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第79回 ハナダイ界のソックリさん

第79回 ハナダイ界のソックリさん

ハナダイの仲間はダイバーの人気者。暖色系で容姿端麗、メスからオスへ性転換するという生態が面白い(雌雄で模様が異なる種類も多い)。今回は、オス同士がよく似た仲間を集めてみたよ。構成・文/山本真紀(2021年5月制作)

ワールドワイドなソックリさん

ソックリでも分布域が違う(ズレる)という例。だから撮影地の記録は必須。面倒な方はデジカメにお任せを。

アカネハナゴイ(オス)

アカネハナゴイ(オス)
深紅の背ビレと長い腹ビレがオスの特徴。潮通しのよいサンゴ礁の普通種で、群れで見られることも。沖縄を含む中西部太平洋~東部インド洋の熱帯域に分布。撮影/沖縄・西表島

インディアン・フレームバスレット(オス)

インディアン・フレームバスレット(オス)
モルディブでおなじみのハナダイ。尾ビレの上葉・下葉に、深紅の帯が入ることでアカネハナゴイと見分けられる。インド洋~西部太平洋の熱帯域に分布。撮影/モルディブ

ハナゴイ(オス)

ハナゴイ(オス)
雌雄ともに紫の体色が特徴で、潮通しのよい場所で群れる。オスは大きな背ビレと尖った鼻先をもつ。伊豆・小笠原諸島、沖縄を含む中・西部太平洋の熱帯域に分布。撮影/奄美大島

パープルクイーン(オス)

パープルクイーン(オス)
姿も生態もハナゴイとソックリ。識別ポイントは、口元から下アゴにかけて黄色が入っているかどうか。主に西部太平洋の熱帯域に生息、分布も重複しているので注意。撮影/フィリピン

オタク向け?~アカボシさんとアサヒさん

スミレナガハナダイサクラダイといった超有名なハナダイに比べると、知名度も模様もかなり地味かも。これを機会にお見知りおきを。

アカボシハナゴイ

アカボシハナゴイ
水深20~60mとやや深場を好む小さなハナダイ(5~6cm)。日本では西表島で比較的よく見られ、東部インド洋~中・西部太平洋の熱帯域に分布。撮影/沖縄・西表島

アサヒハナゴイ

アサヒハナゴイ
こちらも深場を好む稀種。識別ポイントは尾柄部の赤い模様で、アカボシは縦帯、アサヒはパッチとなる。南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、沖縄、パラオに分布。撮影/伊豆大島

意外と似てる!?~アカオビさんとカシワさん

今回の記事で画像を整理していて気づいた意外なソックリさん。種名が合っているかどうか不安になったので、魚類写真資料データベースの瀬能 宏先生に確認していただきました。

アカオビハナダイ(オス)

アカオビハナダイ(オス)
名前の通りボディ中央の赤い帯がよく目立つ。南日本の太平洋岸を含む、中・西部太平洋~東部インド洋に分布。撮影/西伊豆・土肥

カシワハナダイ(オス)

カシワハナダイ(オス)
婚姻色のオスは、白っぽいボディに赤帯が浮き上がるため、アカオビハナダイにちょっと似ている。撮影/沖縄・ケラマ

アカボシハナゴイ

アカオビハナダイ
メスは赤い帯がないので、パッと見では種類がなかなかわからない。ただ、この個体は赤帯がうっすら出ており、メスからオスへ性転換中の個体とのこと。撮影/東伊豆・伊東

カシワハナダイ

カシワハナダイ
これが通常時のオスで、赤い帯は消えている。分布は南日本の太平洋岸、伊豆・小笠原諸島、沖縄を含むインド-太平洋。なおバックにいるのはキンギョハナダイのメス。撮影/沖縄・西表島

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