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基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第8回 セーフティフロートを上げる
ドリフトダイビングの時に限らず、ダイバーならいつでも携行しておいたほうがいいグッズの一つにセーフティフロートがある。シグナルフロートなどとも呼ばれるエマージェンシーグッズだ。あなたはちゃんと上げられる?
使ったことがない人多数!?
万が一流されたとき、バディと迷子になったときにダイバーなら絶対持っていたいエマージェンシーグッズといえば「セーフティフロート」。
でも、携行するのが当たり前といわれているから、持ってはいるけれど、「実際に使ったことがない」とか「使えない」というダイバーも多いのではないだろうか?
そんなダイバーがいざ、使わなければならないとなると、いろいろな失敗が起こる。
失敗その1: 空気が入らない
撮影協力/株式会社ゼロ、スキルアップスタジオTHE 101
撮影/小川保
セーフティフロートを使ったことがない人が、実際に使おうとすると、
・丸めたまま空気を入れようとするからなかなか入らない。
・オクトパスのエアが出る部分を上に向けてフロートに空気を入れないと、空気は漏れるだけ。
という事態に陥る。
失敗その2: セーフティフロートだけしかないのに、水中で上げようとする
安全停止をするときにガイドさんがカッコよくセーフティフロートを上げるのは何度も見ていることだろう。
だから、自分も絶対できる!
と過信しているダイバーはいないかな?
でも、実際、持っているセーフティフロートを水中で上げると……
急浮上!
助かりたいために使っているセーフティフロートが、ダイバーを殺してしまいかねない凶器になる。
ガイドさんが水中からセーフティフロートを上げられるのは、 それ自体を水面から出せるだけの長さがあるロープ(ライン)をフロートに接続させていて、 なおかつウエイト(おもり)をラインの先につなげてあるから。
こういうセットを持っていない場合は、セーフティフロートを上げるのは、水面で上げること! 絶対厳守!!
用意するモノ
セーフティフロートを使うには何よりもまずセーフティフロートがなければ始まらない。
でも、一口に言ってもいろいろなタイプがある。購入時にどのタイプが使いやすいか、考えて買うようにしよう。
セーフティフロート。この商品は下部(給気口の方)にウエイト板が付いていて、水面で上げたときにまっすぐ立てやすいのが魅力。レギュレーターのオクトパスから給気ができるタイプ
●商品名/DIVER BELOW
●商品取り扱い・写真提供/株式会社ゼロ
空気漏れが最小限にできるフロートだが、レギュレーターのオクトパスからの給気はできない。同時に携行するカートリッジ式のエアを使うか、エアーガン(下の写真)を中圧ホースに取り付けておいて、それを利用して給気する。
●DIVER BELOW(給排気バルブ付き)
●商品取り扱い・写真提供/株式会社ゼロ
緊急用レーダー反射装置が付いているフロート。本当に漂流というときに反射板が飛行機やヘリコプター、ボートなどのレーダーにキャッチされる可能性が高い。フロート内にオクトパスを入れて給気するタイプだが、使用回数は一度のみ。
●レーダーシグナルフロート KRF-10
(興亜化工株式会社製)
セーフティフロートを上げる
セーフティフロートを上げる手順は『マリンダイビング』2019年3月号で詳しく紹介しているが、 水中から上げる場合の上げ方を動画で見てみよう!
※リール付きのロープを使用している上、「DIVER BELOW」の商品にはウエイトが付いていたため、今回はウエイトの使用はしていません。
撮影協力/株式会社ゼロ、スキルアップスタジオTHE 101
撮影/小川保
練習しておくことが大事
いかがでしたか? イメージトレーニングになったでしょうか?
でも、セーフティフロートは実際に自分で上げてみないと、その感覚はわからないかもしれない。
万が一のときに使えずにパニックにならないように、引率のガイドさんやインストラクターにお願いして、使ってみるといい。
また、ダイビングショップによっては、セーフティフロートを含め、エマージェンシーグッズの使い方のスペシャルティコースを設けているところもあるので、そちらを受けてみるのもいい。
自分の命は自分で守る。そのためにも、何が起きても困らないように準備をしておこう!
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