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海のいきもの
第57回 季節来遊魚のシーズン~Part1

海のいきもの 第57回 季節来遊魚のシーズン~Part1

そろそろ梅雨明け。ご近所の海では、黒潮に乗ってやってくる季節来遊魚シーズンが到来。 そこで今月は、季節来遊魚のレギュラーゲストを紹介します。●構成・文/山本真紀(2019年7月制作)

容姿端麗、人気の季節来遊トリオ

季節来遊魚とは、サンゴ礁で暮らす魚たちの卵や稚魚が、浮遊時期に黒潮に乗って伊豆半島や紀伊半島までやってきたものなので、ほとんどが幼魚。体は小さいけれど、色鮮やかなものが多い。

ミナミハコフグ(幼魚)

ミナミハコフグ(幼魚)
体中に瞳と同じくらいの黒点が散らばり、まるで妖怪百目小僧。目の位置を曖昧にすることで、敵の「目をくらます」効果があるという。浅い岩礁で、岩の奥や亀裂に潜んでいる。あまり移動しないので、一度発見すれば何度でも会える。大きさ1~4cmほど。また、よく似たソックリさんにハコフグの幼魚がいる。黒点に混ざって青白い点があることで見分けられるが、けっこう紛らわしい。●撮影/東伊豆・富戸

モンガラカワハギ(幼魚)

モンガラカワハギ(幼魚)
小さいほど水玉模様のエリアが広く、色も鮮やか。やや深い岩礁の、岩の奥や亀裂に潜んでいる。大きさ2~6cmほど。●撮影/東伊豆・初島

ツユベラ(幼魚)

ツユベラ(幼魚)
奇抜な模様で、海底近くをクネクネと泳ぎまわる。砂溜まりがある岩礁や砂地近くの岩場でよく見られる。大きさ1~6cmほど。●撮影/西伊豆・安良里

そっくり幼魚の見分け方

季節来遊魚としてよく姿を見せるキンチャクダイの仲間は、下記の2種類。特にタテジマキンチャクダイは毎年のように見られる定番ゲスト。両種ともに、幼魚は岩礁の亀裂や岩の奥などに潜んでいる。

タテジマキンチャクダイ(幼魚)

タテジマキンチャクダイ(幼魚)
大きさ1~6cmくらいまでは、写真のような渦巻き模様。徐々に縦縞(頭→尾)が出てきて、成魚になると名前の通りの「タテジマ」キンチャクダイとなる。サザナミヤッコとの違いは、体後半に楕円があることと、鼻筋を通る白線がないこと。●撮影/東伊豆・熱海

サザナミヤッコ(幼魚)

サザナミヤッコ(幼魚)
幼魚のときは体側に美しい半円状の模様があり、成長につれて本数が増えていくところが面白い(写真は2cmほどの幼魚)。成魚になるとウロコ模様。タテジマキンチャクダイとの違いは「楕円」がないこと、鼻筋を通る白線があること。●撮影/東伊豆・富戸

カイメンの近くを探せ!

イロカエルアンコウ(幼魚)
イロカエルアンコウ(幼魚)

イロカエルアンコウ(幼魚)
季節来遊魚としてよく姿を見せるカエルアンコウの仲間で、白や黄色、赤や薄いパープルなどカラーバリエーションが豊富。よく似た色のカイメンにぴったり寄り添うように潜んでいることが多い。幼魚は指先サイズ、成長すると12~15cmほどになる。●撮影/2点とも東伊豆・富戸

よく考えるとチト不思議?

ムレハタタテダイ(若魚)

ムレハタタテダイ(若魚)
毎年のように見られるチョウチョウウオの仲間。ときに大きな群れになることもある。ただ不思議なことに、よく似た姿のハタタテダイという種類は群れないらしい。なんで? ●撮影/東伊豆・川奈

ミツボシクロスズメダイ(幼魚)

ミツボシクロスズメダイ(幼魚)
両体側に蛍光ブルーを帯びた白い星が合計3つあることから和名がついた。この時期はイソギンチャクの周辺で暮らし、ときに触手の中にも潜り込む。まるでクマノミの仲間みたい。●撮影/伊豆半島

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