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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第31回 煙幕ダイバーから卒業

基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術

初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!

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第31回 煙幕ダイバーから卒業

ダイビングを楽しむためにはスキル……特に中性浮力は必要不可欠なスキルといわれる。
特にそれが如実に表れるのが、砂地の海底を泳ぐとき。
自分では上手に泳げているつもりでも、砂を巻き上げて泳いでいて後ろのダイバーは大迷惑。“煙幕ダイバー”“巻き上げダイバー”などと悪口をいわれたり、後ろ指を指されたりしているかもしれない。
そうならないためにも、今一度わが身を振り返って中性浮力をとりながらのフィンワークを確立。煙幕ダイバーから卒業しよう!

振り返ったら巻き上げていてビビッた

先日、富戸のダイビング取材で砂地を移動していたとき、ちょっと流れがあって、後ろから砂がはらはらと流れてきた。
誰じゃ、砂を巻き上げているのは!と振り返ると、誰もおらず、もしかして私がフィンキックして巻き上げていた!?という、お恥ずかしい状態だった。
仕事柄、誰かに
「『マリンダイビング』の編集の人が砂を巻き上げてて超迷惑!」
などと思われたら雑誌の名誉にもかかわることで大変なので、「自分だけは絶対に砂を巻き上げるまい!」と思っていたのに……。
これは由々しき問題である。
自分を見直してみたところ、ゲージやオクトパス、指示棒などを引きずっていた傾向はない。

巻き上げているヤツがいるよ、と思ってよく見ると、こんな魚だったりすることもある。
特にゴマモンガラが砂地を吹き付けているときは、産卵準備期に入ったわけで、近づいたら攻撃されるから気を付けよう!

(ちゃんとホールドしているし、指示棒は基本、持たない)
ってことはフィンか。
そういえば……、ビーチダイブ用のフィンはいつも使っているフィンよりも長いんだった。
いつものフィンなら絶対に蹴り上げない砂地ギリギリを泳いでいたために、フィンが長かったので少し巻き上げてしまったのかもしれない。
よく初心者が海底の砂をモォモォと巻き上げて、煙幕を張って泳いでいるシーンを見かけるが、そのような巻き上げ方ではなかったことだけが救いだった。
でも何年経っても、フィンが変わったらやっぱり隅々まで気を配らないといけないなと猛反省したところなのだった。

なぜ巻き上げてはいけないのか?

環境を壊してはいけない

砂地というと、一見何もいないように見えるので、別に砂を巻き上げたからといって誰に迷惑をかけるわけでもなし、いいじゃん!
と思っている人もいるかもしれない。

サンゴを蹴り上げてポキッと折ってしまっても、別に生き物じゃないから、いいじゃん、と勘違いしている人もいるかもしれない。

でも、サンゴは岩ではなくて、れっきとした命を持つ動物だし、砂地にはさまざまな生き物が潜んでいることが多い。

※撮影のために目に見える生物はいないことを確認して巻き上げてもらったイメージ写真です

そう、あなたのフィンワーク一つで、もしかしたら、生き物をバッサバサ殺してしまうことだってあるのだ。

また、たとえ砂地に何も潜んでいなかったとしても、巻き上げた砂が流れに乗ってサンゴやカイメンなどの上に降りかかったために砂で窒息してしまう可能性だってある。
実際、大勢の人が入っているダイビングエリアではそうして死んでいったサンゴだってある。

ダイビングをする者のマナー、心得として大切なことはお邪魔する水中環境を壊してはいけないということ。
エグジットするときに、海にしても川や湖にしても、可能な限りもとのママの状態であることが大事。
私たちダイバーが利用したから環境が破壊されてしまった……なんてことが起こらないように十分に注意して潜る必要があるのだ。

安全性が損なわれることだってある

もうひとつ、煙幕ダイバーの大きな罪は、後ろの人の視界を極端に悪くしてしまうこと。
特に透明度が悪いところで潜っている時に、前の人が砂を巻き上げた日には迷子にだってなりかねない。
となると、潜水事故になる危険性も出てくる。

また、オニダルマオコゼやエイのように、砂地に潜んでいる猛毒や棘を持つ生物もいる。
いきなりフィンが振り下ろされたら、びっくりして攻撃してくることだってあるかもしれない。

また、煙幕ダイバーは基本的に自分のフィンの長さがわかっておらず自分の行動の範囲がどこまでかもわかっていないので、急にターンしたりして、周囲の環境のみならず他人を蹴ってしまう可能性も大。
それでマスクを飛ばされて、パニックになってしまうという潜水事故者を生み出すことだってある。

ダイビングはあなた一人が良ければいいってもんじゃない。

一緒に潜る人たちと一緒に楽しむためにも、あなたのフィンワークは中性浮力と同じぐらい大切なのだ。

煙幕ダイバーを卒業するためのスキル

まずは着底&離底の練習をする

まず自分のフィン先がどれぐらい先にあるのか、感覚的に覚えるためには着底と離底の練習をするといいだろう。

海外では着底を禁止しているところもあるので、これがベストな方法ではないかもしれない。
でも、砂を巻き上げないことを目標にするには結果もよくわかるので、筆者としては練習にぴったりだと思う。

場所は何もないと思われる砂地、水深10m前後が理想的。

砂を巻き上げない着底方法

まず着底する場所の手前まで泳いでいき、手だけを着いて体がべたっと落ちないように支える。
このとき、両手を使えばバランスがとりやすい。
ただ両手を海底に着けること自体、環境にはいいこととはいえないので、片一方の人差し指一本で、この状態で停止できるようになるのがベスト。

