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STOP! 潜水事故
CASE25 6月、北の海で70代女性が意識不明に

CASE25 6月、北の海で70代女性が意識不明に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。
そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE25 6月、北の海で70代女性が意識不明に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

事故者は70代女性。ある年の6月、Cカード取得講習のため地元(東北地方)のダイビングツアーに参加していた。
インストラクター1名と事故者、およびもう1名の参加者の合計3名でバディブリージングをしていたところ、事故者が手でバツサインを出したため、インストラクターが2名を従えて浮上した。浮上後、事故者に意識がないことから人工呼吸をしながら海岸に引き揚げ、救急車に引き渡した。
事故者は救急車到着までに意識を回復したが、病院で湿性溺水で3、4日の入院経過観察が必要であると診断された。

直接の原因バディブリージングへのストレス、バディブリージングのミス、呼吸の乱れなど

対処法

 月刊『マリンダイビング』の連載「ビギナーでもわかる潜水医学」でも執筆者の大岩弘典先生が事あるごとに書いていらっしゃるが、中高年ダイバーのダイビング事故は増える一方だ。なんとかしなければならない。

 まず70代の女性が6月の東北の海に初めてであろうダイビングを経験すること自体に、無理はなかっただろうか? しっかりと防寒はしていただろうか?
というのも、6月というと、気候の上ではかなり暑くなり、昨年も30℃超えの日が何日もあった。が、水温はというと、東北地方であれば10℃台の前半だった可能性は高い。日本近海では、海水温は基本的に大気温の上下と比べて2カ月ほどずれているといわれていて、6月はまだ水温は低い。気持ちは気温があったかいので、夏気分になれても、実際に潜ると冷たいので、ドライスーツを着用したり厚手のウエットスーツを装着するのが一般的だ。

 Cカード講習中の事故者は果たして、温かい格好でダイビングができていただろうか。
その辺は不明なのだが、"ダイビングショップの元での講習だから、防寒もしっかりされていただろう"と仮定すると、あとは事故者がバディブリージングへのストレスを感じていたか、実際の実習でバディブリージングが上手くできなかったことが原因とも考えられる。

 最近は講習ではオクトパスブリージングといって、自分のオクトパスを相手に渡すのが主流だが、いずれにしても、実際に自分のレギュレーターを外して、バディのオクトパスに替えるという手段が必要となってくる。このオクトパスをくわえるときに海水まで飲んでしまったか、もしくはくわえた後に排水に上手くいかなかったか。はたまた排水をしきれなくて呼吸をした際に海水を飲み込んでしまったか。
さらにストレスがたまって過呼吸になってしまったとも考えられる。

 飲み込んだのはおそらく10℃台の冷たい海水だ。体にいいワケはない。

 講習中だけになんとか防ぐ方法があったのではないかと悔やまれる事故だが、事故者が入院だけで死亡に至らなかったことだけは救いである。

 地元のインストラクターにしてみれば、冬に比べればあったかい水温かもしれないが、初心者、しかもダイビングをこれから始める人にとっては、やっぱり冷たいのだから、特にシニアの場合は寒さ対策を忘れずに万全を期した上で、バディブリージングも確実にできるよう、プールで、浅い水深で、何度も繰り返しておくべきなのではないだろうか?

 何歳になってもダイビングはできるし、始められる。でも、年を重ねただけ事前の準備も環境に合わせてしっかりしなければいけないということだ。

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

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ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
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