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基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第10回 適正ウエイト
ダイビングの苦手スキルで一番にあがるのが中性浮力。第7回でも特集をしているけれど、中性浮力をとるために絶対不可欠なのが適正ウエイトだ。でも、ウエイトの重さはいつも同じではない。TPOに合ったウエイト選びをマスターしよう!
タンクやスーツによって
適正ウエイトの重さは変わる!
夏はウエットスーツを着ている人も、秋~春はドライスーツに替えるという方が多いのでは? ダイビング時に着けるウエイトの量も変わったのではないだろうか。
ん? 変えてない?
それは問題だ。
ウエイトは自分が身に着けるスーツや器材類の浮力を補うために使うということはご存じだろうが、ウエットスーツとドライスーツでは浮力が明らかに異なる。さらにドライスーツの場合はインナースーツなどを着るため、ドライスーツを着用するときのほうが浮力が大きくなる。さらにインナーによっても必要なウエイトは変わってくる。
ドライスーツ着用時のウエイト量は、ふつうウエットスーツのときのウエイト量に+3〜4kgする必要がある。そんなウエイトを腰の周りに着けるのはかなりつらいので、BCのポケットを利用したり、ウエイトベストを利用したり、アンクルウエイトに小分けしたりするという手も。
スーツもそうだが、タンクの材質によってもウエイト量は変わってくる。
タンクにはアルミ製とスチール製があって、同じ容量でも重量が異なり、アルミタンクのほうが断然軽い。南の島で薄いウエットスーツや3mmウエットスーツを着ているときなどは、アルミでも1〜2kgでOKだから、スチールであれば、ノーウエイトでも潜れちゃうのだ。月刊『マリンダイビング』などではアルミタンク使用時は「スチールタンク使用時のプラス1〜2kgが目安」とうたっている。
ちなみに、新しいBCやスーツを使うときも、微妙な浮力調整が必要なことをお忘れなく!!
海によっても適正ウエイトは異なる!
海の水はしょっぱいのは周知の事実。
ダイビングのCカード講習のときにプールや湖・川の水と海水とでは塩分濃度が異なって、海のほうが浮きやすいということは習ったはずだ。
でも、同じ海でも、エジプトとペルシア半島の間に挟まれた紅海は、さばく気候にあるとあって乾燥して水分が蒸発しやすい上、降り注ぐ川がないので、同じインド洋のモルディブなどに比べるとぐっと塩分濃度が高い。つまり浮きやすい。これと同じようなことがアシカダイブでおなじみのコルテス海(カリフォルニア湾)、ラパス近辺にもいえる。こうしたエリアでは、ウエイトを少し重めに着けることがポイントだ。
逆に雨が多いエリアや雨が多い時期は塩分濃度がすこ〜しだけ低いので、ウエイトは少なめですむってこともある。
適正ウエイトの見つけ方
では、自分に合ったウエイト量=「適正ウエイト」はどうしたら見つけられるのだろう?
目安は5mmウエットスーツ着用時・アルミタンク使用時で自分の体重の10分の1といわれるが、実はこれだと少し重め。これのマイナス1〜2kgぐらいがいいのではないだろうか。つまり体重50kgの人は3〜4kg。スチールタンク使用時ならマイナス1〜2kgなので1〜2kgがいいだろう。
ドライスーツの場合はこれにプラス3~4kg、つまりアルミタンクの場合は6~8kg、スチールタンクの場合は4〜6kgといった感じだ。
大切なのは、まずは目安のウエイト量で海に入ってみて、BCやドライスーツの空気を抜いた状態で水面に垂直に浮いてみる。このときに、目の辺りに水面がくるようであれば「適正ウエイト」といえる。
同じようにして、顔や上半身が水面から出てしまうのは、ウエイトが軽い証
逆に顔や頭が沈んでしまうのは、ウエイトが重すぎるということ
ちょうどになるまでウエイト量を調整することができればベストだが、そんなタイミングが見つからない場合は、次のダイビングでウエイトを増減して、快適なダイビングを楽しむようにしよう
ウエイトの単位にも気をつけよう
ウエイトにもいろいろなタイプがあるが、一般的によく使われているのは1個1kgとか、1ポンドといった単位で、ウエイトベルトを通す穴のある鉛玉。日本では基本的に1kg、2kg、3kgの玉があって(たまに0.5、1.5kgというのもあるが)、合計で必要な重量を身に着ける(またはBCのウエイトバッグやウエイトベストに入れる)。
海外に行くと、ポンド単位の場所がある。1ポンド=453.6gなので、1kg=2ポンド強。普段4kg使っている人は8ポンドまたは9ポンドのウエイトが必要となる。
間違えるとダイビングがかなりつらくなるので、ご注意を。
体の前面にウエイトがくるように
いくらウエイトが適正でも、ウエイトの位置が悪いと水中でのバランスがとりにくくなって、中性浮力もとりにくくなる。
オススメなのは、体の前面にウエイトを集中させる方法。こうすると水中で水平姿勢がとりやすく、安定して泳ぐことができるようになる。
上のようにウエイトを作ってしまうと、実際に腰に巻いたときにウエイトが体の後ろのほうにいってしまう。下のようにウエイトが体の前に来るようにセットするのがポイント
ウエイトが腰の両サイドにあって、水平姿勢をとるのには不利な状態
ウエイトが体の前にあるので、水中で水平姿勢をとるのにとってもラクな状態
また、先日モルディブで潜ったときのこと。ここでは12ℓのアルミタンクを使っていて、ダイビングの後半、かなり浮くことが予想された。なので、ガイドさんが1kg玉をタンクのベルトに挟んでおくようアドバイスしてくれた。おかげでエアが減ってタンクが浮きやすくなる後半のダイビングも快適に潜ることができた。
このように、ウエイトをどこに設置するかというウエイトフォーメーションもとても大切なのだ。
バックナンバー
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