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基礎からわかる! ダイビングスタート&スキルアップ術
第44回 BCの洗い方
初めてのダイビング、久しぶりのダイビングは「どうしたらいいの?」と戸惑いの連続。
今さら聞けない基本スキルから絶対にマスターしたい必須スキルまでここでおさらいしちゃいましょう!
第44回
BCの洗い方
海水に浸かったダイビング器材は、ちゃんと塩を落としてからしまわないと 後でカビや緑青発生の原因になって大変なことに。
特にBCの場合は、ブラダー内やインフレーターホース内にも海水が入るので よ~く洗わなくてはダメ。
今回は、器材の中でも最もやっかいなBCの洗い方を復習しよう。
器材洗いのタイミング
現地では簡単に済ませるのがマナー 特に南の島では
毎日洗う?
ダイビング器材は海水使用に耐えられるようにヘビーデューティ仕様に製造されているけれど、金属にとって、最もよくないのが海水。そんなこともあって、レギュレーター以外の器材にはあまり金属は使用されていないものが多いのだ。しかもヘビーデューティ仕様になっているだけに、ちょっとやそっとの海水ではへこたれない。
週末などに日帰りでダイビングをする方は、次の時まで洗わないと大変なことになるので、必ず真水で全部洗ったほうがいいけれど、泊まりがけやロングバケーションでダイビングをする場合は、毎日しっかりと洗う必要はない。
ダイビングが終わった最終日に、真水でしっかりと洗うのがベストなのだ。このとき、BCはインフレーターホースの内部、ブラダーやポケットの内部にも真水を通し、できるだけ塩を残さないのがコツとなる。
本来はしっかり洗いたい。
でも、水不足の南の島では控えめに
年末年始やクリスマス休暇(あるのか!?)にあったかい南の島へダイビング旅行に行かれる方も多いと思う。マイ器材をしっかり持っていく方も少なくないだろう。
多くの海外のリゾートでは、器材は一度預けたら最終日まで預かってくれるので、自分で洗うことはあまりないかもしれないが、毎日自分で器材を管理する方も、最終日以外は器材専用の水槽にさっと器材をくぐらせるぐらいにしても大丈夫。最終日も水槽だけだと心もとないので、ホースから真水で塩を落とす程度にしておきたい。
というのも、あたたかな南の島ではたいてい水は貴重なものだから。日本人は水道の蛇口をひねれば水が出てくるのが普通だと思っているけれど、南の島で真水を得るのは実はとても大変なこと。特に乾季は雨が少なくて、断水になったりして、生活にも困ることさえあるので、「客だから」という態度で水をじゃんじゃん使うのは顰蹙。それこそ“空気を読んで”、水を使うか、控えるか、するようにしよう。
しっかり真水で洗うのは、自宅に帰ってからでも遅くはない。
BCの洗い方
中までしっかり洗うのが基本
① 全体を水につける
まずは水槽にBC全体を浸け、塩を落とすようにする。特に縫い目の部分に塩がたまりやすいので、よく水がかかるようにする。
② インフレーターに水を流し込む
BCの構造にもよるのだが、インフレーターホースに水を流し込んで、ホースとブラダーの両方に真水が通るようにする。
この時、ただホースに水を流し込んでも水は入っていかない。排気ボタンから水が漏れないように、排気ボタンを押しながら水を入れていくのがコツだ。写真のようにホースを使うと入れやすい。
インフレーターホースを外して水を入れる手もあるが、取り外ししやすいBCに限る。取り外しにくいと、再度はめ込むことも難しくなるからだ。
③ BCに給気する
水はパンパンに入れる必要はなく、BC内でジャボジャボ音がするぐらいになれば大丈夫。
ある程度水が入ったら、インフレーターから口で給気する。
④ BCを上下、左右に回し、
中の水を行き渡らせる
給気し終わったら、BCを手に持って、上下左右に回すようにして、BC内に入れた水を隅々まで行き渡らせる。ここ大事。でも一周か二周ぐらいでOKだ。
⑤ 排水する
中の水を行き渡らせる
BC内の水を回したら、BCを逆さにしてインフレーターホースの付け根の部分が一番下になるようにし、排気ボタンを押しながら水を排出する。この時中に水が残らないように、インフレーターホースがある左側に水が集中するように位置調節をする。
また、中に水が入っているのに、ホースから排水できない場合は、もう一度口で給気をして、ブラダーを膨らませ、水を回したときのように上下左右にBCを回しながら、インフレーターホースの付け根のほうへ残っている水が集中するようにする。
右の背中や腰部分にある排気バルブを引っ張って排水したほうがラクな場合もあるし、こちらの排気バルブの塩落としにもなるので、インフレーターホースだけでなく、こちらからも排水をしたほうがいい。
⑥ ②から⑤を繰り返す
一度だけだと海水が抜けきることはまずない。
できれば、2度、3度と繰り返して、ブラダー内の塩気を取り除こう。
排水後、乾かすために再び給気するのだが、少なくとも、インフレーター口がしょっぱくなくなっていることがポイントだ。
しっかり乾かす
給気をして日陰干し
インフレーターホースが下になるように干す
しっかり洗い終わったら、しっかり干すことが大事。
中にまだたまっているかもしれない水を排水しやすくするためにも、インフレーターホースの付け根が下になるように、カマーバンドまたはウエストバックルを物干し竿等にはめて干すのがコツ。
このとき、しっかりと空気を入れて(インフレーターホースから口で給気して)中まで乾きやすくしておくこと。
自宅などで干す場合は、天気がよく湿度がカラカラ乾いているときであれば一日でも乾くかもしれないが、そうでない場合は、2~3日は干しておきたいもの。
干す場所は製品を痛めたり日焼けさせたりしないよう、直射日光の当たらない、日蔭に干すようにしよう。
オーバーホールも忘れずに!
レギュレーターと同じように、BC(特にインフレーター部分)のオーバーホールも大事。冬の間は潜らない……という方は、この時期、オーバーホールに出しておくことをオススメする。
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