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海のいきもの
第64回 ハタタテ御三家プラス1ワン

海のいきもの第64回 ハタタテ御三家プラス1!

撮影/沖縄・ケラマ諸島

海底近くでホバリング、長い背ビレを「ピッピッ」と動かす様子が旗を振っているように見えることから付いた名前が「ハタタテハゼ」。今回はそんなハタタテハゼの仲間を紹介します。
●構成・文/山本真紀(2020年2月制作)

人気の「旗立て」ハゼ・トリオ

ハタタテハゼ

ハタタテハゼ
ハタタテハゼ属の中で最もポピュラーな種類。砂礫まじりの砂底やガレ場の低層でよく見られ、驚くと海底の穴に逃げ込む(他の仲間も同様)。インド-太平洋に広く分布し、サンゴ礁だけではなく南日本や伊豆諸島でも普通種。生息水深も3~30mほどとお手頃。小さな個体は群れでいることもある。英名ファイヤーゴビー。大きさ3~6cm。撮影/沖縄・黒島

アケボノハゼ

アケボノハゼ
ハタタテハゼの赤茶が紫系に置き換わった感じ。水深20~30m以深の深場を好み、サンゴ礁斜面の砂礫が混じった砂地やガレ場の低層で見られる。英名エレガント・ファイヤーゴビー。大きさ4~7cm。撮影/インドネシア・アンボン

シコンハタタテハゼ

シコンハタタテハゼ
体全体のパープルが美しく、和名にも紫紺(しこん)と付いている。英名ヘルフリッチ・ダートフィッシュ。これまた深場が大好きな種類のうえ、個体数も少ないというマニア向けの魚。大きさ4~7cm。撮影/沖縄・久米島

だから撮影地は重要なのです!

アケボノハゼのソックリさん

アケボノハゼのソックリさん
2013年に新種記載された、学名Nemateleotris exquisita という第4のハタタテハゼ属の仲間。アケボノハゼより背ビレの「旗」が短めで、体前半の黄色が強いといった違いがある。分布は紅海、インド洋からアンダマン海にかけてとされているが、もしかして西部太平洋にもいるかもしれないぞ? というわけで、撮影地を記録しておくことは大切です。撮影/モルディブ

デジカメ時代で良かったネ

失敗!
成功!

フィルムカメラ時代は、カメラ1台で36カットという枚数制限があった。特にアケボノハゼやシコンハタタテハゼは深場に生息するので時間も十分にかけられず、うまく撮るのはかなり大変だった。

失敗! 小さい上に危険を感じるとピピッと逃げてしまうので、こんなピンボケが量産されちゃう。

成功! でも今はデジタル時代! 枚数制限は(ほぼ)ないからガンガン撮っていこう。

撮影/2点ともパラオ

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