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現地の海から2023.07.24
バットフィッシュに恋をして・ガラパゴス諸島探訪記第11回 島ステイでも叶う!ガラパゴスダイビング
こんにちは、ガラパゴスバットフィッシュ愛好家のバットフィッシャーアキコです!
ガラパゴスダイビングといえばクルーズのイメージがありませんか? 実はガラパゴスを訪れるダイバーの多くは、島滞在で「日帰りダイビングツアー」を利用しています。かくいう私もヘビーユーザー。ジンベイザメや広大なハンマーリバーで有名なダーウィン島とウォルフ島はクルーズでないと行けませんが、日帰りダイビングポイントも「さすがガラパゴス!」という魚影の濃さです。
今回は、私の体験をもとにガラパゴスの日帰りダイビングをお話しいたします。
壁のようにダイバーに立ちはだかるガラパゴスクロスジイサキの群れ
ガラパゴス諸島は南米エクアドルに位置する世界自然遺産第一号です。諸島のほとんどが無人島で、ダイビングショップは住民がいるサンタ・クルス島、イサベラ島、サン・クリストバル島の3島に合計約30店舗あります。ダイビングポイントは諸島全域で68ヶ所あり、日帰りダイビングツアーではそれぞれの島からボートで片道90分以内(近いポイントだと20分くらい)のポイントで潜ることができます。
エクアドル本土とガラパゴスを結ぶ国内線が発着する空港を持つのはサン・クリストバル島。もっとも人口が多くダイビングショップも多いサンタ・クルス島には空港はありませんが、フェリーで5分の距離のバルトラ島に空港があるため、アクセスは悪くありません。また、ダイビングショップのある3島はサンタ・クルス島を経由する形で毎日定期船が運行されているので、イサベラ島へは船で行くことができます。
ガラパゴス諸島の地図 ※著書『バットフィッシュ 世界一のなぞカワくん― ガラパゴスの秘魚』(さくら舎)より引用
ガラパゴス諸島の公用語はスペイン語ですが、世界中から観光客が訪れるため、ホテルやレストランなどでは基本的に英語が通じます。ダイビングも同様で、ツアー中のブリーフィングなどは基本的に英語で行われます。
船内でのブリーフィングのようす
日帰りダイビングで見逃せない有名ポイントはゴードンロックです! ハンマーリバー、マンタ、ウミガメ、マンボウといった大物が見られるポイントで、サンタ・クルス島の各ダイビングショップがツアーを実施しています。ボートで片道45分ほどなので、ダイビング前後は船内でのんびりうたた寝ができますよ。ちなみに、サンタ・クルス島の私のおすすめのダイビングショップは《Scuba Iguana》(記事執筆時点で日帰りツアー275ドル)、そして《Academy bay Diving》(記事執筆時点で日帰りツアー225ドル)です。
ツアーの予約方法は2つ。ダイビングショップ公式サイトの予約フォームから、もしくは現地に到着後店頭で直接予約を入れる方法です。以前は店頭で翌日のツアーの予約も容易でしたが、最近は「数日先まで空きがない」と言われるケースが多いようなので、事前に予約しておくのがおすすめです。
ガラパゴスの日帰りダイビングツアーは総じてドリフトダイビング×2本の内容です。多くの場合、当日の朝にショップに集合して港まで移動し、小型ボートに乗船。そして1本目を終えたら軽食が提供され、午後までかかるツアーの場合は2本目の後にランチが提供されます。そして下船後、港かショップで解散です。
ある日のスクーバイグアナでの軽食
ある日のスクーバイグアナでのランチ
日帰りダイビングツアーの場合、ほとんどのショップでツアー料金にダイコンを除く全ての器材、ウエットスーツ等の全てのレンタル代が含まれています。器材を持参した分料金が割引になることは基本的にありません。また、ガラパゴスの海は塩分濃度が高く浮力調整が難しいという理由からドライスーツの使用はガイドに断られるのでご注意を。ちなみに水温は年間通じて21~24℃くらいといったところです。
ガラパゴスの海はサメなどの大物だけが魅力ではありません。ウミウシやギンポといった小さな生き物、そしてホウボウやバットフィッシュといった「歩く系」にも是非ご注目を! それらに固有種が多いので、現地ガイドにリクエストすると喜んで探してくれることが多いです。
左上から時計回りにTambja Mullineri(ウミウシ/固有種)、ガラパゴストリプルフィンブレニー(固有種)、ガラパゴスバットフィッシュ(固有種の可能性あり)、ガラパゴスシーロビン(固有種)
次回は連載最終回、ガラパゴスにおけるバットフィッシュについてお話しいたします!
◎これまでの連載記事はこちら
≫第1回「プロローグ」
≫第2回「なぞカワイイ」
≫第3回「ガラパゴスの海はキビシイ?」
≫第4回「海の生物たち」
≫第5回「すごいぞガラパゴスアシカ」
≫第6回「ガラパゴスの二枚看板」
≫第7回「ガラパゴス諸島の誤解されがちポイント3選」
≫第8回「ガラパゴスの独自ルール」
≫第9回「ガラパゴスの生態系を陰で支える研究所」
≫第10回「どれが食べたい? ガラパゴス諸島グルメ」
【ガラパゴスバットフィッシュとは?】
南米エクアドルのガラパゴス諸島に生息するアンコウの一種。体長15~20㎝。魚なのに泳ぎが得意でなく、ヒレを前脚と後脚のようにして海底を歩く。口紅を塗ったかのような真っ赤な唇が特徴的。生態がほとんどわかっていない謎多き存在である。
バットフィッシャーアキコ
ガラパゴスバットフィッシュ愛好家、NPO法人日本ガラパゴスの会スタッフ。高校3年の夏に本で見たガラパゴスバットフィッシュに一目惚れし、大学の進路を決める。大学在学中にガラパゴス諸島に渡航し、卒業後現地のチャールズ・ダーウィン研究所のボランティアスタッフとして活動。現在、日本人でおそらくもっとも多くのガラパゴスバットフィッシュを観察してきた者として、講演、寄稿、メディア出演等を行っている。2022年4月、初の著書『バットフィッシュ世界一のなぞカワくん』(さくら舎)を出版。
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