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第22回 ナビゲーション
Part 1 方向オンチでもできるコンパスナビ

基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術

ダイビングスキルの中でも難易度高のナビゲーション。いつもはガイド任せだからいざとなったらできない!という方も多いのでは?
でもナビゲーションスキルを身につけておけば、万が一ロストした場合にも役立つし、バディとのセルフダイブで頼もしい味方に。
Part1では方向オンチさんでもできる、コンパスナビをご紹介!

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ナビゲーションには2つのタイプがある

ナビゲーションには2つのタイプがある

ダイビング講習を修了した方は覚えているだろうが、改めて紹介すると、水中では陸上ほど視界が得られないため、行きたい場所に行くためには、ナビゲーション術が必要となる。
ナビゲーションには大きく分けて、コンパスを使う"コンパスナビ"と、自然の目標物を利用する"ナチュラルナビ"の2つがある。

オープンウォーター講習では、指導団体によっては直線コースを行って帰ってくるところまでしか教わらないが、スペシャルティコース、またはアドヴァンス講習で三角形、四角形のコース取りができるよう練習をする。

ちなみに、グループで潜っていて、ガイドやインストラクターとはぐれてしまい、あまりないことだが、自力で帰らなくてはならないような究極の事態に陥ることも想定できる。ナビゲーションのスキルを身につけていれば自力で帰ることができるというワケだ。
ナビゲーションはまさにサバイバルスキルの一つ。
ぜひ覚えておこう。

こんな失敗ない? ゴット姉さんの体験談

以前、とある島のハウスリーフでバディとセルフダイビングをしたとき、透視度は1~2mで最初は見えていたほかの人たちがあっという間に見えなくなった。
でも、EN場所から20mぐらい先にあるという魚礁に行けばきっと楽しめる!
と、ずんずん進むが、行けども行けども魚礁はなく、ひたすら砂地が広がるばかり。
行き過ぎた?と思ってコンパスを見ながら戻るも、EN場所にすら行けない。
おかしい、今自分はどこにいるんだろう?と不安になって仕方なく水面に浮上すると……。
元いた場所ははるか彼方(たぶん200m以上先)。

ガーン

なんて言っている場合ではなく、このままだとバディのエアもなくなるし、魚礁は諦めて戻ることに。

水面はバシャバシャしていたので、潜ったほうが楽かと思い、コンパスを合わせて進んだ。

が、やっぱり行けども行けどもEN場所に戻れない。

そして不安になってまた水面へ。

EN場所はさらに遠くなっている!

改めてコンパスを合わせようとしたら……
明らかに北の方角と違う方向にNの文字が。

壊れてたんかい!

己の器材管理の甘さを思い知らされつつ、コンパスがなかったバディに申し訳なさでいっぱいになりながら、バシャバシャする水面を泳いで戻ったのだった。

ってことで、
セルフダイビングのときは正しいコンパスを身に着けること。
そして、バディも必ずコンパスを着けておくことが大切だってことを認識した次第だ。

コンパスの基本

ご存じのようにコンパスは方位を示す羅針儀のこと。
北極に強力な磁場があり、コンパスの赤い磁針は常に北を位置するのが特徴。
ダイビングでは当たり前だが、耐圧防水のダイビング用のコンパスを使うことになる。

ダイビング用のコンパスは中央に「ラバーライン」と呼ばれるラインがあり、これは固定されていて、進行方向を示す役割をする。

文字盤には回転ベゼルが付いていて、方角が数値化されて記されているほか、「インデックス」と呼ばれるものが付いていて、コンパスを使用するときは起点でまずインデックスを磁針で挟むことから始まる。

コンパスの用語
たまたま北を向いているのだが、インデックスを赤い磁針に合わせる。

たまたま北を向いているのだが、インデックスを赤い磁針に合わせる。

コンパスの見方は進行方向に向けてまっすぐ。これが崩れると、全然違う方向に行ってしまう可能性が大。気をつけよう

コンパスの見方は進行方向に向けてまっすぐ。これが崩れると、全然違う方向に行ってしまう可能性が大。気をつけよう

コンパスの基本

ご存じのようにコンパスは方位を示す羅針儀のこと。
北極に強力な磁場があり、コンパスの赤い磁針は常に北を位置するのが特徴。
ダイビングでは当たり前だが、耐圧防水のダイビング用のコンパスを使うことになる。

コンパスの用語

ダイビング用のコンパスは中央に「ラバーライン」と呼ばれるラインがあり、これは固定されていて、進行方向を示す役割をする。

文字盤には回転ベゼルが付いていて、方角が数値化されて記されているほか、「インデックス」と呼ばれるものが付いていて、コンパスを使用するときは起点でまずインデックスを磁針で挟むことから始まる。

