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海のいきもの
第55回 アシカとアザラシ

海のいきもの 第55回 アシカとアザラシ

最近は夏のドルフィンスイムに冬のホエールウオッチングと、相変わらずイルカ・クジラが大人気。
でも海に暮らす哺乳類なら、アシカ&アザラシも忘れちゃいかん。 アザラシはともかく、アシカはラパスなどで一緒に泳げるしね。
あれ、でもコイツらってどこが違うんだっけ? ●構成・文/山本真紀(2019年5月制作)

カンタンな見分け方ポイント3

アシカ&アザラシは「食肉目(ネコ目)」というグループに属している。食肉目はイヌやネコ、イタチやタヌキ、クマなどを含む大きなグループ。アシカ&アザラシは食肉目の中でも特に鰭脚(ききゃく/ひれあし)類と呼ばれ、その名の通り大きな特徴は四肢がヒレ状になっていること。
そんなわけで、アシカ科とアザラシ科は近い親戚。似ていて当たり前だが、次の3ポイントで簡単に区別OK。

アシカ
アザラシ

❶後脚:アシカの後脚は関節できちんと折り曲げて、前に向けることができる。そのため陸での移動も素早い。アザラシは後ろに伸びたままで前に曲げられない。
❷前脚:アシカの前脚は大きく、陸上では自分の体重を支えるほどに頑丈。前に曲げられる後脚も同時に利用し、陸上を「走る」こともできる。アザラシの前脚は非常に小さく、陸を移動する際は這うしかない。
❸耳:アシカには小さな耳介(耳たぶ)があるが、アザラシの場合は耳介がない。
●泳ぎ方:アシカは大きな前脚を使って、水中を羽ばたくように泳ぐ。アザラシは体全体と後脚を使って泳ぎ、アシカより海中移動能力は高い。

水族館ではアシカに軍配!

水族館ではアシカに軍配!
前項からわかるように、アシカとアザラシの違いは海中生活への適応度の違いだ。アザラシは海中生活によく適応し、陸上での活動は苦手。アシカのほうが陸上での運動能力が高く、ボール遊びをしたり輪投げの的になったり、写真のように逆立ちしたり、人間と追いかけっこをしたりと、とっても芸達者。水族館での海獣ショーでは、残念ながらアザラシの出番はほとんどない。●撮影/八景島シーパラダイス

アザラシも子育ては陸上

アザラシも子育ては陸上

海中生活に適応しているアザラシだけれど、赤ん坊が溺れてしまうので、出産・子育てはさすがに陸上だ。
写真はタテゴトアザラシ(ハープシール)の母子。赤ん坊は真っ白な毛皮に包まれ、とってもかわいらしい。白い体は目立ってしまいそうだが、タテゴトアザラシは雪や流氷の上で子育てをするためコレが保護色となっている。なお、この白毛は1カ月もすると抜けてしまう。
●撮影/カナダ・マドレーヌ島

これはアシカ?それともアザラシ?

セイウチの仲間
ミナミゾウアザラシ

なんとも貫禄ある、でっぷりとしたお姿。あんたら誰よ?
Ⓐアシカでもアザラシでもない第3の鰭脚類、セイウチの仲間。アシカ科もアザラシ科も世界に10種以上いるが、セイウチ科は1種のみ。上顎から伸びる1対の巨大な牙が有名だが、水族館などで飼育されている場合、虫歯などで抜けてしまうことも多いとか。「じゃあ、どこでアシカと見分けるの?」かといえば、ポイントは密生した口ヒゲ。これはセイウチ独特の特徴で、アシカやアザラシの口のひげはもっとまばら。●撮影/八景島シーパラダイス
Ⓑアシカ&アザラシの仲間の中で最大種、ミナミゾウアザラシ。オスは体長6m以上、体重4tに達するという。写真は水族館で人気者だったオスのミナミゾウアザラシ「みなぞう」君。残念なら2005年に肺気腫のため死んでしまったが、20年ものあいだ愛されてきた人気者だ。●撮影/新江ノ島水族館

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