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ボートダイビングのエグジット
ボートダイビングというと、ジャイアントストライドとか、バックロールとか、エントリーの方法に話題が集中しがちだが、実は最後にやってくるエグジット(エキジット)が船によっては超ストレスになることも。
でも、前もって、いろいろなタイプのエグジット方法をシミュレーションしておけば怖くない!
水面に浮上したら
まず初めに浮力確保
そもそもボートダイビングのエグジット(エキジットという人も多いが)とは、
ここでは水面に浮上した後、ボートに乗り込むまでの行為を指すことにする。
ゆっくりと毎分9mの速度で浮上し、水面に顔が出たら、必ずすべきことは「浮力確保」。
ここで完全に浮力確保できないために溺れてしまう人だっているのだ。侮ってはいけない。
浮力を確保するのは、どうすればいいのか、わかってるよね?
顔が水没することなく、水面に上がっている状態まで、BCを膨らませること。
波が高いときは、ちょっと多めにBCに給気をしないと、顔にバシャバシャ水がかかるのでご注意を。
浮上したら、波がちょっとある時は肩が出て胸のあたりまでが出るぐらい給気していたほうが安心だ
水中で見るとこんな感じ。顔は完全に水面に出ている
水面で待つときのコツ
波酔い対策を知っておきたい
ドリフトダイブのときは浮上したところにボートが迎えに来てくれるまでの間、若干待つ時間がかかる。
アンカリングダイブのときも、浮上してすぐボートに上がれるのは希で、順番待ちとなることがほとんど。
エグジット前に水面待機が必要なことが多いのだ。
このとき、波があると波酔いしてしまったり、流れがあると流されてしまったりするので、そうならないための対策を自分で立てておくのが賢いダイバーといえる。
波があるときは乗船しているときの船酔い対策と同じなのだが、頑張って波に立ち向かおうとはせず、体の力を抜いてリラックスして、波に身を任せるのが一番。
浮いているときにずっと足をバタバタさせている方がいるが、BCに給気して沈まないようにすれば、足を動かす必要はさらさらない。
他の人から離れてしまいそうな場合に、少し泳ぐぐらい。
ロープを使って流されないようにしよう
ちょっと小さくてわかりづらいかもしれないが、ボートの舷にわたるロープをつかみながらエグジットの順番を待つ。こういうスタイルをとっている船は国内外に比較的多い。
また、流れがある場合は、ほかの人と離ればなれにならないように、
ガイドが使っていたフロートのロープなどを利用して、みんなでロープをつかんでいるといいだろう。
さらに、ボートが迎えに来てくれたら、ボートからロープ(ラインとも呼ばれる)を出してもらい
それにつかまっておくこと。
ボートに近づいたら、ボートに張ってあるロープをつかんで、やはり離れないようにしよう。
冬の与那国島ではハンマーヘッドシャーク狙いでダイビングをすることが多いが、
流れが速い場所で潜ることが多く、エグジット時はボートから出してもらったラインにつかまらないと大変なことに。安全のためにも、ラインを手離さないように。
ボートに上がるときの手順
タンクを背負ったまま上がる場合
地域やボートの種類によっても、ボートに上がる手順が異なる。
アジア圏では基本的に殿様ダイビングを実行していることが多いので、ウエイトもタンクも3点も、ウエットスーツ以外は全部脱いで上がるスタイルが一般的だが、たいていのエリアでは、シニアや体力のない人以外はタンクは背負ったまま上がるのが普通。
小笠原ではダイビングサービスによるのかもしれないが、タンクはもちろん、フィンもすべて身に着けたまま上がるスタイルだった。
梯子(ラダー)は真ん中に支柱があって、アンテナ状になっている形状なので、 フィンを履いたままでもラクに上がれる。タンクを背負いながらなので若干コツが必要
でも、多くの場所では、タンクは背負ったままでも、フィンは脱いで上がるスタイル。
まず自分の番が来たら、ラダーにつかまり、片足ずつフィンを脱ぎ、ボート上にいるスタッフに渡す。
そうしたら、そのままラダーを上がるだけだ。
なお、ボートに上がるときに注意する点は2つ。
まだラダーを使っているダイバーがいる場合は、その真下には入らないこと。
波などでぐらっと揺れてダイバーが落ちてきたときに大けがをするかもしれないからだ。
もう1点は、マスクははめたまま上がること。万が一、自分が足を滑らせて落ちても、溺れないようにするため。
ただ、上がる直前にハナを洗って(マスククリアして)おくようにすることを勧める。
フィンは落とさないように確実に渡すこと
フィンを脱いだらラダーを上る。スタッフが写真のように手伝ってくれることも
最後まで慎重に上がろう
神子元島などではボートの後尾に自動昇降式のラダーがあって、この動画のように1人1スペースに乗ればいいだけ。
殿様エグジットの手順
フィリピンやインドネシアなどでは、自分のエグジットの順番が来て、ラダーにつかまると同時に、あちこちから手が伸びてきて、フィンやらウエイトやらマスクとウエットスーツ以外のすべてをはがされ、気づけば後はラダーを上るだけ・・・なんてことが。
あまりの鮮やかさに驚かされるのだが、こんな超ド級の殿様エグジットは希。
まずは自分で器材を外して、上がるようにしよう。
大切なのはその順番。
最初にウエイトから外さないと(ウエイトをしたままだと)BCを外した途端、ゴボゴボと沈んでしまう。
まずはウエイトベルトを外して渡す。
その後、フィンではなくて、BCを渡す。
その際、レギュは直前までくわえていること。
BCを渡し終わったら、フィンを片方ずつ脱いで渡す。
そして、マスクをはめたまま船に上がる。
やはり上がる前にハナを洗っておくことをオススメする。
ウエイトを渡したら、BCを脱いで渡す。写真はフィリピンなので、スタッフがBCを脱がせてくれようとしている
フィンを脱いで渡したら、ラダーを上がる。ホントはマスクははめたままが原則
ボートに上がったら器材をまとめておこう
エグジットそのものは、終了だが、もうひとつ、ダイバーとしてやっておきたいのが器材の後片付けだ。
殿様ダイビングでは、スタッフが脱いだ器材をまとめておいてくれたりするが、基本的には自分で行ないたい。
あちこちに散らばっている自分の器材をまとめて、所定の位置へ。
船上は整理整頓されていてこそ安全。
自分の器材でほかの人がつまずいたり(ヘタすりゃ自分がつまずいたり)しないよう、くれぐれも邪魔にならない場所へまとめておこう。
さあ、皆さん、もう大丈夫かな?
エグジットスキルもしっかり身につけて、最後までかっこいいダイバーとして行動しよう!
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