- ホーム
- スキル
- ダイビングスキルアップ術
- 第27回 Cカード講習って何?
基礎からわかる! ダイビングスキルアップ術
第27回 Cカード講習って何?
スキューバダイビングをするうえで必要なのが、Cカード!なのは、ダイビングをしたことがない人でも、なんとなく知っているとは思いますが、そもそも「Cカード」ってどんなものかご存知ですか?
Cカード講習って何?
そもそも「Cカード」って何?というところからわからないと思う。
CカードのCは英語のCertification(認定)という意味で、ダイビングの場合、自動車免許のような国家免許(ライセンス)ではなく、私的なダイビング教育団体(ダイビング指導団体と私たちは呼んでいる)が、「この人はダイビングに最低限必要な知識とスキルを身に付けましたよ」ということを講習を修了した時点で「認定」することから、ダイビング指導団体が講習を受けた人がダイバーであることを認定し、発行するカードを「Cカード」と呼ぶようになったもの。
世の中に「ダイビングライセンス」という言葉がはびこっているけれど、ダイビング講習を修了した後にもらえるものは実はライセンスではなく、Cカードなのだ。
で、ダイビングに必要な知識とスキルを習得するための講習を「オープンウォーターダイビング講習」とか、「ダイビング講習」と呼び、修了するとCカードがもらえることから「Cカード講習」と発展したもの。
ダイバーになるためには講習を受けよう
ダイビングは誰にでもできる。
心肺の持病がある方をはじめ、いくつかの病気や症状がある方には難しいけれど、10歳以上のお子さまから上は何歳まででもダイバーになる道は開けている。
(40歳以上もしくは50歳以上の方には健康診断書が必要になる場合も)。
目の見えない方や耳の聞こえない方、四肢が自由にならない方なども楽しんでいる。
では、どうすればダイビングが楽しめるのだろう?
一つは「体験ダイビング」と呼ばれる、まさに“ダイビングを体験する”コースがある。
この場合、ダイビングはできるけれど、その後またダイビングをしてみたいと思ったときにはインストラクターのもとで「体験ダイビング」に参加するしかない。 ダイビングスクールによっては、体験ダイビングに何回か参加したことを証明するものを持っていれば次に、ダイビング講習を受けるときに実技の一部が免除になる場合もある。
でも、ダイビングのスキルや知識を身に付けて、“一人前のダイバー”として認めてもらうためには“オープンウォーターダイバー”クラスの「ダイビング講習」「Cカード講習」と呼ばれる講習を受ける必要があるのだ。
講習を開催するのはダイビングインストラクターなのだが、ダイビングインストラクターは、ダイビングショップやダイビングサービスに所属していて、実際にはそうしたショップやサービスがダイビング講習を開催している。そして、ここからはダイビングを始めようとする方にはあまり関係のないことなのだが、ダイビングショップやダイビングサービスがダイビング指導団体に登録していたり、ダイビングインストラクター自身がダイビング指導団体にインストラクターであることを認定されたりしているのだ。
つまり…ダイビングを始めるには、ダイビングショップ、ダイビングサービスを選んで、講習を予約することが先決だ。
ダイバーになるための講習では何をする?
ダイバーになるためのダイビング講習では、大きく分けて3つのコースを順に受けることになる。
1 学科講習
2 プール講習
3 海洋実習
以上の3つを最低でも3日間、通常は4~5日間かけて受けるのだが、一気にまとめて受講してもいいし、土日を2~3回使ってもいいし、平日の夜、何日間かに分けて学科講習をして土日でプール講習&海洋実習というのでもいいかもしれない。
講習のスタイルはいろいろあるので、ダイビングショップに相談しよう。
それにしても「学科講習」と聞いただけでつまずく人もいるようだが、内容は、小学生から中学生レベルの教科書程度で、むずかしいことはない。わからないことがあっても、インストラクターがわかるまで教えてくれるから大丈夫。
逆に、生物のことや器材のことなど、探究したい人には奥の深いテーマもあり、知識欲を掻き立てる部分が大いにあるのも、ダイビングの魅力でもあるのだが・・・。
「プール講習」も、プール=水泳と思われがちだが、ダイビング講習の場合のプール講習は、器材のセッティング方法から水中での使い方、潜り方や水中でのバランスのとり方などを学ぶため、水泳とはまったく違って、実際には泳ぎが苦手な方でもバッチリできてしまうほど。 また、できないことは学科講習と同じく、何度でも繰り返して練習することができるので、ここで挫折する人はほとんどいないのが現状。
そして「海洋実習」。
これはプール講習で練習したことを、実際の海でおさらいし、実践する場。
プール講習でしっかり基本スキルを身に付けておけば、すんなりとできる人が多い。
もちろん、うまくできない人は、インストラクターが繰り返し教えてくれるので、ダイビングをするための基本的なスキルを海でもできるようになるはずだ。
ダイビング講習、Cカード講習というのは、一人前のダイバーとして、インストラクターがいないところでも潜れるようになるためにダイビングの知識とスキルを身に付けるためのもの。 どうせ始めるなら、しっかり教えてくれる、信頼のあるインストラクターやダイビングショップ、ダイビングサービスで習いたい。
Cカードって何?
