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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第28回 スノーケリングのお作法
初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!
第28回 スノーケリングのお作法
もうすぐ本格的な夏がスタート! マリンスポーツが盛んに行なわれる季節になって、この夏、海へ行く方も多いだろう。きれいな海でダイビングを楽しむのはもちろん、スノーケリングも多くの人が楽しめる人気のマリンレジャーだ。スノーケリングは水面に浮かびながら水中世界を楽しめるので、体力がない方、泳ぎが得意でない方でも、子供から大人まで自分のペースで楽しむことができるマリンレジャー。つまり“誰でも”できるレジャーであるが、悲しいことに毎年夏に事故が後を絶たない。そんな事故を起こさないように、スノーケリングにもルールや必要なスキルがあって、インストラクターの監督の下、行なわれるコースがあるのをご存じだろうか? 安全に楽しむためにも、正しい遊び方を身に付けて、夏の海を楽しもう。
※スノーケリングは「シュノーケリング」と表記することがあります。
スノーケリングに必要な器材
スノーケル
水面に顔を浸けたまま呼吸ができ、水中を眺めながら泳ぐことができる。水泳のような息継ぎは不要なので、体力の消費が少ない。
マスク
水中での視界を確保するもの。ゴーグルと違い、視界は広く、鼻までマスクが覆うので鼻に水が入らない。
フィン
スノーケリングでは水泳のように手を使って泳ぐことはなく、フィンを装着して足だけで泳ぐ。足ヒレとも呼ばれ、楽に速く泳ぐことができる。
浮力体
これはもちろん溺れ防止のため。人間の体は水より比重が重く、何も身に着けないままだと沈んでしまう。もし波に飲み込まれてしまった時、泳ぎ疲れて溺れそうになった時、命綱となってくれるのはライフジャケットやウエットスーツだ。身に着けていれば、水面に浮かぶときに立ち泳ぎをしなくていいので体力を浪費しない。
ブーツ
ビーチから海へ入る時、足場の悪い岩場であることが多い。裸足では怪我の元になるので、ブーツ(マリンブーツ)またはマリンシューズは必需品。フィンもブーツを履いた時に合ったサイズを選ぼう。ボートからのエントリーであってもブーツは装着。もし岩場などに上がらなければならないときに足を守ってくれる。
スノーケリングに必要なスキル
スノーケルクリア
水面に顔を浸けたまま呼吸ができるようになるが、波を被ったときや泳ぐ体勢によっては水が入ってしまうことがある。水が入ると、息を吸うのと同時に水を吸い込んでしまうかもしれない。その時に必要なスキルがスノーケルクリア。スノーケルの中に入った水を、自分の息で強く短く吹くことによって水を外に出すのだ。
フィンキック
フィンを装着してバタ足よりしなやかにゆっくりと足を動かせば、推進力を得られる。膝を曲げずに足を伸ばして、足の付け根(太もも)を動かして大きく蹴ることが楽に前へ進むコツ。自転車こぎのように膝が曲がらないように注意。
足つり治し
足つりは陸上でも何かしら運動をしている時によくあること。スノーケリングでも同じく、フィンキックをすることで足の筋肉に負荷がかかり、つることがある。もし足をつってしまったら、
①フィンの先端を掴んで
②膝を伸ばし、筋肉を伸展させるように、フィン引っ張って足つりを治そう。
自分で治すのが大変だったら、バディに足を伸ばしてもらおう。
守るべきルール
1. 自然環境を守ることを心掛ける
自然の中で楽しむレジャーの共通のルールであり、一番大切なルール。海にはたくさんの生物がすんでいるので、海で遊ばせてもらっているという気持ちを持つこと。ゴミは海に捨てずに必ず持ち帰る、海の中の生物やサンゴに触らないなどのマナーを守ろう。
2.必ずバディを組んで行動すること
スノーケリングは自然が相手のレジャー。いつ何時、何が起こるかわからないので、1人で遊ぶのは危険。必ずバディ(ペア)を組んで、何かあったときでも、助け合えたり、助けを呼べる人と一緒に行動しよう。くれぐれも誰もいないところで遊ばないように。
3.海況を見極めること
スノーケリングを始める前に遊べる海況かどうかをチェックしよう。波が高かったり、うねりがひどい時には危険であると判断し、中止することも必要。海水浴場やダイビングスポットはライフセーバーや管理者がオープンorクローズを判断するので、その指示に従おう。ただし、大人には大丈夫な海況でも、子供や体力のない人には危険なこともあるので、泳ぐ人に合わせて冷静に見極めよう。
4.遊泳区域を守る
海水浴場と同じように遊泳区域を設置している海が多い。通常はブイとロープが浮かんでいてその内側が遊泳区域となる。遊泳区域の外は潮の流れが速かったり、漁場であることが多いので、絶対に遊泳区域外でのスノーケリングはやめよう。
スキンダイビングとの違い
スノーケリングは潜らない!?
水中できれいな魚が群れていて、「もっと近寄りたい」と思って素潜りしたことはないだろうか? 実は素潜りはスノーケリングではNG! 水中へ潜るのはスキンダイビングの領域なのだ。水深1mでも海の中へ潜ったら、水圧が変化し呼吸もできない環境になるので、水面に浮かんで呼吸ができる状態のスノーケリングとは注意点やリスクが全く異なる。正しい素潜りの方法を知らないまま潜るのは事故の元。スキンダイビングをする場合はインストラクターから講習を受けて、ルールやスキルを身に付けてから遊ぶようにしよう。指導団体にはスキンダイビングコースを受講できるところが多いので、ルールやスキルはそこで学ぶのも手だ。
スノーケリング | スキンダイビング | |
必要な器材 | マスク、スノーケル、フィン、浮力体(ライフジャケットやウエットスーツ)、ブーツ | スノーケリングの器材+ブイ(ここで潜っている。と目印になるもの)、ウエイト |
楽しみ方 | 水面から海中をウオッチング | 水中へ自力で潜って海中を楽しむ |
スキル | スノーケルクリア、フィンキック、足つり治し |
スノーケリングのスキル+潜降、浮上、耳ぬき、呼吸方法など |
スキンダイビングなら魚がもっと近くなる!
スキンダイビングができるようなれば、ジンベエザメやイルカと一緒に泳ぐことができたり、スノーケリングよりももっと生物に近づくことができるようになる。憧れの生物を目の前にすると、想像以上の感動がこみ上げてくること間違いなし! また、自分の力で水中に潜るわけだから、水中ならではのふわふわした感覚や、水面を見上げた時の青さや光を感じるのはスキンダイビングだからこそできる経験。水中世界を体験する第一歩として挑戦してみては?
次回更新予定日 2016年7月13日