焼きとビーフシチューを添えたタイプをよく注文しています。

ボロンの目玉焼きビーフシチュー添え

ボロンの目玉焼きビーフシチュー添え

そしてガラパゴス名物といえば……ランゴスタ(イセエビの一種)とランゴスティーノ(セミエビの一種)です!ともにガラパゴスの固有種で、9~12月頃がランゴスタ、3月~7月頃がランゴスティーノの漁期です。漁期の間はレストランで様々な調理法で提供されるので、是非食べてみてくださいね。私のおすすめはエンコカードです。ココナッツミルクで具材を煮込んだ「辛くないイエローカレー」的料理で、クリーミーでコクのあるルーと、新鮮なエビのプリプリ食感がたまりませんよ!

ランゴスタのエンコカード

ランゴスタのエンコカード

日本人の口にもよく合うエクアドル料理。ガラパゴスで様々なグルメを堪能するのも旅の楽しみのひとつにしてみてはいかがでしょうか。

次回は、ガラパゴスダイビングの魅力についてお話しいたします!

◎これまでの連載記事はこちら
≫第1回「プロローグ」
第2回「なぞカワイイ」
第3回「ガラパゴスの海はキビシイ?」
第4回「海の生物たち」
第5回「すごいぞガラパゴスアシカ」
第6回「ガラパゴスの二枚看板」
第7回「ガラパゴス諸島の誤解されがちポイント3選」
≫第8回「ガラパゴスの独自ルール」
≫第9回「ガラパゴスの生態系を陰で支える研究所」

 

 


【ガラパゴスバットフィッシュとは?】

南米エクアドルのガラパゴス諸島に生息するアンコウの一種。体長1520㎝。魚なのに泳ぎが得意でなく、ヒレを前脚と後脚のようにして海底を歩く。口紅を塗ったかのような真っ赤な唇が特徴的。生態がほとんどわかっていない謎多き存在である。


 

バットフィッシャーアキコ

ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。高校3年の夏に本で見たガラパゴスバットフィッシュに一目惚れし、大学の進路を決める。大学在学中にガラパゴス諸島に渡航し、卒業後現地のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。現在、日本人でおそらくもっとも多くのガラパゴスバットフィッシュを観察してきた者として、講演、寄稿、メディア出演等を行っている。2022年4月、初の著書『バットフィッシュ世界一のなぞカワくん』(さくら舎)を出版。

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