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海のいきもの
第67回 ハタタテダイ2種とツノダシさんの見分け方

海のいきもの第67回 ハタタテダイ2種とツノダシさんの見分け方

新型コロナの影響で「三密」を避ける今日この頃、ムレハタタテダイの写真(上)を見て「危ない、離れろ!」と思ったアナタは自粛疲れかもしれません。●構成・文/山本真紀(2020年5月制作)

群れないハタタテ、群れるムレハタ

ハタタテダイの仲間(チョウチョウウオ科ハタタテダイ属)は世界に8種。背ビレの棘が1本、長く伸びることが特徴だ。その中で最も一般的な種類はハタタテダイとムレハタタテダイ。コレが超ソックリさん。

ハタタテダイ

ハタタテダイ
大きな群れはつくらず、たいてい単独か数尾で見られる。南日本、琉球列島を含むインド-太平洋に分布。撮影/インドネシア・バリ島

ムレハタタテダイ

ムレハタタテダイ
名前の通り群れ、しばしば大群となる。季節来遊魚として伊豆半島でも常連。インド-西太平洋、ハワイ諸島などに分布。撮影/タヒチ

「群れる」「群れない」以外の見分け方

ハタタテダイは単体か数尾で行動するので、群れていればムレハタタテダイとわかる。でも、ムレハタタテダイだって数尾しか集まらないことがあるかも。そんなときは、どこを見ればいい?

「旗」の後ろのトゲの数

「旗」の後ろのトゲの数
ハタタテダイの仲間は背ビレ第4棘が長く伸びるのだが、その後ろの棘の数で2種を識別できる。ハタタテダイなら7本(写真)、ムレハタタテダイは8本。水中ではさすがに無理だが、高画質で撮影すれば、あとから拡大して数えられるかも。なるべく寄って背景をブルーで抜くとわかりやすい・・・けれど、やっぱりダイビング中に見分けたいよね、ダイバーだもの。

ハタタテダイ
ムレハタタテダイ

尻ビレに注目!
●黒帯:体側から尻ビレにかけて見られる黒帯が最長軟条まで達していなければハタタテダイ、達していればムレハタタテダイ・・・というのが分類学的な識別ポイント。なのだが、やっぱり水中ではわかりづらい。
●先端の形:ザックリと尻ビレ先端の形に注目してみよう。ハタタテダイは丸っこく、ムレハタタテダイはちょっと尖っているという印象。このほうがわかりやすいかもしれない。

これがホントの他人の空似

ツノダシ

ツノダシ
ハタタテダイの仲間ではない以前にチョウチョウウオ科でもないツノダシは、なぜかハタタテダイにソックリ。でも見分けは簡単。ハタタテダイは眼がクリクリして尾ビレは黄色、一方ツノダシの尾ビレは黒で眼は目立たない。また、口元もかなり突出。そんなツノダシはコスモポリタン。西はインド洋から東は東部太平洋まで、ワールドワイドに分布する。撮影/房総半島・西川名

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