こんにちは、写真家の三浦エリカです。ダイバーなら一度は見てみたい神秘の光景といえば、サンゴの産卵ではないでしょうか？この時期の沖縄では例年、サンゴの産卵が観測されています。今回は石垣島北部にあるイエローサブマリンダイブスタジオの峰さんから情報をいただいたので、その様子をお伝えします。

毎年決まった旧暦の日の18時に出港し、ポイントに到着後、サンゴの様子をチェックしているという峰さん。今年は5月20日（月）夕方、日没を待たずに数種類のミドリイシサンゴが産卵するのを観測しました。ゲストが夢中で写真を撮影する中、ガイドは少し遅い時間帯に産卵する別の種類のサンゴを捜索。その結果この日は、2度の産卵に立ち合うことができました。ダイビングが終わる頃には、サンゴの卵によって水面が真っ赤になるほどの大産卵だったといいます。さらに翌日、翌々日と、ポイントや水深、狙うサンゴの種類を変えることで、3日続けて大規模なサンゴの産卵の観測に成功。チョウチョウウオの仲間や甲殻類たちも、1年ぶりのごちそうに喜んでいるようでした。

石垣島近海は、2022年に大規模なサンゴの白化現象に見舞われました。そんな中でも危機を乗り越えた力強いサンゴたちは、懸命に命を繋ごうとしています。峰さんは「エネルギーとパワーを感じることが出来ました。誕生したサンゴたちが無事に育つことを願い、今後も観察を続けて行きたいと思います」と語っていました。