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基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第15回 ビーチエントリー
ダイビングのエントリー方法には大きく分けて2つの方法がある。
皆さんご存じの、ビーチエントリーとボートエントリー。
どこに行っても困らないようにマスターしておくべきスキルだが、苦手意識を持っている人も多いのでは?
まずはビーチエントリーからマスターしよう。
ビーチエントリーと一口にいっても
スポットによってタイプはいろいろ
ビーチエントリーといえば、ビーチからエントリーするからそう名づけられたもの。でも、実際は浜は浜でも岩場の上からだったり、桟橋からだったりすることもある。特に岩場の上や桟橋からは普通のビーチエントリーと違って、ジャイアントストライドエントリーというスタイルをとっている地域も少なくない。
実際に行ってみて「ええっ!?」と驚くことのないよう、さまざまなビーチエントリースタイルをマスターしておきたい。
伊豆海洋公園のビーチスポット。「ENTRY」口と「EXIT」口が分かれていて、一方通行になっている
週末は訪れるダイバー数が圧倒的に多い東伊豆・富戸の「ヨコバマ」。スロープに手すりが付いていて、初心者でも安心
宮崎県北部の延岡の「天神」では、海岸の堤防にENポイントがあって、ジャイアントストライドでエントリーする
スロープでのビーチエントリー
フィンを履いて歩くのはかなり不自由なので、できるだけ海岸近くまで行ってからフィンを履くようにしよう
最近のビーチスポットはよく整備されているところが多く、波打ち際までスロープや手すりが備え付けられ、安全にラクにエントリーできるようになっているところが多い。ビーチスポットの多い伊豆半島では大半のところでスロープや手すりを設けている。
スロープからエントリーする場合は、BCを背負ってできるだけ波打ち際の近くまで行き、波がかからない程度のところでストップ。ここでマスクを着け、フィンを履く。マスクはもっと手前、BCを着たすぐ後に着けておいてもいいだろう。逆にフィンはあまり早く履いてしまうと、歩きにくくなるので、波打ち際ギリギリのところがいい。ただ、波がかかるところだと逆に履きづらくなってしまうし、波をかぶって危なくなるのでご注意を。
フィンを履き終わったら、カニのように横歩き、またはちょっと後ろ向きになって、歩きやすい方法で水の中へ。腰の高さぐらいまでの水深になったら、浮力を確保して集合場所まで水面移動をしていけばいい。たまに、水面移動は不要、すぐに潜降するスポットもあるので、ガイドの指示をよく聞こう。セルフダイビングの場合は、バディと事前にしっかり打ち合わせて潜降すること。
片方で手すりやロープなどをつかみ、体を安定させながら、もう片方の手でフィンを履く
西伊豆の平沢は、スロープの先がこんなふうになっている部分もあるので、直前でフィンを履くと便利
天然の砂地スロープでは
海に入ってから
膝から腰ぐらいの深さがある所まで歩いて行ってフィンを装着する
西伊豆・大瀬崎の「湾内」のように天然の砂浜が海の中まで続いている場合は、フィンを履かないままジャボジャボ歩いていき、膝から腰ぐらいの高さの水深でまずマスクを装着。これは万が一転んでも視界を確保するためだ。
次にレギュレーターかスノーケルをくわえてから(万が一転んでも呼吸を確保するため)フィンを片方ずつ履く。立ったまま、かかとがもう一方の足の腿にくるような姿勢をとり、フィンを履くといい。
バランスが取れずなかなか履けない場合は、バディの肩などを片方の手でつかんで、体を安定させてフィンを履くようにしよう。
実は筆者は体が硬いせいか、水中でフィンを履いたり脱いだりするのが非常に苦手。砂地のスロープなら波打ち際でフィンを履いても問題はないので(履いた後は後ろ向きに歩く必要はあるけれど)、海に入る前に履いてしまうのもあり。
ゴロタ石など足場の悪い海岸での
エントリー
足場が悪くても最近は手すりなどが設置されているところも多いので、負担はかなり少なくなっている
大瀬崎の外海のスポットはゴロタ石で昔は本当にエントリー&エグジットが大変だったが、今ではスロープや手すりができ、すっかり見違えたスポットになっている。ほかのところでも、ゴロタ石自体は大変だけれど、手すりがあるおかげでフィンの着脱は非常にしやすくなっているから、そんなに怖がる必要はないだろう。
ここでも基本的には足場が安定し、水深が膝から腰ぐらいの高さのあるところまでジャボジャボ入って行き、フィンを装着。場所によっては大きな岩を腰かけにして、フィンを履けちゃうところもある。
フィンを履き終ったら、水中をよく観察して岩などに引っかからないよう、進もう。ガイドさんがいる場合は、ガイドと同じコースをとるとラクチンだ。
足場が悪くて、波もあるときは
波は常に強いわけではない。弱い波が何回か続いた後に強い波が来る。タイミングをはかって行動を
穏やかなスロープでも、波があるとエントリーには勇気が必要になってくるもの。ましてやゴロタがゴロゴロ、足場の悪い海底で波があるとなると、かなりストレスを感じるはずだ。
でも、波にはリズムがあって、いつも強い波が来るわけではない。そうした波のリズムをしっかりと読みながら、例えば強い波が来て、その引き波が去ったら、しばらくは弱い波が続くので、前進するとか、フィンを履いてしまうとか。タイミングが大事なのだ。
なお、こういうときはバディ同士でしっかり支え合ったり、助け合ったりすることも大切だが、波に巻かれても慌てないように、必ずマスクを着け、レギュレーターをくわえておこう。
また、カメラを持って入る方は、手がフリーになるように、カメラにカラビナなどを着けておいて、BCに引っかけておけるようにしよう。
岩場や桟橋からはジャイアント
コンパクトカメラならこのように持ち上げて、着水時に衝撃が和らぐようにするといい
個人的にはこれが一番好きなビーチダイビングスタイルなのだが、ある程度水深がある場所でこそできることなので、ご注意を。
東京近郊では伊豆大島の「秋の浜」が有名だが、モルディブのいくつかのリゾートや西オーストラリアのエクスマウスのジェッティダイブなどでよくあるタイプ。ボートでやるジャイアントストライドエントリーと同じで、器材を全部装着してエントリー口まで歩き、片足を一歩踏み出すだけ。エントリー前に水面に障害物はないか、しっかり確認し、エントリー後はほかの人の邪魔にならないように、素早くその場から沖に出ることがポイントだ。
バックナンバー
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- 第41回 ダイビング器材のお勉強 その1
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- 第5回 潜降の方法
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