たまたま北を向いているのだが、インデックスを赤い磁針に合わせる。

たまたま北を向いているのだが、インデックスを赤い磁針に合わせる。

コンパスの見方は進行方向に向けてまっすぐ。これが崩れると、全然違う方向に行ってしまう可能性が大。気をつけよう

コンパスの見方は進行方向に向けてまっすぐ。これが崩れると、全然違う方向に行ってしまう可能性が大。気をつけよう

コンパスを見ながら往復してみよう

まずは北方向に行き、戻ってくるパターンを練習。コレ、水中じゃなくて陸上でもできるので、練習をするのにちょうどいい。

体を北に向けて、回転ベゼルを回し、インデックスを北に合わせる。

体を北に向けて、回転ベゼルを回し、インデックスを北に合わせる。
もともと北へ向かう予定だったので、磁針とラバーラインが一直線になっている

この状態をキープしながら前にまっすぐ進む。目的地に到着したら、振り返って…

矢印
先ほどとは180°とは異なる「S」(South)にインデックスがぴったりとくるように体の位置を変える

先ほどとは180°とは異なる「S」(South)にインデックスがぴったりとくるように体の位置を変える

先ほどとは180°とは異なる「S」(South)にインデックスがぴったりとくるように体の位置を変える

こうすれば元の位置に戻れるという次第だ。

キック数も数えておこう

コンパスを使って往復するときに、自分のキック数&キック・サイクル数(両足ともキックすると1サイクル)も数えておけば、より確実に元の場所に戻ることが可能(陸上なら歩数で練習すればいい)。

講習(主にアドヴァンス講習)でも教わることだが、30mの距離を何キック・サイクルで進むかをチェックし、自分の1キック・サイクルを割り出しておくといい。例えば30mを30回のキック・サイクル数で泳いだとすると、1キック・サイクルは1mということになる。これを覚えておけば、何キック・サイクルをすれば、何mぐらい泳いだことになるかがわかるはずだ。

流れ要因も考える

ダイビング中真っ直ぐ泳いでいるつもりでも、実は蛇行していたり、角度がついて全然違う方向に進んでいたりするもの。
水泳でレーンがあっても真っ直ぐに泳げない人が多いが、何もないところで泳いでいたら当然なのだ。
だが、コンパスを見ながらであれば、ある程度方向修正ができる。そのためにもコンパスはあると便利なのだ。

真っ直ぐ泳げないのは、潮の流れにもよる。泳いでいるうちに流れに押され、目的地からちょっと離れた所に到着してしまうこともある。

ゴーゴー流れているような海には潜らないことにすべきだが、少々流れているときに泳ぐ際は、流れの上のほうにやや角度をつけて泳ぐようにするといい。

往復スイムその2

先ほどは真北に向かい、真南に戻ってくる方法を紹介したが、たいていのダイビングスポットがそんなに都合よくできているわけじゃない。

ということで、今度はちょっと角度を変えて往復~!

進行方向は約100°、真東よりやや南寄り。回転ベゼルを動かしてインデックスを北の位置へ

進行方向は約100°、真東よりやや南寄り。
回転ベゼルを動かしてインデックスを北の位置へ

コンパスの下で数値を確認すると約100°といったところか

コンパスの下で数値を確認すると約100°といったところか

回転ベゼルを動かして、北にインデックスを置いたら、さぁ、スタート!
できるだけ真っ直ぐ泳いでいく。
コンパスを見ながらであれば、さほどぶれないことに気づくだろう。

目的地に着いたら、今度は戻る準備。180°回転すれば元に戻れる。

戻る方向は西方面でやや北寄りインデックスは動かさないで!

戻る方向は西方面でやや北寄り
インデックスは動かさないで!

出発する時が約100°だったので、180°方向転換するということは280°。

出発する時が約100°だったので、
180°方向転換するということは280°。
いい感じだ

実際に陸で練習すると、しっかり元に戻れることがわかるだろう。基本はコンパスを180°プラス(またはマイナス)するだけ!

往復コンパスナビが使える国内外のスポット

セルフダイビングができるダイビングスポットは国内外にいくつかある。
だが、往復のナビゲーションができればOKというスポットはやはり少ない。
ただ、このコンパスナビができるようになれば、四角形などに応用ができ、いろいろなスポットに潜れるようになる。
次回はそのコンパスナビの応用編。

ちなみに、往復コンパスナビで楽しめるのは、思いつくところで言えば……
バリ トランバンの「沈船」、モルディブ 《アンサナ・イフル》のハウスリーフ「沈船」ほか、いくつかのハウスリーフ
大瀬崎「湾内」「先端」
井田「ビーチ」
安良里「ビーチ」
富戸「脇の浜」
などなど。

最近はセルフダイビングができるところも少なくなっているのだが(東南アジアのほとんどのダイブエリアでは必ずガイドが付く!など)
バディとセルフダイビングをしに行くなら、こうしたスポットでまずは練習してみるといいだろう。

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