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STOP! 潜水事故
CASE42 浮上後、意識朦朧に

CASE42 浮上後、意識朦朧に

ダイビングに限らず事故はつきものではあるが、最初から最後まで何事もなく安全に楽しめてこそ、本当のレジャー。 ダイビングの場合、潜水事故というと死に至るケースも少なくない。 そして多くの人が「他人事」と思っているフシもあるけれど、ふとした気の緩みやちょっとしたケアレスミスで潜水事故が起こることも。 明日はわが身。 もう一度基本を振り返る意味でも、ぜひこの連載を参考にしていただきたい。

CASE42 浮上後、意識朦朧に

今回の潜水事故の原因

  • バディ不遵守
  • 身体拘束
  • 監視不十分
  • 器具の不備・取り扱い不注意
  • 体調の不注意
  • 技量の未熟
  • 気象・海象の不注意
  • エア確認不注意
  • その他

ショップのダイビングボートにダイビング客16名を含む20名が乗り、ダイビングへ。
10時10分頃、1本目のダイビングをスタートしたところ、20分ぐらいして水深15m付近でAさん(50代女性)が「苦しい」と合図を送ってきたので、ガイドがレギュレーターやタンクに異常がないかどうかをチェックしたが、特に異常はなかった。Aさんがまだ苦しいと訴えていたため、ガイドと二人で浮上を開始した。Aさんが落ち着いていたため、水深10m付近で減圧を行ない、1分間程度かけて浮上をした。浮上後Aさんの口から細かい泡が吹き出されたので、船上に引き上げたが、意識が朦朧となり、呼吸が徐々に弱まり停止した。
インストラクターが人工呼吸を行なったところ、自活呼吸を再開。その後。近くのダイビングボートから酸素タンクを借り、酸素を吸入させながら11時23分頃港に到着。待機していた救急車に引き継いだ。
命はとりとめ、約1週間入院治療の診断。

直接の原因体調不良

対処法

水中で体調が急変、もしくはもともと体調がすぐれなかったのに潜ってしまい、悪化するという例は少なくない。
Aさんのように救急車に搬送されると事故として報告されるけれど、救急車を呼ぶほどではない程度のものも含めると、結構あるのではないだろうか。

まず対処法としては、Aさんはとても冷静で、パニックにも陥らず立派だったとは思う。
ガイドさんも水深10m付近での減圧が、果たして適当かどうかは別にして……
(というのは、最大水深がわからないが、減圧停止を必要とするダイビングではなかったようだし、ディープストップが必要だったとも思えない。安全停止をするなら水深3~5m台で3分間が妥当だったのではないだろうか)
Aさんに付き添って、目を離さずにいたことで、すぐに人工呼吸を施すこともできたし、良かったのだと思う。

では、どうすればこういう事故は避けられるのか?
こうした水中での突然の体調不良は、事故を起こさないための対策を常に気にかけておくべきなのだ。

例えば、ダイバー自身の体調管理を、自分で厳しくすることなのではないだろうか?
ただそれも一人一人の気質によるところも大きいわけで、筆者のように楽観的、冒険大好き、おおざっぱな人間は、普段より厳しく判断すべきなのだが、普段から繊細で心配性な方は、たぶん厳しくしなくてもいつもどおりでいいのだと思う。

肝心な自己判断は、ダイビング当日、ダイビングができるような体調かどうか。
少しでも異常を感じたら……たかが風邪でのどが痛い、とか、鼻が詰まっているといったようなちょっとした不調でも、本来なら潜るのはやめたほうがいい。
特に生活習慣病などの持病がある方や、体力が普段からあまりない方、普段から運動をしていない方などは、体調の異常があったら勇気を持ってダイビングをキャンセルしたほうがいい。
何かが起こってからでは遅いこともあるかもしれない。

でも、楽しくダイビングをするためには普段から健康に気を遣い、適度な運動をしたりして、ダイビングの日に最高潮の体調を迎えられるよう、調整するのが一番。
まあ、働く世代が「ダイビングが唯一の楽しみ!」と、働いて働いて疲れた体でダイビングに行ってストレスを発散させているのを見ると、イケナイとは言いつつもそれもありだなとは思ってしまう筆者だが。
いやいや、いけない。やっぱりダイビングは健康が一番。
睡眠不足やストレス過多も事故の元になりかねないので、ご注意を!

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビングは安全に潜ってこそ楽しい!
でも、万が一のとき、あなたはどうしますか??

ダイビング初心者の方は、ダイビングは怖いものと思っている方も多いと思います。実際は、基本手順やルールを守って潜れば、それほど怖がることはないレジャースポーツです。
また、ダイビングは海という大自然と向き合います。
だからこそ、「水中で体験した感動は忘れられない!」、「人生を変えるほどダイビングは素晴らしい!」と感じるダイバーが多いのも事実です。
しかし、自然が相手のスクーバダイビングですから、100%安全なんてことはありません。万が一のときあなたはどうしますか?
そんな時、DAN JAPANがあなたをサポートします。

詳しくは、こちらをご覧ください。

DAN JAPAN
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TEL:045-228-3066
FAX:045-228-3063
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