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第1回 水中写真を撮るには

水中写真がうまくなる!!
第1回 水中写真を撮るには

水中写真がうまくなる!! ~プロが教える撮影テクニック~

みなさん、こんにちは。月刊『マリンダイビング』のカメラマンのはらだまです。
この連載では、水中写真の撮影機材や操作の方法、撮影のコツなどを、水中写真を始めたい、うまくなりたいという方に紹介していきます。ぜひ撮影のときに参考にしてみてください。

「青い世界」などと呼ばれる海中は、実はこんなにカラフル!地球の7割を占める海で水中写真を撮ってみよう!!
撮影地:フィリピン

水中写真が撮れるデジタルカメラって
どんなものがあるの?

 デジタルカメラ(以下デジカメ)で水中写真を撮るには、「ハウジング」や「防水プロテクター」、「ウォータープルーフケース」などと呼ばれる防水ケースが必要です。汎用性のあるケースもありますが、一般的には、陸上で使用しているデジカメごとに専用のケースになっていますので、初めにデジカメを購入するときに、アクセサリー部品の中に防水ケースがあるか確認しましょう。 デジカメと一口に言っても、多種多様な種類がありますので、機材別に解説していきます。

軽量、多機能はじめの一歩
コンパクトデジタルカメラ

 一般にデジカメというと、このタイプをイメージする人も多いでしょう。コンパクトデジタルカメラ略してコンデジは、水中写真を始めるにはピッタリのデジカメです。名前の通りコンパクトで、軽量、しかも簡単にきれいな水中写真が撮れます。コンデジ自体が防水機能を備えている機種もあり、万が一の水没のリスクも大幅に軽減されます。システムアップできるようにアクセサリー部品も数多く販売され、さまざまな被写体に対応できます。各コンデジは専用の防水ケースがありますので、対応機種などをよく確認しましょう。

コンデジ+防水ケースだけでもきれいな水中写真が撮れる!!
撮影地:ケラマ諸島

多くのコンデジが、専用防水ケースになっているので、対応するものを選ぼう

コンデジからレベルアップしたい!
ミラーレス一眼

 ミラーレス一眼は、コンデジと後述のデジタル一眼レフのいいところを併せ持つデジカメです。コンパクトでありながら、高画質で多機能、デザイン性も高いのが特徴です。デジタル一眼レフのようにレンズ交換もでき、水中写真の幅が広がること間違いなしです。ミラーレス一眼もコンデジ同様、デジカメごとに専用の防水ケースがありますので、新たにミラーレス一眼を買う場合は、確認しましょう。

高画質でコンパクトなミラーレス一眼。クマノミの表情もシャープに撮れる
撮影地:ケラマ諸島

防水ケースに入れても比較的コンパクトなので、重い機材は苦手という人におすすめ

本格的に撮ってみたいなら
デジタル一眼レフカメラ

 陸上でもカメラ人気から、デジタル一眼レフカメラ(デジイチ)を愛用している方も増えてきています。水中でも、デジイチは交換可能なレンズの多さ、画質の良さなどから、多くの愛用者がいます。筆者も取材時の水中撮影はデジイチです。液晶画面を見ながら撮影する他のデジカメと違い、光学式ファインダーがデジカメの上部についていて、そこを覗いて撮影します。使用できるレンズが非常に多く、被写体に応じてレンズを交換し、水中写真が楽しめます。陸上でもコンデジやミラーレス一眼に比べ大きいデジカメですから、防水ケースはさらに大きくなります。水中での扱いは、ある程度ダイビングスキルがあるほうが落ち着いて行えるでしょう。また、デジカメの機能や操作に慣れていることが必要になると思います。

レンズ交換でさまざまな被写体に対応できる
撮影地:モルディブ

筆者の撮影機材。魚群や風景などを撮るデジイチと、小さな生き物を撮るデジイチの二台を持って潜る

メーカーが防水ケースを販売していなかったら、
水中写真は撮れないの?

 防水ケースはデジカメメーカーの純正品と、防水ケースのみ機種ごとに作っているメーカーがあります。純正品がないデジカメは、防水ケースを専門に製作販売しているメーカーがあり、各社のデジカメに対応したものを作っています。金属による既製品や、オーダーメイドで製作しているメーカーもあるので、探してみるといいですね。先ほど紹介した筆者の防水ケースも、一台は金属製の既成のデジイチ用防水ケース、もう一台は、防水ケースが販売されていない機種だったので、アクリル製のオーダーメイドのものを使用しています。

忘れちゃいけないNEWデジカメ
ウェアラブルカメラ

 近年、水中でも人気上昇中なのが、ウェアラブルカメラです。マスクに取り付けたり、手で持ったりしながら、水中の世界を動画で撮れるというもの。非常にコンパクトで、まさにウェアラブル=身につけるという言葉がぴったりです。水中でも簡単に動画が撮れる機材ですので、グループでのダイビング旅行の思い出や、臨場感あふれる動画を撮りたい人におすすめです。

非常にコンパクトでありながら、高画質の動画を記録できる

各種アタッチメントが豊富で、マスクのストラップに取り付けることも可能

防水ケース以外に必要な物は?

 水中の世界は、太陽光が水を通過するときに色が失われていきます。つまりそのまま撮影すると、全体に青カブリした写真になってしまいます。そこで、本来の色を再現できるように、水中で使用可能なストロボやライトを使用して、発色させます。コンデジであれば、本体に内蔵されているストロボを使用し、ミラーレス一眼やデジイチでは、新たに独立したストロボやライトを用意します。もちろん、コンデジでも使用可能なので、防水ケースの次に用意したい機材です。

コンデジとストロボをセットした一例。色を再現するためにはストロボやライトといった人工光源が必須になる

ストロボを使用せずに撮影したもの。被写体の色が再現できていない

ストロボを発光させることで、被写体の赤が鮮やかに再現できた
撮影地:パラオ(2点とも)

まとめ

 今回から始まりました、「水中写真がうまくなる!!~プロが教える撮影テクニック~」では、水中写真にまつわるさまざまな機材、ノウハウを紹介していこうと思っています。
次回は陸上写真と水中写真の異なる点を紹介していきます。

皆さんの疑問、質問にお答えします!!

皆さんの疑問、質問にお答えします!!「どうしてこんな風に写ってしまうの?」、「このボタンは操作すると、写真がどう変化するの?」など質問があれば、どんどんお答えします!!

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原田 雅章
1972年3月埼玉県生まれ。
日本大学芸術学部写真学科卒業。
大学在学中に沖縄を何度も訪れ、島の風景や人々に感動しスクーバダイビングを始める。
卒業後、(株)水中造形センターに入社。
同社出版物である『マリンダイビング』などの雑誌で活躍中。
国内は、伊豆半島、紀伊半島、沖縄各島など、海外は南の島を中心に、太平洋、インド洋、カリブ海など20ヵ国以上を撮影。
ダイビング経験は23年、約4500本の潜水経験を数える。
雑誌での取材はもちろん、各地でフォトセミナーを開催。"はらだま"の愛称で親しまれる。
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