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海のいきもの
第75回 今年は丑年!~かいぎゅうの話

「海の牛」といえばウミウシの仲間! と思ったら月刊『マリンダイビング』2021年1・2月合併号でも過去連載(第4回)でもやってた。それなら今回は「カイギュウ」の出番! 怪獣じゃないよ。●構成・文/山本真紀(2021年1月制作)

「海の牛」といえばウミウシの仲間! と思ったら月刊『マリンダイビング』2021年1・2月合併号でも過去連載(第4回)でもやってた。それなら今回は「カイギュウ」の出番! 怪獣じゃないよ。●構成・文/山本真紀(2021年1月制作)

かいぎゅうというにゅうるいの仲間

海牛類の仲間は世界に4種、マナティ科とジュゴン科に大別される。アマモなど浅瀬に生える海草・水草を主食とし、体長2~4mにもなるが性質はおとなしい。昔の学者さんはずんぐりした体つきから牛を連想したらしいが、進化系統学的にはウシ(偶蹄類)よりゾウ(長鼻類)に近いとされる。

マナティ

マナティの仲間は世界に3種(アメリカマナティ、アマゾンマナティ、アフリカマナティ)。太古の昔、ジュゴンとの共通祖先から淡水域に進出し分化したと考えられており、アメリカマナティ(写真)は海と河川を行き来する。フロリダでは11月から2月にかけて、越冬のため遡上してきたマナティをウオッチングするツアーがある。写真の2頭は母子と思われる。撮影/フロリダ・クリスタルリバー

ジュゴン1
ジュゴン2

インド-西太平洋に広く分布し、現生種は1種。動作はスローモーで、アマモなどの海草しか食べない偏食家。「人魚」のモデルの有力候補であり、「その肉を食べると不老不死になる」という伝説がある。写真は水面下を泳ぐ母子の空撮(撮影/ニューカレドニア)と顔のアップ(撮影/バヌアツ)。

マナティとジュゴンの見分け方

尾ビレを見れば一目瞭然。マナティの尾ビレ(写真)は先端が丸いウチワ状で、ジュゴンは大きく二叉している。といっても、特にジュゴンとは自然界で出会うことなどまずないので、「自分の眼で確かめたい」という方は、海牛類がいる水族館へGO!《鳥羽水族館》は両方飼育している世界でも珍しい施設。お近くの方はぜひ。撮影/フロリダ・クリスタルリバー

尾ビレを見れば一目瞭然。マナティの尾ビレ(写真)は先端が丸いウチワ状で、ジュゴンは大きく二叉している。といっても、特にジュゴンとは自然界で出会うことなどまずないので、「自分の眼で確かめたい」という方は、海牛類がいる水族館へGO!《鳥羽水族館》は両方飼育している世界でも珍しい施設。お近くの方はぜひ。撮影/フロリダ・クリスタルリバー

オマケ~「海の牛」と「牛の魚」

ウミウシ

立派な「角」が水牛そっくり(触角です)。写真の個体はクロスジリュウグウウミウシか、その仲間。撮影/沖縄本島

Cowfish

英語圏では眼の上に突起があるハコフグの仲間をCowfish(cow=牛)と呼ぶ。写真はシマウミスズメ。撮影/東伊豆・川奈

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