今回の連載タイトルは敢えて「Cカード講習」としたのだが、ダイビングを始めようと思った人に“Cカード”なんて言っても、わからないのが当然だ。『マリンダイビング』編集部としては、こう書くとCカードを取ることが目的と勘違いされてしまうので(あくまでもダイビングの知識とスキルを身に付けるのが目的だから)、あまり使いたくないのだが、世間ではこう呼ぶ人もいるので、一応、使ってみた次第。
Cカード協議会に加盟しているダイビング指導団体のCカード
Cカードというのは、前述のとおりCertification Cardのことで、ダイビングの指導団体(教育団体ともいう)がダイビング講習を受けた人に、その講習を修了したことを証明、発行する“認定証”のこと。
インストラクターコースを修了した人に認定するカードだってCカードではあるのだが、「Cカードを持ってる?」と聞かれる場合は、レジャーダイバーとして最低限の講習=オープンウォーターまたは同等のクラスの講習を修了したことを認める認定証を持っているか?という意味なのだ。
このCカードを持っている=ダイビング講習を修了したということで世界のどこにでも潜りに行けるようになるというわけだ。
ただし、近年はオープンウォーター講習では水深18mまでの範囲でのダイビングができるよう講習しただけであって、それ以上潜る場合は、ディープダイビングスペシャルティというスペシャルティコースを受ける必要があったり、それらを含め、18m以深でも潜るスキルを学ぶ「アドバンスド」講習を受ける必要があったりする。 オープンウォーターだけでなく、その先もステップアップしておくと、ダイビングの世界はもっと広がるのだ。
皆さん、ぜひ講習を受けてCカードを取得して、人生が変わるほど楽しいダイビングの世界へ跳び込んでみてください。
バックナンバー
- 第51回 ダイビングにホントに必要な器材
- 第50回 久しぶりのダイビングのチェックスキル
- 第49回 トラブル対処法 その2 忘れる編
- 第48回 トラブル対処法 その1 マスク編
- 第47回 タンクベルトの締め方
- 第46回 魚や生物のウオッチング術 Part 3 ザトウクジラ編
- 第45回 曇り止めの極意
- 第44回 BCの洗い方
- 第43回 失敗から学ぶドライスーツ術
- 第42回 ダイビング器材のお勉強 その2
- 第41回 ダイビング器材のお勉強 その1
- 第40回 ダイブコンピュータで一人前のダイバーになる!
- 第39回 外れたタンクの直し方
- 第38回 船酔い対策
- 第37回 ウエイトの分散
- 第36回 ビーチダイブのエグジット
- 第35回 ボートダイビングのエグジット
- 第34回 ボート? ビーチ?
- 第33回 刺す危険生物
- 第32回 噛む危険生物
- 第31回 煙幕ダイバーから卒業
- 第30回 ひと目でわかるダイブコンピュータ
- 第29回 マスク&フィンのカンタン脱着術
- 第28回 スノーケリングのお作法
- 第27回 Cカード講習って何?
- 第26回 空気消費量の算出法
- 第25回 オクトパスブリージング
- 第24回 ナビゲーション Part 3
- 第23回 ナビゲーション Part 2
- 第22回 ナビゲーション Part 1
- 第21回 魚や生物のウオッチング術 Part 2 回遊魚の群れ編
- 第20回 魚や生物のウオッチング術 Part 1 マンタ編
- 第19回 エンリッチド・エア・ナイトロックス
- 第18回 できる耳ぬき
- 第17回 ボート上のマナー
- 第16回 ボートエントリー
- 第15回 ビーチエントリー
- 第14回 安全な浮上方法
- 第13回 安全停止攻略法
- 第12回 ダイビング中の呼吸
- 第11回 とっさのときのBC操作
- 第10回 適正ウエイト
- 第9回 耳ぬき
- 第8回 セーフティフロートを上げる
- 第7回 中性浮力
- 第6回 マスククリア
- 第5回 潜降の方法
- 第4回 ダイブコンピュータ
- 第3回 フィンワーク
- 第2回 BC&タンクのラクな背負い方
- 第1回 ダイビング器材セッティング方法
- 番外 基本スキルをおさらい!
- 番外 動画で見る!ドライスーツの着方