
「マリンダイビング」2018年2月号
初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!
毎年冬から春にかけて北極方面から小笠原や沖縄周辺にやってくるザトウクジラ。
南半球では7月頃から10月頃が旬となるわけだが、体長10mを超えるその偉大な姿、愛にあふれたクジラたちのドラマを追い求めて、世界を巡る人も少なくないという。
今回はそんなザトウクジラのウオッチング&撮影術に注目したい。
★ダイビングを始める・上手くなる♪
『DIVINGスタート&スキルアップ』
日本でもシーズンになると、沖縄本島やケラマ諸島、久米島、奄美諸島、小笠原でホエールウオッチングが盛んになり、気軽に見られるような雰囲気もあるが、実際にホエールウオッチングをするとなると、意外にハードだ。
というのも、冬の海なので波が高いこともあり、船は揺れるし、波しぶきがかかってくるし、気温もいくらあったかい南部とはいえ、肌寒い。北から強烈な寒気団がくると、かなり寒いことも。
ホエールウオッチングツアーに参加する場合は、セーターやフリースなどを着て、その上からボートコートや防水のウインドブレーカーやジャケットを着るようにしたい。
また、船上は濡れるのでマリンブーツを履いておくといい。ダイビング用の輻射熱で温められるマリンソックスを履いておくとなおいい。ビーチサンダル類はやめておこう。足先から冷えてしまうからだ。
また、カメラも濡れる可能性があるので、陸上用のカメラは撮影時以外は防水バッグなどに入れられるようにしておきたい。
最近のコンパクトカメラは性能が非常にいいので、コンデジでも撮ろうと思えば撮れることもある。
けれど、ザトウクジラは近づいてきてくれることもあるけれど、実際に撮ろうと思うとやっぱりコンデジのレンズではかなり遠いことも。
ホエールウオッチングを本格的にしたいなら、望遠200mmとか300mmぐらいはあるレンズやズームレンズを使える一眼タイプがオススメだ。
ただし、慣れないとブレるので、ブレ防止機能付きのものや、ブレないような撮影力も求められる。
なお、カメラもできるだけ最新の、ピント合わせが非常に速いタイプのものを選ぶようにしよう。
現地のガイドさんがブリーフィングをしてくれるが、ザトウクジラにはさまざまな行動パターンがある。
それぞれに意味があって、話を聞けば聞くほどおもしろいのだが、そうした行動パターンをよく聞いておいて、いざというときに見逃したり、シャッターチャンスを逃したりしないよう、心構えをしておくこともホエールウオッチング、ホエールシューティングの成功の秘訣だ。
なお、ホエールスイムができない地域でも、ザトウクジラから船に近づいてきてくれることがある。
そんなときは、水中カメラがあれば、手を海に突っ込んで撮影することも可能。
ウエアラブルカメラにスティックを付けておくと、いざというときに動画撮影することもできるゾ。
水面から巨体を飛び上がらせる行動を「ブリーチング」という。
なぜブリーチングをするかは謎なのだが、メスに対するアピール、体に付いた寄生虫を落とす、餌を集めるため、コミュニケーションの一つなどの説がある。
突然姿を現すので撮影のタイミングはかなり難しいが、ガイドさんの説明を聞いておくと、チャンスに見舞われるはずだ
尾ビレを上げて潜降しようとするときのスタイル。潜降時のスタイルには尾ビレをまっすぐに上げ、お腹側を見せるときは「フルークアップ」といい、写真がこのタイプ。お腹側を見せずに潜降していくときは「フルークダウン」という
水面を泳いでいて、潜降するときに水面から丸めた背中を見せながら潜っていく。これが見えたら、フルークアップまたはフルークダウンが見られる合図!
ザトウクジラの息継ぎ「ブロー」。高さ3mぐらいまで立ち上るブローはかなり見応えあり。これが見えるとそこにザトウクジラがいる合図。ただブローをしたら2~3分しか海上にはいないことが多い
北風が強く荒れやすい日本の冬の海。当然、船も揺れることが多い。
船酔いが心配な方はもちろん、普段酔わないという方も、寝不足や体調不良にならないようにして、さらに酔い止め薬も乗船前に服用しておくようにしよう。
また、晴れている日はもちろん、曇り空の日も、意外に紫外線は強い。日焼け止めを塗ったり、サングラスをかけたり、帽子をかぶるなどして、日焼け対策も万全にしておこう。
ザトウクジラを保護するために、見るだけで泳がせてもらえない地域が世界にはほとんどだが、たまにザトウクジラと泳ぐことができる地域もある。
日本では奄美諸島(奄美大島や徳之島など)、久米島で今のところ条件付きでホエールスイムができる。
この場合、ザトウクジラの進路を塞がないのが大前提なので、前に立ちふさがるような泳ぎはしないようにすること。
また、向こうから近づいてくるのを待つのが基本。
いた!!と突進したり、近づき過ぎたりしないこと。
胸ビレでひょいとはたかれたら、ケガをしてしまうこともあるからだ。
母と子のペアにも会えることがあるけれど、子どもに近づき過ぎると、母親が間に入ってきて、威嚇されたりすることもあるのでご注意を!
ザトウクジラたちが目の前にやってきたら、興奮して頭が真っ白になってしまいそうだが、冷静になってよく観察することも大事。
彼らが今何をしたがっているのか。何をしているのか。
一緒に泳ぎ続けても大丈夫か。
いずれにしても、海の中に私たち人間は本来いない動物。お邪魔させていただいているという気持ちで、ザトウクジラに対してもリスペクトを忘れずに、接するようにしたい。
子クジラが一緒に遊んで~と近づいてきたが、母クジラがそれを阻止。子クジラを連れて去っていってしまった。
でも、運が良ければ一緒に遊べる時間を持てることも! 諦めずにトライしてみて
体を曲げて尾を水面から出しそうになったら潜降するぞという姿勢。遊んでくれる時間は終了という意味なので、追いかけ過ぎないこと
次回更新予定日 2018年2月14日
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