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船酔い対策
ボートダイビングやダイブクルーズは タンクを背負って歩く距離も短く、ラク~に潜れるので シニアや体力のない女子ダイバーにオススメなのだが、船酔いするから無理・・・という声も。
もったいない。もったいなさすぎる! ということで、今回は船酔い対策についてご紹介しよう。
船酔いの原因は?
船の揺れによって起きる
待ちに待ったボートダイビング。
でも、船に乗った瞬間、なんとなく気持ち悪くなってきて、
さらに船が動き出した瞬間、たまらない不快感が全身を襲う……
なんて経験がある人も多いのではないだろうか?
わかりきったことかもしれないが、船酔いは陸上にはない船の揺れによって起きるもの。
船に限らず車や飛行機などの乗り物は、スピードは一定に見えるかもしれないが、
不規則に加速したり減速したりしているもので、
それが繰り返されることによって
内耳にある三半規管や前庭が刺激され、自律神経系や平衡感覚が乱され、
身体にさまざまな影響を及ぼすことがある。
ちなみに、水面移動や水面でボート待ちをしている時などに起きる“波酔い”も
ほぼ同様な理由で起きるもの。
また、アルコールに酔いやすいから船にも酔いやすいという人がいるが、それは都市伝説のようなもの。
アルコールで酔うメカニズムはまったく異なるのだ。
船酔いの症状
自律神経系や平衡感覚が乱されてしまうと、
頭痛や吐き気が起こり、実際に嘔吐せざるを得なくなったり、
気持ち悪さが継続して、ダイビングどころではなくなったりすることもある。
さらに、何度かそうした船酔いを経験すると
嗅覚や視覚からだけでも船酔いが起こり、精神的なストレスを感じることも。
ダイビングを安全にするためにはストレスのない環境をつくることが大事なのだが、
こうした不快感やストレスを覚えないような状況、つまり船酔いをしない対策をすることが
とても大切なのだ。
船に乗る前の対策
体調は万全に
自律神経系を乱さないようにするためには、まず体調を万全に整えておくことが基本。
前日に睡眠をたっぷりとり、アルコール類もほどほどにして翌日に残さないこと。
また、風邪や花粉症など、ちょっとしたものでも影響が出やすいので 風邪を引いた状態にしておかないこと。
どうしても不安な場合は酔い止め薬を
睡眠をよくとって体調を万全にしたとしても、
「船に乗った瞬間から酔っちゃうんですよね」と言うような方には
一抹の不安が残るはずだ。
そんな場合は、睡眠作用を引き起こさない成分の酔い止め薬を服用しておこう。
また、酔い止めに効くというリストバンドもある。
薬やバンドは耳鼻咽喉科などで紹介、処方してもらったものを服用、利用することをおすすめする。
船上での対策
位置取りが大事
ダイビングボートによっては大型で2階や3階にデッキがあって
とってもカッコイイものもある。
でも、船に弱いという方は、とにかく“揺れない場所”を確保することが先決だ。
ボートのタイプにもよるのだが、揺れにくいのは
水面に近いところで、船の中央から後ろ側。
少なくともトップデッキでもないし、波を叩く船頭でもない。
エンジンの排気油のにおいも酔いを引き起こす可能性があるので、
一番後ろも危険がある。
また船の左右も波によって大きく揺れることがあるので、
できるだけ左右中央にいるほうがいい。
伊豆の熱海では、スポットまで近いので、BCを背負った状態でボートへ。揺れが少なく、後ろにあるエンジンのにおいも少ないところにベンチが用意されている
風通しのいい場所
ダイビングボートによっては船室付きのものもある。
雨風が激しいときに避難するのにも役立つのだが、
船酔いが心配な方は、中にいると閉塞感を覚え、ストレスにつながるため、
できるだけ中には入らないほうがいい。
外の、風通しのいいところにいるほうが酔いにくいといわれる。
さらに遠くの島々を眺めること。
手元でこまかな作業をすると酔いやすくなるので、カメラのセッティング等は乗船前にすませておこう。
体の緊張をほぐす努力も
昔から海に浮かぶ島々に住む人の間でいわれているのが
船に乗ったら、その揺れに身を任せることが船酔いにならない秘訣だという話を聞いたことがある。
船の揺れに体を合わせることで、三半規管に刺激を与えないことにつながるのだ。
船に乗っているときに
揺れから体を守ろうとして、体を突っ張ったり、
腕や肩に力を入れたりしてしまうが、
船の揺れにくい場所に座って、船の揺れに身を任せることで
酔いにくくなるということだ。
おそらくベテランダイバーの多くが船酔いを克服しているのは、
本人もあまり気にしていないうちに、こうしたスキルを身につけているからだろう。
以上のように、船酔いをなくして、
安全に潜ることを心がけよう!
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