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海のいきもの
第53回 海の中の桜見物

海のいきもの・第53回 海の中の桜見物

現在、日本列島を桜前線が西から徐々に北上中・・・・というわけで今回は、
ダイビングでよく見られる桜と名がつく海の生き物を紹介。海の中でお花見といきましょう。
ただし、アルコールは厳禁ですよ。●構成・文/山本真紀(2019年3月制作)

桜といえば、やっぱり例のあのハナダイ

サクラダイ

サクラダイ
春先に釣れるマダイのことを桜鯛と呼ぶけれど、こちらは標準和名サクラダイ。学名(Sacura margaritacea)にも「さくら」が入り、台湾など海外にも分布するが、ダイビングで普通に見られるのは世界広しとはいえ南日本だけ。まさにニッポンを代表するハナダイの仲間だ。成長すると12~15cmとなり、潮通しのいい岩礁に生息し、やや深場がお好み。雌雄で模様が異なり、オスは緋色に白い紋が散っている。なお、こちらの記事も合わせて参照ください。撮影/東伊豆・熱海

まだまだダンゴウオはオンシーズン

サクラダンゴウオ
サクラダンゴウオ

サクラダンゴウオ
真冬から春先がウオッチングシーズンのダンゴウオ。キュートな姿で人気者。以前は日本沿岸で見られるものは同じ種類と思われていたが、実は2種類が混ざっていたそうで、2017年にサクラダンゴウオという新しい種が記載された。『日本魚類館』という図鑑によると、ふだんは水深100m前後に生息しているが、2~4月の産卵期に浅い沿岸で見られ、桜の開花時期に重なることから名付けられたという。
●ダンゴウオとの見分け方/形態上の違いは、正直われわれ素人にはさっぱりわからない。ただ、ダンゴウオは千葉県~三重県の太平洋岸に分布、サクラダンゴウオは秋田県~兵庫県の日本海沿岸、朝鮮半島南東岸、済州島に分布していることが確認されているそうだ。撮影/2点とも福井県・南越前

その他いろいろ桜と名を持つ生き物たち

食で有名なのはサクラマス(桜の開花と川を遡上する時期が重なるため)やサクラエビ(桜の花のような色だから)、またはクリガニのことを「桜蟹」と呼ぶことがある(主産地の青森では桜の開花時期と漁期が重なるため)。ピンク色で、小さくも美しい貝殻が知られるサクラガイ(砂浜を探すと見つかる)も一般によく知られている。
そのほかサクライレズミハゼ、サクラエビスという魚もいる。ダイビングで見る可能性があるものは、サクラテンジクダイやサクラニセツノヒラムシかな。

サクラコシオリエビ

サクラコシオリエビ
ミズガメカイメンやワタトリカイメンなどに暮らしているコシオリエビの仲間。東南アジアで普通に見られるほか、沖縄や八丈島など南日本にも分布。大きさは1~2cmで、ピンクスクワットロブスターとも呼ばれている。撮影/パプアニューギニア

サクラミノウミウシ

サクラミノウミウシ
センナリウミヒドラなどヒドロ虫類の枝上で見られ、大きさ2~4cmのミノウミウシの仲間。うっすらピンクを帯びた白が桜の花びらの色のよう。同じような環境で見られるガーベラミノウミウシとちょっと似ており、卵塊も白いコイル状。撮影/東伊豆・川奈

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