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- 第65回 あのピグミーさんに和名が付いたよ!
海のいきもの
第65回
あのピグミーさんに和名が付いたよ!
撮影/インドネシア・ラジャアンパット
指先サイズの小さなタツノオトシゴの仲間、通称ピグミーシーホース。世界に10種類くらいいるらしいのだが、最近ダイバーによく知られた3種に標準和名が付いたよ!
●構成・文/山本真紀(2020年3月制作)
トップバッターは
通称ジャパピグさん
ハチジョウタツ
日本でしか見られないことから“ジャパニーズピグミーシーホース”、通称ジャパピグと呼ばれてきた人気者。長く正式な名前がなかったが、2018年に八丈島で採集された個体を元に、学名Hippocampus japapigu(標準和名ハチジョウタツ)となった。深場好きの種類が多いなか、このピグミーさんは浅い藻場に生息するから、ゆっくり観察できる。撮影/三宅島
2番手は通称デニセさん
カクレタツノコ
東南アジアのダイビングスポットでよく観察されてきたコチラは、学名Hippocampus denise というピグミーシーホース。標準和名がなかったので今までは通称デニセと呼ばれてきたが、今年3月に沖永良部島で採集された個体から標準和名カクレタツノコと名前が付いた。深場のヤギ類に生息するので、探すのも撮るのも結構大変。
❶おなかがパンパン、抱卵したオスかな。安産祈願! 撮影/インドネシア・ラジャアンパット
❷黄色のヤギ上で見つけた個体。和名の由来はこの見事な擬態から。撮影/インドネシア・レンベ
最後は通称ポントヒさん
ユリタツノコ
東南アジアやパプアニューギニアで見られる、学名Hippocampus pontohi 、通称ポントヒもこの春、沖永良部島で採集された個体から標準和名ユリタツノコと名前がついた。水の流れに合わせて体をユラユラ揺らすことが由来とのこと。海藻やカヤ類の近くにいることが多い。撮影/インドネシア・ラジャアンパット
大トリは
通称バージバンティさん…?
…すいません、まだでした
ピグミーシーホースといえば、やっぱり通称バージバンティさん! その標準和名は……すいません、まだ付いてなかった(学名は Hippocampus bargibanti )。20年ほど前から小笠原を皮切りに南日本各地で続々と発見されているうえ、一番人気のピグミーシーホースなので残念。まぁ、そのうち付くであろう和名を想像して楽しみましょうか。
❸黄色のヤギには黄色の個体。深場に生息するので観察は大変。撮影/フィリピン・マラパスクア
❹赤いヤギには赤い個体。体のこぶまでホントにソックリ。撮影/インドネシア・バリ
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