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STOP! 潜水事故
CASE142 初ファンダイブでパニックに

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE142 初ファンダイブでパニックに

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

【事例】
事故者は前日にオープンウォーターダイビング講習を終え、当日は朝9時頃から初ファンダイブとして、夫とガイドとともにスロープからビーチエントリーしてダイビングを開始した。約30m沖にあるブイまでレギュレーターを使用して水面移動をしていたところ、事故者は海水を飲んでしまい、さらに海面はうねりもあり、パニックを起こした。なかなか治まらないのでガイドが後ろから事故者を抱え、レギュレーターをくわえさせながら夫とともに陸へ搬送。海から上がったときは事故者も落ち着き、呼吸ができていたが、器材を外しているときに事故者の意識が朦朧としてきて会話が成立しなくなったため、酸素投与を行ったのち119番通報を行い、事故者を救急車で病院に搬送した。

直接の原因パニック

対処法

大変な初ファンダイブとなってしまったが、事故者が生きていたのが救い。これがトラウマになっていなければいいが……。 これからダイビングを始める方にぜひ知っておいてほしいのだが、ダイビングは最初のオープンウォーターダイビング講習でダイビングの基本スキルや知識を修得し、講習が終わったことを証明するライセンス(正式には「Cカード」。認定証)を発行してもらう。

でも、自動車の運転免許証を取得しても、実際に車を運転して経験を積まないと上手に運転ができないように、ダイビングもライセンスを取ったとしても、その後、インストラクターやガイドと一緒に潜ってダイビング経験を積んでいかないとダイビングは上手くならない。

だから、事故者が講習が終わった翌日に初ファンダイブをすることになったことはとても喜ばしい。
ただ本人も、周りの人(この場合、ご主人)が気をつけなければいけないのは、体調は万全だったのか?

講習の疲れは残っていなかったか?といった体調面。ダイビングはレジャーだが、体調がすぐれないときはちょっとしたことでトラブルや事故につながることがあるので、講習で普段やり慣れないことをいろいろやっただけに、翌日は疲労も残っていたのではないか。ガイドを担当したのがOW講習のインストラクターだったかどうかは不明なのだが、もしそうであれば、ガイド側としても体調面でもう少し気づいてあげればよかったと思う。

また、いくら3点セットを付けているからといっても、水面移動は結構ハードだ。特に初心者の頃はフィンを付けて泳ぐのに慣れていない。講習中、水面移動の練習はあったかもしれないけれど、どちらかというと水中移動の練習が主体となってしまい、水面でのフィンワークは修得するに至っていない可能性がある。筆者の体験では、Cカード取得後もしばらくの間、水面移動はとても苦手だった。なかなか進まない(フィンワークに慣れていない)、それがために焦って過呼吸になる(パニック寸前)など、良いことがなかった

今回の事故者にも同じようなことが起きていたのではないか。

さらに、当日はうねりがあってと、海況は初心者にはやさしいものではなかったのかもしれない。初心者には泳ぎづらかったといえる。
CASE134でも水面移動中の事故事例を紹介しているけれど、事故を起こさないためにはゆっくりと自分のペースで泳ぐことも大切。夫やガイドに追いつこうと必死になればなるほど、やはり過呼吸になりパニックにつながるもの。

水面移動ができるようになることは大切だが、最初のうちは呼吸が上がらないようにゆっくり泳ぎ、フィンを大きく動かすことで推進力を得て(バタ足みたいにバタバタしない)ゆっくり進むことがポイント。慣れてくればより遠くまで、より速く、ストレスなく泳げるようになるものだ。

なお、事故者自身に気づいてほしいのは、呼吸がちゃんとできているかどうか。過呼吸気味になったらそこでゆっくり留まること。呼吸を整えてから再び泳ぎ出せばいい。これもまたパニックを起こさないための大事なポイントだ。

夏も盛りの時期で、日本全国これだけ暑いと海に行きたくなるし、ダイビングを始めたい! 久しぶりにダイビングをしたい!!という方も多いだろう。呼吸など、基本的なスキルを思い浮かべながらダイビングを大いに楽しんでいただきたい。

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