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基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第14回 浮上速度こそ重要

基礎からわかる!ダイビングスタート&スキルアップ術

浮上はゆっくりと、毎分9mとか18mでなどといわれるが、なぜゆっくりじゃなければいけないのか?
ここには安全ダイビングのための重要なカギが隠されている!

浮上をゆっくりとしなければいけないワケ

ダイバーなら知っていて当然のことなのだけれど、もう一度、おさらい。

ダイビングが終わって浮上をする際に、速いスピードで浮上をしてしまうと、肺の中の空気が膨張し、破裂する危険がある。
また、ダイビング中に体内にたまった窒素が気泡となって組織を圧迫したり壊したりする危険もある。

よって浮上はゆっくりと行なわなければならないのだ。
また、浮上の際は呼吸を絶対に止めてはいけない。

船が見えたからといって慌てて浮上してはダメ。水面へは肺の中の空気が膨張し過ぎないようにゆっくりと浮上していく必要がある。これは重要スキルの一つなのだ

船が見えたからといって慌てて浮上してはダメ。水面へは肺の中の空気が膨張し過ぎないようにゆっくりと浮上していく必要がある。これは重要スキルの一つなのだ

浮上する際にしなくてはならないこと

浮上の合図が出たら、まずはBCの空気を抜いて。
抜いたつもりでも、抜け切れていなくて、浅いところにいくと急に浮いてしまうことがよくあるので、インフレーターからの排気だけではなく、何カ所かある排気プルボタンを引っ張って、とにかく余分な空気がたまっていないかどうかを確認すること。

ただし、この時点で沈みがちな場合は、少し空気を入れておいて、水深が浅くなっていくにつれて排気していくという微調整をすることに。
結構高度なテクニックなので、くれぐれも適正ウエイトを着けておくことが必要だ。

浮上の合図があったら、BCから空気を抜く。このとき右のお尻辺りに付いている排気プルボタンも引っ張っておくと、BCのバックにたまっていた空気が抜けやすい

浮上の合図があったら、BCから空気を抜く。このとき右のお尻辺りに付いている排気プルボタンも引っ張っておくと、BCのバックにたまっていた空気が抜けやすい

BC操作をおさらい

浮上中は息を吐きながら、が原則

BCの空気が抜けたら、いよいよ浮上。
浮上する際は最初にも書いたが、息を吐きながら、が原則。
でも、水深20mとか10mから息を吐きながら、といっても絶対に途中で息を吸いたくなるはず。
そんなときは、躊躇なく吸っていい。
ただ、浮上しながら息を吸ってもいいのだが、あまり浅いところにいる場合はすぐに浮いてしまうので、息を吸うときはいったん止まるくせをつけておいたほうがいいだろう。

息を吐きながらというのも大事なことだが、一緒に潜っているバディはもちろん、グループの人たちとできるだけ離れないように

息を吐きながらというのも大事なことだが、一緒に潜っているバディはもちろん、グループの人たちとできるだけ離れないように

ダイビング中は呼吸が重要

毎分18m、毎分9mの速度の目安

一般的に、浮上速度は毎分18mが目安といわれているが、体内にたまった窒素に影響を及ぼさないためには、毎分9mがいいという説もある。最近は毎分9mの浮上速度のほうがより安全といわれ、それを実行するようにしているふしがある。
でも、毎分9mなどといわれても、自分が本当にその速度で上がれているかどうかはわからないものだ。

例えば毎分9mを毎秒に換えると、60秒で900cmということだから・・・1秒につき15cm上がればいいということになる。15cmといえば、てのひらを広げたぐらいの長さ。ほんのひとかきしただけで、すぐそれぐらい浮上してしまう。(毎分18mはその倍なので、1秒につき30cmだ)。

吐いた泡は浮上速度の見本になるので、よく見て浮上するといい

吐いた泡は浮上速度の見本になるので、よく見て浮上するといい

最もいい目安といわれるのは、泡の速度に合わせること。といってもバディが吐いた泡を見てもわかるように、泡には大小がある。大きな泡に合わせてしまうと速すぎるので、直径1cmに満たないぐらいの小さな泡が上がっていく速度を例にするのがよい。

浮上速度が速いと空気塞栓症(エアエンボリズム)や減圧症を引き起こしたり、または減圧症のリスクを高めることになる。早く上がりたくなる気持ちもわからなくはないが、ここはゆっくりじっくり小さな泡を見つめながら(インストラクターやガイドを見つめてもいいけれど)浮上するスキルを身に付けよう!

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