次に息を吐いて体を下げていき、まずはフィン先をふわりと海底に着ける。
この“ふわり”が大切で、普通着底する人はドンと膝からいってしまうのだが(そして巻き上げてしまうのだが)、可能なかぎりゆっくりと足を下げていき、フィン先をちょこっとだけ着底させることがポイントなのだ。
その際、呼吸を吐いていくことで体の浮力がなくなっていくので、ゆっくりと息を吐きながら体をおろしていく感覚を覚えよう。
これができたら呼吸を整えて次のステップへ。

次はゆっくりと膝を着底させる。
ここで膝をドンと下ろしたら、せっかく苦労してフィン先を着けたのも水の泡。
息をゆっくり吐きながらお尻と膝を下げ、そろ~りと膝を着底させるのだ。
上手にやれば写真のように砂一粒も巻き上がらずにすむはずだ。

離底のときも気を抜かない

フォト派ダイバーによくありがちなのが、撮影をし終わった後、砂を撒き散らすという失態。
撮ったからもうOKとばかり、次に撮る人への思いやりもお世話になった被写体への思いやりもまったくない、“ひとでなし”状態に。しかも当の本人が気づくことはまずない。これはいかん。

お世話になった被写体は、撮る前の状態であるように、気を配って去るべきだし、次に待っている人にも、迷惑がかかることのないように去るべき。

最近、日本人ではなくアジア系のダイバーがひとでなし状態で撮って去ることが多く、改めてマナーの大切さを考えさせられるわけだが。

ま、それはともかく、では離底のときはどうすればいいのだろう。

砂を巻き上げない離底のしかた

基本的には着底と逆の順番でいけばいいだけ。変わるのは浮き上がるために吸い気味の呼吸になることぐらいだろうか。

まず指を支点にして、膝をゆっくりと上げる。呼吸は吸い気味がいいが、まだフィンを離すまではそんなに気にしなくてもいいだろう。

いよいよ息を吸ってフィンをゆっくり上げていく。両足を同時に上げるようにすることがポイント。
片足ずつだとバランスを失ってドスンと片足を落とし、砂を巻き上げかねない。
両足が離れたら、呼吸を整えて。

かなり体が持ち上がったら、支えにしていた指で地面を押すようにして、ちょっと反動をつけ、指を地面から離す。このとき大きく息を吸う。

この後、体が完全に海底から浮いたら、呼吸を整えながらさらに浮いていく。
海底から1m以上、できれば2mぐらい浮いたところで、フィンキックを開始する。
このフィンキックも大切で、このときに砂地を巻き上げていないかどうか、必ず後ろを振り返って確認すること。もしも巻き上がっているようであれば、もう少し(できればあと1mは)浮上すること。

以上のように着底&離底が砂を巻き上げることなくできるようになると、足先の距離感がつかめるようになるので、ぜひマスターしておきたい。

巻き上げずに泳ぐ練習

水中ではモノが陸上の4/3倍、つまり1.33倍の大きさで見えることはオープンウオーター講習で学ぶので、水中で見る自分のフィンの大きさはかなり大きく、まさかあの海底まで届くまい、あのサンゴまで蹴るはずがない……と思うかもしれない。
でも、距離感というのは不思議なもので、ギリギリかなと思ったところはしっかりとフィン先が触れていたりする。
泳ぐときは海底からある程度距離を持って、できればガイドさんと同じぐらいの水深を保つか、それだと難しい場合は、ガイドより少し上の位置で泳ぐようにしよう。
ガイドさんを目標物にして泳げば、水深の調整はしやすいはず。

でも、誰もお手本がいないような場合は、水深は海底から3mぐらいのところで、できるだけフィンは大きくかき、ゆっくりと泳ぐようにしよう。

そしてもし海底が近づいてきたら呼吸を吸い気味にして浮き気味体勢で泳ぐこと。
さらに近づき過ぎたら着底してしまい、砂を蹴ったり、サンゴを折ったりダメージは大。
くれぐれも海底からある程度距離を持って移動する練習をしておこう。
そして、練習の際は時々振り返って、自分が砂を巻き上げていないかどうか、必ずチェックをするようにしよう。

フィンワークは上下にゆっくり振り上げて下ろす、アップ&ダウンキックが進みやすいが、ゆっくりと泳いで行く場合は、あおり足と呼ばれる平泳ぎスタイルのほうが中性浮力もとりやすく、万が一海底に近づいても巻き上げる心配はあまりないはずだ。

海底をすれすれに泳いでいくときはあおり足にしたほうが、海底にダメージを与える可能性が低くなる

意識を高めることがスキルアップへの近道

最近、日本で潜る機会が多いのだが、
数年前に比べると皆さんの上手なこと!

たぶんインストラクターの指導も行き届いているのだろうし、
皆さんが上手になって楽しもうと努力しているんだろうなぁとうれしく思っている。

ダイビングは何も考えなくても楽しめるものだが、
スキルを身に着けて、上手くなればもっと楽しめる。

煙幕ダイバーになんか自分はなっていない、と思っていても他人が言わないだけで振り返ってみたらバッチリ砂を巻き上げているかもしれない。
砂地を泳いでいるときは、中性浮力を保って泳ぐように気を配ることも必要だが、時々振り返ってみて、煙幕ダイバーになっていないかどうかを確認するよう心がけよう!

次回更新予定日 2016年10月12日

第32回 噛む危険生物

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